話題株ピックアップ【夕刊】(2):富士通ゼ、SUMCO、ヤマトHD
■富士通ゼネラル <6755> 2,225円 +52 円 (+2.4%) 本日終値
富士通ゼネラル<6755>は反発。SMBC日興証券は4日、同社株の投資評価を「2」から「1」へ引き上げた。目標株価は1800円から2500円に見直した。同証券では、新型コロナウイルスの影響は相対的に軽微にとどまり、原材料安などもフォローとなる可能性を指摘。21年3月期の連結営業利益を従来予想125億円から前期比7.1%増の160億円(会社予想は未定)に見直した。22年3月期の同利益は210億円、23年3月期は240億円と増益基調が続くと予想している。
■SUMCO <3436> 1,685円 +38 円 (+2.3%) 本日終値
SUMCO<3436>が堅調な値動き。前日の米国株市場では利益確定の動きが広がり、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数は反落したが、マイクロンテクノロジーが大幅高したほかインテルなども堅調で、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日続伸した。東京市場でもこの流れを引き継ぎ半導体関連株には買いが先行した。次世代通信規格「5G」が世界的に始動するなか半導体メモリー市況も回復歩調にあり、同社が製造するシリコンウエハー需要にも追い風が意識されている。
■ブレインパッド <3655> 5,110円 +110 円 (+2.2%) 本日終値
ブレインパッド<3655>が反発。株価は5月中旬に大きく調整を入れたが、その後はバランスを立て直し、人工知能(AI)関連銘柄物色の流れに乗り、6月3日には5300円台まで水準を切り上げる場面があった。同社は4日取引終了後、WEBメディア向け統合ソリューション「Media Weaver Drive」を日本ビジネスプレス(東京都港区)と共同開発することを発表、足もとはこれを手掛かり材料に買いが優勢となった。
■ヤマトホールディングス <9064> 2,403円 +27 円 (+1.1%) 本日終値
ヤマトホールディングス<9064>が続伸。4日の取引終了後に発表した5月の小口貨物取扱実績で、宅急便の取扱数が前年同月比19.5%増の1億6498万7396個と4月に続いて2ケタ増となったことが好感された。
■積水ハウス <1928> 2,132.5円 +22.5 円 (+1.1%) 本日終値
積水ハウス<1928>が4日続伸。4日取引終了後に発表した21年1月期第1四半期(2~4月)の連結決算は、売上高5980億9600万円(前年同期比25.3%増)、経常利益475億9900万円(同36.2%増)に拡大しており、これを好感する買いが優勢となった。主力とする戸建て住宅の販売は減少したものの、昨年10月に連結子会社化した鴻池組の業績上積みに加え、都市再開発事業でリートに物件を売却したことなどが収益を押し上げた。また、米国や中国で販売用不動産の引き渡しが進んだことも業績拡大につながった。
■マクドナルド <2702> 5,870円 +40 円 (+0.7%) 本日終値
日本マクドナルドホールディングス<2702>が4日続伸。4日の取引終了後に発表した5月度売上高で、既存店売上高が前年同月比15.2%増となり、2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客数は同20.7%減と大幅に減少したものの、客単価が複数人数分の注文が多い持ち帰り、ドライブスルー、デリバリーの利用が増えたことを受けて同45.3%増となった。
■日本光電 <6849> 3,440円 -155 円 (-4.3%) 本日終値
日本光電<6849>が大幅反落。大和証券が4日付で、投資判断を「1」から「2」へ引き下げたことが弱材料視されたようだ。なお、目標株価を3800円から4000円へ引き上げている。同証券では、生体情報モニタの需要は当面底堅く推移すると見ているほか、新型コロナウイルス「第2波」が警戒される中、国内でICU増設の機運が高まると予想。一方で、新型コロナの影響で病院設備投資凍結・延期の影響を考慮し、21年3月期営業利益予想を181億円から159億円へ、22年3月期を同193億円から174億円へそれぞれ引き下げている。
■ピジョン <7956> 4,200円 -170 円 (-3.9%) 本日終値
ピジョン<7956>が大幅反落。4日の取引終了後、20年12月期の連結業績予想について、売上高を1090億円から985億~1024億円(前期比1.5%減~2.4%増)へ、営業利益を181億円から134億~155億円(同21.5%~9.2%減)へ下方修正しており、これが嫌気された。新型コロナウイルス感染症の影響長期化を織り込んだという。レンジ上限は、20年下期の早い段階で、各国における流行が収束し、それに伴って企業活動や経済活動、個人消費が直ちに回復基調となった場合の予想数値であり、下限は、20年後半まで感染が拡大、または流行が収束に向かっていてもなお、現在のように企業活動や経済活動、個人消費が停滞し続けた場合の数値という。なお、同時に発表した第1四半期(1~3月)決算は、売上高228億3600万円(前年同期比10.3%減)、営業利益34億300万円(同24.4%減)、純利益28億6900万円(同8.6%減)だった。インバウンド需要の大きいベビー・ママ向け用品が落ち込んだほか、プロダクトミックスによる粗利率の悪化などが響いた。
■日本空港ビルデング <9706> 4,970円 -20 円 (-0.4%) 本日終値
日本空港ビルデング<9706>が安い。4日の取引終了後に発表した20年3月期連結決算が、売上高2497億5600万円(前の期比8.7%減)、営業利益98億9200万円(同56.0%減)、純利益50億1200万円(同84.8%減)と大幅減益となったことが嫌気された。施設管理運営業で家賃収入の増収があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響で国内線と国際線の旅客数が減少し、物品販売業、飲食業が減収となったことが響いた。また、羽田空港第2ターミナル国際線施設の供用開始に伴う一時費用の発生なども利益を圧迫した。なお、21年3月期業績予想は、新型コロナウイルス感染症による影響を合理的に算定することが困難であるとして未定としている。
■アルチザネットワークス <6778> 1,605円 +300 円 (+23.0%) ストップ高 本日終値
アルチザネットワークス<6778>はカイ気配スタートでストップ高。4日の取引終了後、20年7月期の連結業績予想について、売上高を30億円から32億4000万円(前期比23.2%増)へ、営業利益を2億5000万円から3億7000万円(同5.0倍)へ、最終利益を1億5000万円から2億6500万円(同2.3倍)へ上方修正したことが好感された。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、主力のモバイルネットワークソリューションで海外販売が計画を下回っているものの、国内では5G向け製品の販売が予想を大きく上回って推移していることが売上高・利益を押し上げる。また、業績予想の修正に伴い、期末一括配当予想を3円から6円に引き上げた。なお、第3四半期累計(19年8月~20年4月)決算は、売上高22億5500万円(前年同期比50.1%増)、営業利益3億1700万円(前年同期3億8300万円の赤字)、最終利益2億2000万円(同2億6900万円の赤字)だった。同時に、NEC<6701>とNTTドコモ<9437>に5G向けテストソリューションを納入したと発表。また、富士通<6702>からは5G向けテストソリューションを使用した基地局の評価業務を受注したとあわせて発表しており、これも好材料視された。
株探ニュース