欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米失業率が想定内ならドル買戻しも

通貨
2020年6月5日 17時25分

5日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。前日の取引で急伸したユーロ・円が上昇一服なら、ドルは失速する見通し。ただ、今晩発表の米失業率が想定内に収まれば、米景気底打ち期待でドルは買戻しが入りそうだ。

欧州中銀(ECB)は前日開催した理事会で、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の6000億ユーロ増額と、少なくとも2021年6月末までの継続を決めた。市場観測を上回る規模の緩和措置に踏み切ったが、新型コロナウイルス危機への対応を強化する姿勢が好感され、ユーロは他の主要通貨に対し急伸。ユーロ・円は121円後半から2円程度も強含み、ドル・円を再び109円台に押し上げた。ただ、本日アジア市場で、ドル・円は日本株高を背景に2カ月ぶりの高値に浮上しているが、ユーロ・円の上昇一服で一段のドル高は抑えられた。

この後の海外市場では、21時半発表の米5月雇用統計が焦点。非農業部門雇用者数は-800.0万人と、4月の-2053.7万人から大幅改善が見込まれている。半面、失業率は19.5%と、4月の14.7%からさらに悪化の見通し。20%近い失業率となればインパクトは大きく、先行きを懸念したドル売りに振れやすい。逆に予想を下回れば底打ちへの期待感からドルは買戻しの可能性があろう。とはいえ、米国内での暴動や米中対立の激化への懸念は根強く、週末を控え株売りに振れやすい。ドルにはやや過熱感も指摘され、目先の大幅高は想定しにくい。

【今日の欧米市場の予定】

・21:30 米・5月非農業部門雇用者数(予想:-800.0万人、4月:-2053.7万人)

・21:30 米・5月失業率(予想:19.5%、4月:14.7%)

・21:30 米・5月平均時給(前年比予想:+8.5%、4月:+7.9%)

・21:30 カナダ・5月失業率(予想:15.0%、4月:13.0%)

・04:00 米・4月消費者信用残高(予想:-200.00億ドル、3月:-120.44億ドル)

《FA》

提供:フィスコ

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