来週の株式相場戦略=需給相場の行方注視、3月急落場面と真逆の展開か

市況
2020年6月5日 17時56分

6月第1週(1~5日)の日経平均株価 は、前週に比べ985円(4.5%)高の2万2863円で取引を終え、3週連続で上昇した。緊急事態宣言の解除を発表した先月25日からは9勝1敗と連日高に沸いている。特に、きょうは前場の下げを後場に切り返し、ほぼ高値引けとなった。市場関係者からは「相場は本当に強い」と感嘆の声が上がっている。

上昇相場の基調にあるのは、「ジャブジャブの金融緩和マネーの存在」(アナリスト)だ。さらに、4日には欧州中央銀行(ECB)が一段の緩和方向に動いた。金融緩和策を全開したところに、経済再開への期待が膨らみ、これまで安全資産の現金や債券に殺到していたマネーは株式へ逆戻りしている。ある市場関係者は「いまの相場は、あらゆるリスク資産を叩き売った3月の急落相場と真逆の展開なのかもしれない」との見方を示している。

こうしたなか、市場では二番底を警戒しヘッジ売りをかけていた海外投資家が、一斉に買い戻しに走り出している。しかし、年初から大量売りを仕掛けた海外投資家は現物と先物で、なお8兆円強売り越しており、買い戻し余地は大きい。

ただし、足もとの騰落レシオは140近辺、日経平均の25日移動平均線とのカイ離は9%強と過熱感は否めず、一服場面はいつあってもおかしくない。特に、来週12日には先物のメジャーSQがある。市場には、SQが目先の転換点となるとの声がある。とはいえ、基本的な足もとの強含み基調は「新型コロナの第2波が本格到来するまでは続く」(市場関係者)との見方は少なくない。

全体相場が調整すれば、巣ごもり関連やヘルスケア株が戻り、上昇相場が続けば三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>のような銀行や安川電機<6506>のような機械など景気敏感株が上昇する展開は続きそうだ。

来週は、8日に日本の1~3月期国内総生産(GDP)改定値、5月景気ウォッチャー調査が発表され、10日に4月機械受注が公表される。海外では、9~10日に米連邦市場委員会(FOMC)が開催され、10日に米5月消費者物価(CPI)が公表される。来週の日経平均株価の予想レンジは2万2500~2万3300円。

(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.