今週の【早わかり株式市況】大幅に3週続伸、経済底入れ期待で上値追い続く

市況
2020年6月6日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は3週連続上昇、5営業日で安い日がなく強調展開に終始

2.経済底入れ期待で上値指向継続、米中対立や米国デモの懸念材料こなす

3.海外ヘッジファンドの先物買い戻しを誘発し、漸次上げ足を強める形に

4.外国為替市場で一貫して円安が進行したことも市場心理を強気に傾ける

5.週末は米株指数先物を横目に後場プラス転換し2万2800円台で着地

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比985円(4.51%)高の2万2863円と大幅高で3週連続の上昇となった。3週間で2826円の上げ幅を記録した。

今週は経済活動再開によるグローバルな景気底入れ期待と、米中対立や米国内での抗議デモなどの悪材料との綱引きが予想されたが、結果的には大きく買い優勢に傾いた。為替市場での円安進行も追い風となり、海外短期筋の買い戻しが加速する格好となった。

名実ともに6月相場入りとなった週明け1日(月)は日経平均が反発し、上げ幅は200円未満だったものの約3ヵ月ぶりに2万2000円の大台を回復した。トランプ米大統領が記者会見で中国に対し強硬姿勢をみせなかったことで米中対立への警戒感が和らいだ。2日(火)はアジア株が堅調な動きを示したことなどを追い風に、海外ヘッジファンドの先物買い戻しを絡め上値指向を継続した。3日(水)もリスク選好ムードの強い展開。新型コロナウイルスに対応した米経済支援策への思惑や為替の円安が進み、市場マインドが強気に傾いた。日経平均は一時500円近い上昇をみせる場面もあった。4日(木)は米国の経済指標を受けた景気底入れへの期待や一段の円安進行がポジティブ材料となって買いを引き寄せたが、過熱感を示すテクニカル指標などを嫌気して上値は重かった。5日(金)は前場軟調だったものの、後場にプラス圏に切り返す展開。円安がさらに進んだことや、米株価指数先物の上昇を横目に改めて空売りの買い戻しが入り、全体指数押し上げに寄与した。今週は週を通じて安い日がなく、後半は2万3000円大台も視界に入れる強調展開に終始した。

■来週のポイント

円安基調で上値指向が強いうえ、昨日のNYダウ が急騰したことから、来週は日経平均が2万3000円大台に乗せ、さらに上値追いが続きそうだ。ただ、ここ2週間は押し目を入れずに上昇しているだけに、一時的なスピード調整する場面もありそうだ。

重要イベントとしては、国内では10日朝に発表される4月機械受注統計が注目される。12日にはメジャーSQを迎える。海外では9日-10日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)のほか、10日に発表される中国5月の生産者物価指数と消費者物価指数や米国5月消費者物価指数に注視が必要だろう。

■日々の動き(6月1日~6月5日)

【↑】   6月 1日(月)―― 反発、米中対立不安が後退し2万2000円台を回復

日経平均 22062.39( +184.50)  売買高12億0168万株 売買代金 2兆3258億円

【↑】   6月 2日(火)―― 続伸、経済再生期待や円安でリスク選好の買い継続

日経平均 22325.61( +263.22)  売買高13億3573万株 売買代金 2兆4090億円

【↑】   6月 3日(水)―― 3日続伸、米株高や円安進行で買いが継続

日経平均 22613.76( +288.15)  売買高15億5248万株 売買代金 2兆7736億円

【↑】   6月 4日(木)―― 4日続伸、欧米株高や円安が追い風も上値は重い

日経平均 22695.74(  +81.98)  売買高15億1632万株 売買代金 2兆6913億円

【↑】   6月 5日(金)―― 5日続伸、朝安もNYダウ先物が上昇し後場に切り返す

日経平均 22863.73( +167.99)  売買高13億9217万株 売買代金 2兆4542億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、31業種が上昇

(2)JAL <9201> 、ANAHD <9202> など空運業が値上がりトップ

(3)日本製鉄 <5401> など鉄鋼、コマツ <6301> など機械、郵船 <9101> など海運といった景気敏感株が買われた

(4)トヨタ <7203> など自動車、ソニー <6758> など電機といった輸出株も高い

(5)野村 <8604> など証券、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株は買い継続

(6)三井不 <8801> など不動産、大和ハウス <1925> など建設といった内需株も総じて堅調

(7)武田 <4502> など医薬、中部電 <9502> など電力・ガス、東武 <9001> など陸運といったディフェンシブ株は低調

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(4) デジタルトランスフォーメーション(DX)

2(1) テレワーク

3(3) 人工知能(AI) ── スーパーシティ構想の屋台骨支える 

4(2) 5G

5(7) コロナウイルス ── ウィズコロナの世界で注目中の銘柄群 

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.