今週の【早わかり株式市況】反発、感染拡大第2波警戒も経済回復期待が勝る
■今週の相場ポイント
1.日経平均は2週ぶりに上昇、週前半に乱高下も半ば以降は変動幅が縮小
2.週初に770円あまり下落も翌日に1000円高超と先物主導で荒い値動き
3.米国での新型コロナウイルスの感染拡大を警戒、経済対策期待との綱引きに
4.FRBの社債購入開始やトランプ政権の1兆ドル経済対策検討報道が支えに
5.週末は移動制限の全面解除を好感して反発、週を通じて中小型株人気際立つ
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比173円(0.78%)高の2万2478円と2週ぶりの上昇となった。
今週は米国で新型コロナウイルスの感染拡大第2波に対する警戒感が強まる一方、トランプ米政権による1兆ドル規模のインフラ支出検討などの報道がポジティブ材料として働いた。新型コロナウイルス感染拡大への懸念は拭えないものの、経済回復期待がやや勝った週といえそうだ。
週明け15日(月)は日経平均が774円安の急落となった。中国の北京市で新型コロナウイルスの新規感染者が40人以上確認されたほか、米国でも感染者数増加に歯止めがかからず、感染拡大第2波を警戒する形でリスク回避の売り圧力が強まった。しかし、16日(火)は前日の下げを帳消しにしてお釣りのくる急反騰劇をみせた。日経平均は1000円を超える上昇で4日ぶりの反発。FRBが個別企業の社債購入を開始すると発表したことに加え、トランプ米政権が景気対策として1兆ドル近いインフラ支出の計画を検討しているとの報道が先物主導でリスクオンに拍車をかけた。17日(水)は前日の反動で120円あまりの下げ、18日(木)も為替のドル安・円高などが嫌気され100円安と軟調な展開だった。ただし、下値では押し目買いが入り日銀のETF買いなどの思惑もあって下げ幅は限定的だった。そして19日(金)は同日から国内で都道府県をまたぐ移動制限も解除されたことで国内景気回復への期待感が高まり、日経平均は反発。この日がプラスかマイナスかで週間ベースの高安も左右される状況下にあったが、上げ幅は120円強にとどまったものの上昇した。もっとも、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数はその差が10と拮抗しており、TOPIXはわずかながらマイナスだった。個別は中小型株に値を飛ばすものが目立った。
■来週のポイント
来週は今週後半の流れを引き継ぎ、2万2500円を挟んだもみ合いの展開になりそうだ。
重要イベントとしては、国内では24日に発表される4月景気動向指数[改定値]が注目される。海外では23日発表の米国5月新築住宅販売件数や24日に公表されるIMF世界経済見通し、26日に発表される米国5月の個人所得と個人消費支出に注視が必要だろう。
■日々の動き(6月15日~6月19日)
【↓】 6月15日(月)―― 急落、米国での感染第2波を警戒し後場に大崩れ
日経平均 21530.95( -774.53) 売買高13億6392万株 売買代金 2兆3535億円
【↑】 6月16日(火)―― 急反発、米株高や先物買い戻しを追い風に全面高
日経平均 22582.21( +1051.26) 売買高15億5476万株 売買代金 2兆7542億円
【↓】 6月17日(水)―― 反落、感染第2波や北朝鮮リスクで売り優勢
日経平均 22455.76( -126.45) 売買高11億7698万株 売買代金 2兆1759億円
【↓】 6月18日(木)―― 続落、円高進行や地政学リスクを警戒し売り優勢
日経平均 22355.46( -100.30) 売買高11億1122万株 売買代金 2兆0090億円
【↑】 6月19日(金)―― 3日ぶりに反発、経済回復への期待で買い優勢
日経平均 22478.79( +123.33) 売買高15億5593万株 売買代金 2兆8398億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、20業種が上昇
(2)商船三井 <9104> など海運や日本製鉄 <5401> など鉄鋼といった景気敏感株の一角が買い戻された
(3)輸出株はHOYA <7741> など精密機器、東エレク <8035> など電機が上昇も
トヨタ <7203> など自動車は軟調
(4)内需株はNTTドコモ <9437> など情報・通信やキリンHD <2503> など食品が買われる一方
三井不 <8801> など不動産、JR東日本 <9020> など陸運は売られた
(5)オリックス <8591> などその他金融や東京海上 <8766> など保険といった金融株は総じて低調
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) デジタルトランスフォーメーション(DX)
2(42) SaaS
3(5) 5G ──── 総務省が基地局増の方針打ち出す
4(4) テレワーク
5(2) バイオテクノロジー関連
※カッコは前週の順位
株探ニュース