来週の相場で注目すべき3つのポイント:コロナ2次感染状況、地政学リスク、半導体関連株の動き
■株式相場見通し
予想レンジ:上限23000-下限21700円
来週の日経平均は、国内の新型コロナ感染者数や米国市場・為替動向を睨みつつも堅調な展開が見込まれる。新型コロナ感染第2波への懸念や朝鮮半島の地政学リスクの高まり、米大統領選に向けたトランプ氏の支持率低迷などによるリスクオンムードの後退が、引き続き懸念材料となりそうだ。
一方、19日からは都道府県をまたぐ移動制限が全面解除となり、景気回復への期待感も増している。外部環境においては強弱材料が綱引き状態にある。テクニカル的な過熱感がやや後退し、日経平均の25日移動平均線と13週移動平均線がともに上昇を維持、5日移動平均線も下げ止まりとなったことで、相場の上げ基調は崩れていない。
こうしたなか、好材料として働いてきそうなのが個別銘柄の躍動だ。18日に今期業績予想を開示した東エレクが19日に前日比7%を超える上昇率を見せた。アドバンテスト<6857>など周辺銘柄にも連れ高し、こうした半導体関連株人気が持続すると日経平均は上値を窺う場面が出てくるとの期待がある。ただ、19日は日経平均が3日ぶりに反発したのに対し、東証1部の値上がり数と値下がり銘柄数はほぼ拮抗し、東証株価指数(TOPIX)は3日続落だった。この傾向が続くと、日経平均と市場ムードが乖離してくる可能性もある。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。最近発表された米国の主要な経済指標は強弱まちまち。鉱工業生産や住宅着工件数などは前回から改善しているものの、期待されたほど良好な内容ではなかった。しかしながら、5月小売売上高や6月フィラデルフィア連銀景況調査(製造業景況感指数)は市場予想を大きく上回る内容だった。様々な制限措置の緩和に伴い経済活動は段階的に拡大しており、経済指標の大幅な改善に寄与したようだ。株式市場は経済指標の予想外の改善を好感し、上昇基調を維持している。
米国の一部の州で新型コロナウイルスの新たな感染者が増加しており、「第二波」の感染流行が警戒されている。米国外では、中国とインドの国境付近での武力衝突、北朝鮮と韓国の軍事境界線での対立が報じられており、地政学的リスクの増大を懸念したドル売り・円買いも観測された。それでも米国経済の正常化への観測は後退していないことから、ドルは底堅い動きを見せる可能性がある。今週発表される複数の経済指標が市場予想と一致、または上回った場合、米国経済の先行き懸念は和らぎ、ドル買い要因となろう。また、米長期金利が上昇すれば、ドルは下げづらい展開となりそうだ。
■来週の注目スケジュール
6月22日(月):米・中古住宅販売件数(5月)、米・アップル世界開発者会議など
6月23日(火):日・製造業/サービス業PMI(6月)、日・工作機械受注(5月)、欧・ユーロ圏製造業/サービス業PMI(6月)、米・製造業/サービス業PMI(6月)、米・新築住宅販売件数(5月)など
6月24日(水):日・景気先行CI指数(4月)、フィーチャやロコガイド、コバ・コーポレーションなどIPOが再開、独・IFO企業景況感指数(6月)、IMFが世界経済見通し(WEO)公表など
6月25日(木):日・全産業活動指数(4月)、米・耐久財受注(5月)、米・連邦準備制度理事会(FRB)が大手金融機関のストレステスト結果を発表など
6月26日(金):コマースOneホールディングスのIPO、米・個人消費支出(5月)など
6月28日(日):中・工業利益(5月)など
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https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200620-00934016-fisf-market
米国株式市場見通し:FRBの銀行ストレステストに注目(6/20)
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200620-00934011-fisf-market
新興市場見通し:新興株の人気続くなか、2カ月超ぶりIPOも期待大(6/20)
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200620-00933001-fisf-bus_all
注目の欧米経済指標:5月米耐久財受注は二桁増の予想(6/20)
《YN》