【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 回復相場の主役となるか、エッジ輝く3大パワー銘柄
「回復相場の主役となるか、エッジ輝く3大パワー銘柄」
●重要な意味を持つ“最悪”の日銀短観
6月の米国雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月比480万人増。失業率は11.1%。ともに5月より改善していたことは、もちろん好ましい(5月は269万9000人増、13.3%)。
しかし、私がより重視したいのは7月1日発表の日銀短観だ。これは私の考えでは、今後の投資にとって非常に重要な意味を持つものとなる。
改めて書くまでもなく、日銀短観でもっとも重視されるのは大企業製造業業況判断指数DI。それは、今回マイナス34ポイントだった。2009年6月(マイナス48)以来、11年ぶりの低水準となり、「そんなに悪化したのか、相当日本経済は厳しいなあ」との印象を持った人も多かったのではないだとうか。
では、09年6月のマイナス48ポイントは最悪だったのか。実はそうではない。09年はサブプライムローンバブルが崩壊、世界の株式市場は前年からの下落が続き、市場環境は最悪だった。
そんな中での6月のマイナス48ポイントだったが、最悪の数字になったのはその前の4月だった。マイナス58ポイントだったのだ。そして、それがその年の最悪の数字となり、その後、その数字を下回ることはなかった。
つまり、6月のマイナス48ポイントは、改善方向に向かっていたところでの数字になる。なお、09年の日経平均は3月に7054円の最安値をつけて回復に転じた。日銀短観はその後間もなくマイナス58ポイントをつけ、その後は10年4月まで上昇を続けた。
このような動きから見えてくるのは、今回のコロナショックでは、日経平均株価がすでに3月19日に底を打っていることから、6月の大企業製造業DIのマイナス34ポイントは最悪の数字と見るのが自然であり、今後は改善に向かう確率が極めて高いことだ。
●選別ポイントは際立つ技術力、サービス力、ブランド力
それがすぐに株価を押し上げるわけではないが、サブプライムローンバブル崩壊の時には、底打ち後ほとんどの銘柄が回復に転じたことを考えると、技術力、サービス力、ブランド力、これら3大パワーにエッジがある銘柄の反発、続伸が見込める。
そこで、具体的にはまずは中外製薬 <4519> だ。この株はこれまでたびたび取り上げてきたが、このほど1株を3株に分割、株価が3分の1になったことで買いやすくなった。株式分割を経て一旦騰勢が鈍ることもあり得るが、基調の強さは変わらない。投資有利と見る。
株価水準の高さが少々気になるものの、ここから猛暑の季節に入ることを考えると、エアコン世界首位のダイキン工業 <6367> はさらなる高値に進むだろう。
この株は上がらないだろうと思っていた株が上がると困惑する。時々そんな銘柄があるが、私にとって最近のそんな銘柄はユニ・チャーム <8113> だ。マスクは他メーカーがどんどん手掛け、この会社は苦戦に陥るだろう。こう見たのだが、株価は着実高を続けている。その強い動きは無視できず、さらなる高値が見込める。
低価格のエレベータ保守サービスで攻勢をかけているジャパンエレベーターサービスホールディングス <6544> も高値圏で一進一退の動きながら、保ち合い放れを待つのがお勧めの策になる。
株は業績だけで動くのではない。信用取引の売り手、買い手の対立で上昇してしまうこともあるので、この点から有望度が高いのがソフトバンクグループ <9984> になる。この会社の株価が上がるはずはないと見ている投資家が非常に多い結果、売り残が買い残を大きく上回ってしまい、株価は上がりやすくなっている。
ふるさと納税の新制度の利用を巡り、過去に過度な返礼品で多額の寄付を集めたとして国が泉佐野市を制度から除外したが、先月30日に最高裁はこれを取り消す判決を下した。早速、大阪府泉佐野市と和歌山県高野町などについて、総務省は3日に制度への復帰を認めた。
これにより、ふるさと納税のサイト利用者が増加するのはまず間違いなく、納税サイト首位の「ふるさとチョイス」運営の子会社を擁するチェンジ <3962> が魅力的だ。
2020年7月3日 記
株探ニュース