明日の株式相場戦略=個別重視の展開、消費関連株の決算は要マーク!
8日の東京株式市場は日経平均株価が前日比176円安と続落した。今日と10日は上場投資信託(ETF)の分配金捻出の売りが警戒されることもあり、もともと注意日とみられていた。ETFに絡む売り金額は、合計で7000億円規模とも試算されている。
また、東京市場を押し上げていた米株式市場も一服基調。ナスダック指数は6日まで5日続伸し、連日の最高値を更新していただけに、「調整が入るのは当然」(市場関係者)との声が出ている。海外市場の後押しは期待しづらく、ETF絡みの売りも警戒されるなか、目先の相場はやや軟調な展開が予想される。とはいえ、大きなトレンドに変化はなく、中小型株を中心とする個別物色が続くとみられる。
マーケットの関心は、今月下旬からの3月期企業の決算内容に向かっているが、見逃せないのが流通やサービスなど消費分野の2月、5月、8月期などの決算銘柄だ。この分野には、コロナ禍で大きな損害を被った企業がある一方で、“巣ごもり消費”の恩恵を享受した企業もあり、明暗が分かれているだけに投資妙味は大きい。
消費関連の有力企業では9日にファーストリテイリング<9983>、セブン&アイ・ホールディングス<3382>、10日に良品計画<7453>が決算発表を予定している。また、同じく10日にはライフコーポレーション<8194>、コスモス薬品<3349>、アスクル<2678>、13日にはジェーソン<3080>、Olympicグループ<8289>、コーナン商事<7516>、識学<7049>などが決算を行う。食品スーパーなどを中心に好決算を発表する企業が出てくる可能性もあるだけに、その動向は要マークだ。
明日は経済指標では、5月機械受注と中国6月消費者物価などが発表される。
(岡里英幸)