前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2020年7月10日 5時30分

■大戸屋HD <2705>  2,613円 (+500円、+23.7%) ストップ高

大戸屋ホールディングス <2705> [JQ]がストップ高。発行済み株数の19.16%を保有し筆頭株主であるコロワイド <7616> が9日の寄り前、大戸屋HD株に対してTOBを実施すると発表しており、TOB価格の3081円にサヤ寄せする格好となった。資本関係を強化することでより深い協業体制を構築し、企業価値の持続的成長を図るのが狙い。買付予定数は233万株(下限187万2392株、上限233万株)で、買付期間は7月10日から8月25日まで。なおTOB成立後も大戸屋HDは上場を維持する予定としている。

■ファミマ <8028>  2,154円 (+400円、+22.8%) ストップ高

東証1部の上昇率トップ。ファミリーマート <8028> がストップ高。伊藤忠商事 <8001> が8日の取引終了後、同社が99%出資するリテールインベストメントカンパニーを通じ、連結子会社ファミマの完全子会社化を目指してTOBを実施すると発表しており、TOB価格の2300円にサヤ寄せする格好で買われた。伊藤忠は現在、直接と間接合わせてファミマ株の50.10%を所有しているが、完全子会社化することでコンビニ事業のビジネスモデル見直しやeコマースの急拡大などに対し、グループ一体となって迅速な意思決定を進めていく狙い。買付予定数は2億5255万7288株(下限5011万4060株、上限設定なし)で、買付期間は7月9日から8月24日まで。なおTOB成立後、ファミマは所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は、ファミマを7月8日付で監理銘柄(確認中)に指定している。

■ベル24HD <6183>  1,655円 (+246円、+17.5%)

東証1部の上昇率2位。ベルシステム24ホールディングス <6183> が急反騰。8日の取引終了後、第1四半期(3-5月)連結決算を発表しており、売上高326億7800万円(前年同期比6.0%増)、営業利益30億5100万円(同4.5%増)、純利益19億2100万円(同5.7%増)と営業増益となったことが好感された。新型コロナウイルスの感染拡大による影響はあったものの、CRM事業で前期に業務を開始した既存継続案件の売り上げが拡大したほか、伊藤忠商事 <8001> 、凸版印刷 <7911> との協業強化によるシナジー案件も堅調に推移した。また、スポット業務の増加や、前期の医薬事業再編の反動なども利益増に貢献した。なお、従来未定としていた21年2月期通期業績予想は、売上高1320億円(前期比4.2%増)、営業利益115億円(同3.6%増)、純利益72億円(同2.8%増)を見込むとした。

■ボルテージ <3639>  559円 (+80円、+16.7%) ストップ高

東証1部の上昇率3位。ボルテージ <3639> がストップ高。同社は9日、中国簡体字版「ダウト~嘘つきオトコは誰?~」の登録ユーザー数が10万人を突破したと発表しており、これが好感されたようだ。このタイトルは中国テンセント社の読み物アプリ「一零零一」で配信されており、3月末時点で1万3000人程度だった登録ユーザー数は順調に拡大。「一零零一」アプリ内のランキングは人気・売り上げ(総合・月間)ともに4月、5月の2ヵ月連続で1位となり、6月も人気が1位、売り上げが2位となったという。今後もテンセント社による動画配信サイトなどでのプロモーション展開やアプリ内イベントの実施、ストーリーの追加などを継続的に行う予定だとしている。

■4℃ホールデ <8008>  1,922円 (+255円、+15.3%)

東証1部の上昇率4位。ヨンドシーホールディングス <8008> が3日ぶり急反騰。8日の取引終了後、未定としていた21年2月期連結業績予想を発表しており、売上高390億円(前期比13.3%減)、営業利益29億円(同27.1%減)、純利益20億円(同19.2%減)の減収減益を見込むとしたが、年間配当は81円と10期連続で増配を予定しており、これが好感されたようだ。新型コロナウイルス感染症の拡大やその影響は不透明としながらも、感染拡大が現状以上に悪化せず、消費動向は徐々に回復の方向に進みながらも、今期中は影響が残ることを前提としたという。なお、同時に発表した第1四半期(3-5月)決算は、売上高78億5000万円(前年同期比29.6%減)、営業利益2億2500万円(同81.8%減)、純利益1億3200万円(同83.5%減)だった。

■イルグルム <3690>  1,363円 (+164円、+13.7%)

イルグルム <3690> [東証M]が5日続急騰。8日の取引終了後に発表した6月の月次売上高(速報)が前年同月比41.6%増の2億5601万円となり、21ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。主力のマーケティングプラットフォーム事業が同21.7%増と好調さを持続したほか、商流プラットフォーム事業が同3.2倍となり、一部取引先との契約更新が今月に遅れて計上したことが寄与した。

■協和コンサル <9647>  2,780円 (+261円、+10.4%)

協和コンサルタンツ <9647> [JQ]が続急騰。8日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(19年12月-20年5月)連結業績について、売上高が42億円から42億2700万円(前年同期比5.6%増)へ、営業利益が4億2000万円から5億3600万円(同36.0%増)へ、純利益が2億4000万円から3億1800万円(同50.7%増)へ上振れて着地したようだと発表した。第2四半期末までに予定していた新会計システムの導入や中途人材採用が、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の影響などで遅延し、関連した販管費が第3四半期以降にスライドしたことなどが要因。また、情報処理事業を行う連結子会社で期中受注で期中売り上げ計上となる短納期案件が数件あったことも寄与した。

■アセンテック <3565>  4,150円 (+385円、+10.2%)

東証1部の上昇率8位。アセンテック <3565> が急反騰し上場来高値を更新している。8日の取引終了後に、7月31日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げることでより投資しやすい環境を整え、投資家層の拡大と株式の流動性の向上を図ることが目的という。効力発生日は8月1日。

■Aiming <3911>  1,020円 (+91円、+9.8%) 一時ストップ高

Aiming <3911> [東証M]が続急伸し一時ストップ高の1079円に買われた。スクウェア・エニックス(東京都新宿区)が8日、公式ツイッターで、スマートフォン向けゲーム「ドラゴンクエストタクト」の配信日を7月16日と発表したことが引き続き好材料視された。「ドラゴンクエストタクト」は「ドラゴンクエスト」シリーズに登場するおなじみのモンスターたちを指揮して戦うタクティカルRPG。企画・制作をスクウェア・エニックスが、また開発をAimingが手掛けており、人気が予想されることから同ゲームへの関心とともにAimingへの注目度も高まったようだ。

■カカクコム <2371>  2,913円 (+253円、+9.5%)

東証1部の上昇率10位。カカクコム <2371> が急反発。大和証券が8日、伊藤忠商事 <8001> が同日、ファミリーマート <8028> をTOBにより完全子会社化すると発表したことを受けて、日経平均株価の銘柄入れ替えが実施される可能性があると指摘。その場合の採用候補銘柄を発表しており、なかに同社が含まれることが好材料視された。同証券では伊藤忠、ファミマともに日経平均採用銘柄であるため1銘柄の空きが生じ、また、TOB期間が時期的には定期入れ替え時期に近いため、同時公表となる可能性もあるとしている。同社が候補として挙げた銘柄は、ファミマの入れ替えとしては銘柄不足感の強い消費セクターであることから、同セクターのサントリー食品インターナショナル <2587> を挙げている。また、定期入れ替えでは銘柄過剰感の強い素材セクターから日本化薬 <4272> が除外となる可能性があるとみており、この採用候補も消費セクターからヤクルト <2267> 、カカクコム、スクウェア・エニックス・ホールディングス <9684> 、ZOZO <3092> を挙げている。

■BASE <4477>  6,150円 (+530円、+9.4%)

BASE <4477> [東証M]が3日ぶりに急反発。同社は8日、自社運営するEコマースプラットフォーム「BASE(ベイス)」のショップ開設数が110万件を突破したと発表しており、これが株価を刺激したようだ。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて3月以降、営業活動や集客を自粛していた実店舗を運営している事業者やイベント・催事で物販事業を行っている事業者などを中心にネットショップの開設が急増し、5月にはショップ開設数が100万件を突破。足もとではネットショップを活用した営業活動が新たなスタンダードとして浸透し始めており、5月からわずか2ヵ月で10万ショップが「BASE」の利用を始めている。

■シノプス <4428>  2,088円 (+174円、+9.1%)

シノプス <4428> [東証M]が続急伸。9日朝方、同社が開発した需要予測型自動発注システムをキリン堂ホールディングス <3194> 子会社のキリン堂が全店舗で導入することを決定したと発表しており、これが材料視された。今回、キリン堂が導入を決定したシステムは「sinops-DgS(シノプス-ドラッグストア)」というもので、これは2019年からキリン堂の一部店舗で試験的プロジェクトを行うなど、シノプスとともに製品化に取り組んできたもの。今年11月までに、全店舗で同システムへの切り替えが完了する見通し。

■大黒天 <2791>  5,730円 (+430円、+8.1%)

大黒天物産 <2791> が5連騰、連日の年初来高値更新となった。8日の取引終了後に発表した21年5月期業績予想で、売上高2124億5500万円(前期比0.2%増)、営業増益61億2000万円(同3.1%増)、純利益38億3000万円(同2.5%増)と2期連続で営業最高益更新を見込むことが好感された。今期は5店舗の新規出店や6店舗の既存店を改装することが業績拡大に寄与する見通しだ。ただ、新型コロナウイルス感染症の影響で多くの不確実性が伴うとして、必要に応じて業績予想の修正を行う可能性があるとしている。なお、20年5月期決算は、売上高2120億5900万円(前の期比15.6%増)、営業利益59億3500万円(同2.2倍)、純利益37億3500万円(同13.2倍)だった。

■ピーエイ <4766>  181円 (+11円、+6.5%) 一時ストップ高

ピーエイ <4766> [東証2]が一時ストップ高。同社はモバイル求人サイト運営のほか、人材派遣サービスなども展開している。前場の取引終了後、同社子会社が大垣共立銀行 <8361> のベトナム現地法人であるOKBコンサルティング・ベトナムと業務提携契約を締結したと発表しており、これが材料視された。OKBコンサルティング・ベトナムは、ピーエイ子会社にマーケティング戦略などの助言やサポートを行う。これにより同社子会社は、OKBコンサルティング・ベトナムの取引先に対して、ニーズに合致したサービスを提供していくという。

■ネクステージ <3186>  961円 (+46円、+5.0%)

ネクステージ <3186> が急反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は8日、同社株のレーティングの「バイ」を再強調した。目標株価は1500円を継続した。同社は国産普通車と輸入車を販売する中古車販売事業を展開。大型店の出店による中古車小売り市場でのシェア拡大に注目しているほか、在庫調整の実施により台粗利改善傾向が強まっていることを指摘。20年11月期の連結営業利益は従来予想の30億円を前期比42.5%減の35億円(会社予想は30億円)に見直したほか、21年11月期の同利益は75億円とV字回復を見込んでいる。

■エーザイ <4523>  8,948円 (+413円、+4.8%)

エーザイ <4523> が大幅続伸。同社は8日、米国のバイオジェンと開発している認知症治療薬「アデュカヌマブ」について米食品医薬品局(FDA)への新薬承認申請を完了したと発表した。承認されれば、認知症の臨床症状の悪化を抑制する初めての治療薬となる。同薬は当初、今年の早い段階で申請される計画だったが時期がずれ込むことが嫌気され、同社の株価は4月下旬に急落する場面もあった。同薬の承認申請を受け、8日の米国市場でバイオジェンの株価は急伸しており、9日の東京市場ではエーザイが買い人気となった。

■SBG <9984>  6,291円 (+272円、+4.5%)

ソフトバンクグループ <9984> が断トツの売買代金をこなし大幅反発、年初来高値を更新した。時価はITバブル時の2000年3月以来20年4ヵ月ぶりの高値圏にある。ロイター通信が8日、中国EC最大手アリババ傘下の金融会社が年内にも香港市場に新規上場する計画にあると報じている。アリババはソフトバンクGの出資先であることから、株価の新たな刺激材料となった。

■ディップ <2379>  2,203円 (+95円、+4.5%)

ディップ <2379> が大幅反発。8日の取引終了後、7月31日付で186万株(発行済み株数の3.00%)の自社株を消却すると発表しており、需給が締まるとの見方から買いが入ったようだ。同時に発表した第1四半期(3-5月)単独決算は、売上高91億6800万円(前年同期比23.7%減)、営業利益28億300万円(同25.4%減)、純利益19億3000万円(同25.8%減)と減収減益となった。新型コロナウイルス感染症の影響により飲食店や小売店で営業時間の短縮や休業を余儀なくされたことを受け、顧客企業からの求人広告出稿が大幅に減少したことが響いた。なお、同社は21年2月期業績予想を未定としており、上期業績予想は売上高161億5000万円~172億円(前期比29.2~24.6%減)、営業利益35億円~45億円(同51.6~37.8%減)、純利益24億円~31億円(同51.3~37.1%減)の従来見通しを据え置いている。

■クオールHD <3034>  1,140円 (+43円、+3.9%)

クオールホールディングス <3034> が3日ぶり大幅反発。8日の取引終了後、「オゾン除菌脱臭器 AIR BUSTER(エアバスター)」を中心としたオゾン関連製品の販売を強化すると発表しており、これが好感された。オゾンガスは、奈良県立医科大学との共同研究で実証した新型コロナウイルスをはじめとして、既に各研究機関で大腸菌、インフルエンザ、ノロウイルス、花粉などに対して不活化の効果が認められているという。同社では、「AIR BUSTER」のほか、「オゾンガス消毒器 BT-088M」を販売しており、当初は1万台の供給体制を確保し、医療機関への販売を優先して進め、随時供給体制の強化や販路拡大を行うとしている。

■レーザーテク <6920>  11,420円 (+280円、+2.5%)

レーザーテック <6920> 、サムコ <6387> が連日の上場来高値更新となった。世界的な半導体市況の回復を背景に米国ではエヌビディアが上場来高値を更新するなど半導体関連への買いが波状的に続いており、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も史上最高値を更新した。これを受けて東京市場でも半導体セクターへの人気が継続している。特に足もとでは競争力の高い商品を手掛けるレーザーテックやサムコなどに投資資金が集中している。

※9日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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