米国株式市場見通し:FOMCや主要ハイテク決算に注目

市況
2020年7月25日 15時17分

米中対立の行方を睨みつつ主要ハイテク決算、連邦公開市場委員会(FOMC)の結果や大詰めを迎える追加財政策交渉の行方に注目したい。失業保険補助策の延長が決定されるかどうかを特に注視したい。ウイルスパンデミックの影響で職を失った国民を支援するための失業保険補助策が今月末に失効するため、月内の合意が求められている。一部の州でのウイルス再燃で活動再開が遅れている為、企業は従業員の再解雇を余儀なくされている。労働市場の悪化は消費を一段と弱める要因となるため米国経済が2番底入りするとの懸念も浮上している。ただ、回復の鍵を握る失業者への経済的な大規模財政支援が決定し、FRBも予想通り緩和姿勢を維持した場合には株式相場にはプラス材料になるだろう。

一方で、経済封鎖期間に急伸してきたハイテク株は引き続き上値が重い展開が想定される。アマゾン、アップル、フェイスブック、アルファベット主要ハイテク4社のCEOによる反トラストに関する調査の一環の議会証言が予定されていたが、延期される見通しだ。

経済指標では、6月耐久財受注、7月ダラス連銀製造業活動(27日)、5月S&P米住宅価格指数、7月消費者信頼感指数、7月リッチモンド連銀製造業指数(28日)、6月中古住宅販売仮契約(29日)、4-6月期国内総生産(GDP)速報値(30日)、6月PCEコアデフレーター、ミシガン大学消費者景況感指数確定値(31日)などが予定されている。4-6月期GDPでは1-3月期の5%マイナス成長に続き、35%前後のマイナス成長と過去最大に落ちこむ見込みだ。2四半期連続のマイナス成長で、景気後退(リセッション)入りが確認されることになる。また、28-29日のFOMC会合では、政策金利の据え置きが予想されている。今後の金融政策は回復の軌道次第となるが、2番底懸念も広がる中、フォワードガイダンスの修正などで一段の緩和姿勢が示されるかどうかに注目したい。

企業決算ではハイテクではイーベイ(28日)、フェイスブック、ペイパル、スポティファイ(29日)アルファベット、アマゾン、アップル(30日)、金融ではクレジットカードのマスターカード(30日)、ビザ(28日)、自動車大手のゼネラルモーターズ(29日)、フォード(30日)、航空機メーカーのボーイング(29日)、航空会社のジェットブルー(28日)、製薬会社ではファイザー(28日)、イーライリリー(30日)、メルク(31日)、製造業ではGE(29日)、石油大手のシェブロン(31日)、エクソンモービル(31日)などが予定されている。製薬各社はウイルスワクチンや治療薬の開発を進めており、決算への期待感も高い。主要ハイテク決算では経済封鎖中、需要の増加で良好な結果が期待されるものの最近の株価の急伸がファンダメンタルズを正確に反映していないとの見方も多く、好決算であっても下落する例が散見されており、警戒される。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

提供:フィスコ

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