今週の【早わかり株式市況】続伸、新型コロナのワクチン開発期待も感染拡大が重荷

市況
2020年7月23日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.材料難で売り買いとも手控えられ、薄商いのなか方向感の定まらない相場に

2.週明けは前場売りに押される展開も、日銀のETF買いなどの思惑で小幅高

3.21日(火)は前日のナスダック最高値受けハイテク株中心に買われる展開

4.新型コロナウイルス感染拡大への懸念とワクチン開発に対する期待が綱引き

5.22日(水)は4連休前でポジション調整の売り優勢、75%の銘柄が下落

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比55円(0.24%)高の2万2751円と2週連続上昇となった。

今週は木曜日が海の日、金曜日がスポーツの日と祝日が続き、週半ばまでの3営業日という特殊な週となったが、材料難のなか売り買いともに手控えムードで株価も方向感の定まらない展開となった。新型コロナウイルスの感染拡大に対する警戒感とワクチン開発に対する期待が交錯した。

週明けの20日(月)は日経平均が3日ぶり反発したが、前場は売りに押される展開で後場に持ち直す展開。新型コロナウイルスのワクチン開発期待を拠りどころに、需給面では日銀のETF買いに対する思惑が株価を下支えする形となった。ただ、切り返したといっても上値は重く20円あまりの上昇にとどまった。売買代金も1兆6000億円台と低調。21日(火)は続伸で一時2万2900円台まで浮上し2万3000円大台を視界に入れる強調展開に。前日の米国株市場でナスダック総合指数が最高値に買われたことでハイテク株など中心にリスク選好ムードが強まったほか、EU首脳会議で復興基金案について合意したことが伝わり、これが空売りの買い戻しなどを誘い日経平均の上値指向を後押しした。22日(水)は手掛かり材料難のなか冴えない動き。前日のナスダック総合指数が安く為替も円高傾向で、主力株をはじめ広範囲に売り圧力が顕在化した。新型コロナの感染拡大が東京を筆頭に国内でも広がっていることで、投資マインドを冷やした。薄商いのなか、4連休を前に目先買いポジションを軽くする動きが出て軟調地合いを助長した形だ。日経平均の下げ幅は限定的だったが、全体の75%の銘柄が売られた。

■来週のポイント

4連休明けの来週は週後半に主力株の決算発表を控えており、様子見ムードから方向感に乏しい展開が続きそうだ。

重要イベントとしては、国内では31日朝に発表される6月の鉱工業生産と有効求人倍率が注目される。また、4-6月期の決算発表が本格化する。海外では28日-29日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)や30日発表の米国4-6月期GDP、31日発表の中国7月製造業PMIに注視が必要だろう。

■日々の動き(7月20日~7月22日)

【↑】   7月20日(月)―― 3日ぶり小反発、ETF買いの観測で後場上昇

日経平均 22717.48(  +21.06)  売買高 9億1893万株 売買代金 1兆6776億円

【↑】   7月21日(火)―― 続伸、米ナスダック最高値を受け一時2万2900円台

日経平均 22884.22( +166.74)  売買高11億5171万株 売買代金 2兆1142億円

【↓】   7月22日(水)―― 3日ぶり反落、4連休を前に利益確定売り優勢

日経平均 22751.61( -132.61)  売買高10億8537万株 売買代金 1兆8880億円

■セクター・トレンド

(1)日経平均は上昇も、全33業種中、値上がりは11業種にとどまる

(2)日電産 <6594> 、富士通 <6702> など電気機器が値上がり率トップ

(3)国際石開帝石 <1605> など鉱業は続伸

(4)内需株はSBG <9984> など情報・通信、楽天 <4755> などサービスは堅調も

三井不 <8801> など不動産、JT <2914> など食品はさえない

(5)日産自 <7201> 、トヨタ <7203> など自動車は低調

(6)第一生命HD <8750> など保険、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株も総じて軟調

(7)JAL <9201> など空運、JR東日本 <9020> など陸運、郵船 <9101> など海運が揃って売られた

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(1) デジタルトランスフォーメーション(DX) 勝ち残りをかけた企業のデジタル投資加速

2(2) 半導体

3(3) テレワーク ── テレワーク常態時代の健康管理最前線

4(4) 5G

5(5) コロナウイルス 

※カッコは前週の順位

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