「デジタルトランスフォーメーション」が1位、勝ち残りをかけた企業のデジタル投資加速<注目テーマ>
★人気テーマ・ベスト10
2 半導体
3 テレワーク
4 5G
5 コロナウイルス
7 人工知能
8 SaaS
9 半導体製造装置
10 グローバルニッチ
みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「デジタルトランスフォーメーション 」が1位となっている。
ビッグデータの普及に伴い人工知能(AI)の進化が加速したが、これに加えあらゆるものがオンライン化されるIoTとの融合により、企業のビジネス環境も大きく変わった。通信インフラも次世代通信規格5Gが世界的に始動し、日本国内においても業態を問わずデジタルシフトの動きが加速している。
デジタルトランスフォーメーション(DX)の概念はここにきて投資テーマとしてにわかに注目度が増している。2018年5月に経済産業省が立ち上げた「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」が官民を挙げてのデジタル投資を本格化させる契機となったが、それから2年あまりの月日を経て、折しも新型コロナウイルスとの共生を強いられる社会で、その重要性が一段と認識されている。
政府が掲げる“骨太の方針”でも行政のデジタル化推進に向け政府内に新組織を設けるなどの提言がなされている。民間でも国内IT企業の代表格である富士通<6702>が新会社「富士通Japan」を中核とする新たな組織配置を検討、DX推進に積極的に取り組む構えをみせている。日立製作所<6501>もDXの流れを重視、独自のIoT基盤「ルマーダ」事業への注力姿勢を一貫させている。また、NEC<6701>もデジタルシフトを強化する動きが鮮明だ。同社ではDX人材を2023年3月までに現在の7割増の水準である5000人に増員する方針を打ち出している。
このほか、IT業界以外でもDXを積極的に進める動きが徐々に浸透している。直近では、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>の子会社JFEスチールが本社内にDXの推進拠点を設立したことを発表、鉄鋼業界の厳しい収益環境下にあってもデジタル化を進めることで事業基盤の強化を図る方針だ。同様にオンワードホールディングス<8016>などアパレルやファンケル<4921>など化粧品業界でもDXへの取り組みで難局を乗り切ろうとする動きが顕在化している。