輝く高収益、「ROE10%超」好業績リスト 26社選出 <成長株特集>

特集
2020年7月26日 19時30分

本特集では、株主から預かった資金を使っていかに効率的に利益を出したのかを示す「ROE(自己資本利益率)」が高い銘柄にスポットライトを当てた(7月22日現在)。ROEが高く、かつROEの向上が続く企業は経営の効率化が進んでいると評価され、国内外の機関投資家が投資先候補に選定することが期待される。また、個人投資家の間でもROEの高さに着目して投資する動きが広がっており、ROEは重要な投資指標として注目度が高まっている。

今回は3月期決算企業を対象に、(1)時価総額が50億円以上、(2)21年3月期のROEが10%以上、かつ2期以上連続でROE向上を見込む、(3)今期の最終利益が増益見通し、(4)自己資本比率が20%以上といった条件を満たした26社を選び出し、今期ROEの前期実績に対する上昇幅が大きい順に記した。

ROE上昇幅トップとなったのはオプティム <3694> 。21年3月期はこれまで積極投資してきたAI、IoT、ロボティクス分野の利益回収フェーズに位置づけ、最終利益は前期比6.5倍の7.6億円(予想レンジ中値)に急拡大し、3期ぶりに過去最高益を更新する見通しだ。新型コロナウイルス感染拡大でテレワークを導入する企業が増えるなか、主力とするクラウドデバイス管理ソリューションのライセンス収入が引き続き伸びるほか、AIカメラをはじめとする新サービスの導入拡大を見込む。

2位はパソナグループ <2168> 子会社で福利厚生代行サービスを主軸とするベネフィット・ワン <2412> 。21年3月期は新型コロナウイルスの感染拡大で従業員の健康管理サポートへの関心が高まり、健康診断や保健指導の運営を代行するヘルスケア事業の収益が急拡大する。また、主力の福利厚生代行サービスでは働き方改革の進展などを背景に、法人会員が引き続き増加し、最終利益は9期連続の最高益更新を見込む。

続く3位に入ったのはプラスチックフィルム包装資材の専門メーカーであるショーエイコーポレーション <9385> 。21年3月期はプラスチックフィルム包装資材の営業促進支援事業、100円ショップやドラッグストア向け日用雑貨品の販売がいずれも伸びる計画。また、高収益事業へのシフトや販管費の抑制で採算も改善し、最終利益は前期比33.3%増の5.4億円と2期連続の最高益更新を目指す。指標面では予想PER10.6倍と割安感が強く、上値余地は大きいとみられる。

4位にリスト入りしたオンライン英会話最大手であるレアジョブ <6096> [東証M]の21年3月期は、在宅時間の拡大や休校措置の影響が追い風となり、社会人や学生の有料会員数が増加する。また、法人向けはオフライン研修や留学からの切り替え需要を取り込む構えで、売上高53億円(前期比17.5%増)、最終利益2.7億円(同31.7%増)といずれも過去最高を更新する計画だ。同社は東証1部への市場変更準備を進めており、1部昇格候補としても注目を集めている。

5位のファイズホールディングス <9325> は、インターネット通販に特化した物流ベンチャー企業で物流センターや拠点間輸送の運営管理などを手掛ける。最大顧客はアマゾンジャパンで売上高の6割以上を占める。21年3月期は売上高が前期比17.5%増の125億円、最終利益は同29.0%増の2.3億円を計画する。ネット通販市場が引き続き拡大するなか、物流センターの運営を手掛けるオペレーションサービス事業が収益を牽引する。

6位の宅配寿司「銀のさら」を主力とするライドオンエクスプレスホールディングス <6082> の21年3月期は新型コロナウイルス感染拡大の影響で在宅率が高まるなか、デリバリー需要を取り込み、最終利益は前期比25.3%増の10億円と2期連続の最高益更新を見込む。WEB注文の増加で生産性が向上することも利益拡大につながる。

選出リストは今期の最終利益が過去最高益を計画する銘柄が大半を占めた。新型コロナウイルス感染拡大の影響が企業業績を直撃するなか、収益力が高く逆風に強い優良株としてマークしておきたい。

直近ROE  今期  ROE上昇 今期最終  予想

コード 銘柄名     上昇幅   ROE 連続期数  増益率   PER

<3694> オプティム   21.72  25.74    2    553    243

<2412> ベネ・ワン   6.46  37.43    3    9.9   55.5

<9385> ショーエイ   4.76  20.07    2   33.3   10.6

<6096> レアジョブ   4.63  19.79    4   31.7   80.4

<9325> ファイズHD  3.49  18.44    2   29.0   47.5

<6082> ライドオンE  2.58  16.89    3   25.3   23.6

<3933> チエル     2.36  12.26    2   29.9   72.9

<9551> メタウォータ  2.06  12.54    3    9.2   16.1

<3834> 朝日ネット   1.38  12.98    3    9.6   25.3

<7518> ネットワン   1.23  17.32    2   13.6   27.6

<7508> GセブンHD  1.20  18.20    6   13.5   14.7

<9697> カプコン    1.12  18.05    8   12.9   23.8

<5857> アサヒHD   0.95  15.32    2    7.7   11.1

<4726> SBテク    0.91  12.80    2   13.1   37.9

<3658> イーブック   0.68  15.93    2   10.3   29.2

<8174> 日ガス     0.44  11.70    2    3.3   23.9

<4739> CTC     0.37  12.95    2    5.4   32.2

<6838> 多摩川HD   0.33  12.01    3   13.7   25.0

<4662> フォーカス   0.24  10.58    4    1.1   12.9

<3420> ケーエフシー  0.21  14.20    2    7.0   6.5

<4528> 小野薬     0.18  10.84    2    2.2   24.1

<4674> クレスコ    0.16  15.14    2    1.2   11.9

<3167> TOKAI   0.14  13.10    3    2.7   15.3

<6541> グレイス    0.02  35.79    3   21.4   104

<7570> 橋本総業HD  0.01  10.00    2    3.9   8.7

<3937> Ubicom  0.00  27.29    5   13.5   42.8

※対象条件について、「最終利益が経常利益の80%以上」の企業は、特別利益や税控除などにより一時的に最終利益がかさ上げされているケースが多いため、対象から除いた。

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