明日の株式相場戦略=中外薬や日東電工に期待、日本取引所にリバランス買いも
27日の日経平均株価は朝方300円を超す下落となる場面があったが、引けにかけ値を戻し、結局35円安で取引を終えた。
日銀ETF買いへの期待が背景にはあるが、米インテル急落や1ドル=105円半ばへの円高進行を考慮すれば、底堅い値動きだったいえる。市場関係者からは、「ショート(空売り)筋は海外市場の動向などをみて大幅安を期待していたが、下げが限定的だったことからすかさず買い戻しを入れたようだ」(情報担当者)との見方が出ていた。海外勢など夏休みを取る向きも出てくるなか、活発な売買は見送られている面もあるようだ。
こうしたなか、市場の関心は日米企業の決算発表に向かっている。米国ではテスラやインテルの下落が話題となっているが、「トレンドの大勢に変化はないものの、これまで上昇していた分の利益確定売りが出ている」(市場関係者)とみられている。
また、この日の引け後に発表された中外製薬<4519>や日東電工<6988>の第1四半期(4~6月)決算は堅調な結果だった、との評価が出ている。明日は東京エレクトロン<8035>やファナック<6954>、オムロン<6645>、日産自動車<7201>といった有力企業の決算が予定されており、株価は事前にどんな値動きとなるかが注目される。
さらに、上場廃止となるソニーフィナンシャルホールディングス<8729>に代わり日経平均株価に新規採用されることになった、日本取引所グループ<8697>に対するリバランスの売買が明日の大引けにかけて発生する見込みだ。このため、日本取引所の動向は注目されそうだ。
(岡里英幸)
最終更新日:2020年07月27日 18時13分