「防衛」が11位にランク、米中対立激化で思惑誘う<注目テーマ>
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みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「防衛」が11位となっている。
米中間の緊張が高まっている。米政府は知的財産の保護などを理由に、テキサス州ヒューストンにある中国総領事館を閉鎖した。同総領事館は、米国内におけるスパイ活動の拠点だったとの見方もある。中国側もこれに対抗する形で、四川省成都にある米国総領事館を27日に閉鎖したことで、一気に地政学リスクへの懸念が噴出し、注目度がアップしたようだ。
ここ米中間では、中国の南シナ海などでの軍事的覇権行動や、武漢における新型コロナウイルスでの中国側の対応、そして香港への政治的圧迫を巡り対立構造が先鋭化していたが、これが互いの総領事館閉鎖という形で現れた格好だ。解決に向けた着地点が不透明ななか、これが軍事的衝突につながるのではないかという懸念と思惑が、防衛関連と称される一連の銘柄へ投資家の視線を向けさせているようだ。
きのう27日に、四川省成都にある米国総領事館の閉鎖が伝わると、同日には細谷火工<4274>や豊和工業<6203>、石川製作所<6208>、日本アビオニクス<6946>、東京計器<7721>といった“地政学リスク感応度”の高い防衛関連の一角が買われた。しかし、きょうは多くの関連株が軟調な展開となっている。
これまでの経験上では防衛関連株は“熱しやすく冷めやすい”。もちろん米中対立の行方次第ともいえるが、思惑買いが先行するなか投資行動にも冷静な姿勢が求められている。