【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ コロナ逆風ものともせぬ収益好調株に照準!
「コロナ逆風ものともせぬ収益好調株に照準!」
●ネガティブ情報の織り込みは早い、円高一服を待つ局面
残念ながら7月相場は、結局保ち合い上放れを実現せずに終わった。それどころか下に放れてしまうのではないか、こんな懸念を抱かせる形となってしまった。しかも、6月半ば以降、日経平均株価の下値支持線となっていた2万2000円も割り込んでいる。
世界的に新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないどころか、増加傾向にある。米国の4-6月期GDPは前期比年率32.9%減と失速した。パウエルFRB議長は米国経済について厳しい見通しを語り、金融緩和策の継続と必要ならばできる限りの手段を活用すると表明した。
どれも甲乙を付けがたく重要だが、東京市場への影響が大なのはパウエル議長発言。米国経済のさらなる失速を防ぐために、さらなる金融緩和策を予見させたことはドルの下落と円の上昇要因となる。それがすでに顕在化したのが現在の東京市場だ。
実際、対ドルで円は104円台前半に上昇、103円台への突入もあり得る状況だ。これではせっかく回復しかけた輸出関連株の上昇はとても無理。こうなってしまうが、この種のネガティブ情報は短期間に株価に織り込まれてしまうのが普通だ。
今回もそうなる可能性が高いと見て対応するのが正解になる。円が下がらなくても構わない。これ以上、どんどん上がらなくなる。こうなるだけでも株価は回復することになるため(円が下がるならなお好ましい)、ここはしばらくそれを待ちたい。
●決算ショックによる急落株は逆張りウォッチング
それにしても改めて考えさせられるのは、決算発表に対する市場のショッキングな反応ぶり。4-6月期決算が厳しいものになるのは、誰が考えても分かりきったことだった。このような場合、私の長年の投資経験では、決算発表でそれが明確になっても株価は大して下げない。こうなることが多かったが、いまはまったく違う。徹底的に売り込まれてしまうのだ。
たとえば、キヤノン <7751> 、ファナック <6954> 、パナソニック <6752> 、アドバンテスト <6857> などだ。事前に予想されたとおりの悪化でもそれが正式に発表されると、とんでもなく売られることになってしまう。
これは現状が未来まで続くと考える投資家が多くなっていることを意味するため、対応策としては決算跨(また)ぎをしないこと。これが重要であるとともに、急落後の株は逆張り投資の対象としてウォッチングしたい。
さて、今回の注目銘柄。世界的に新型コロナの感染拡大が続いていることを考えると、まずは東洋水産 <2875> になる。自由に外出できないとなると家食となるものの、つい手軽にすませたくなって即席麺となりがち(我が家もそうだ)。この会社は米国、メキシコで即席麺首位。株はもっと上がってよい。
新型コロナの感染拡大がなかなか止まらなくても、地方の親たちは多くの犠牲を払っても子供を大学に通わせ続けようとするだろう。そうすると、学生は引き続き学生用マンションに住むことになる。この点を考えると、学生用賃貸マンションに強いJSB <3480> がある。
企業もいまは社員の健康、保険指導にこれまでになく熱心になっている。この流れに対応するビジネスを展開しているのがベネフィット・ワン <2412> だ。この会社は官公庁や企業の福利厚生の運営代行が主業務ながら、健康管理にも展開しているのだ。
30日に好業績を発表したものの、31日は株価が急落したNECネッツエスアイ <1973> は、適度な押しが入ったと見てよい。収益は好調なのに、市場は期待に届かなかったとして売ったのだろうが、いま時そんな期待は贅沢。増収増益予想だけで十分だ。
今年は白玉やパスタなどの食品が販売好調となっている。実は、我が家では串団子をよく食する。団子に使われているのは米粉。つまり、パスタも含めて今年は粉製品の需要が好調となり、これは少なくとも年末までは続くことだろう。ということで、昭和産業 <2004> だ。
小型株にも目を向けておくと、マザーズのホープ <6195> [東証M]がある。自治体に特化したビジネスを展開しており、広報誌の広告欄買い取り販売や電力販売に強く、地味ながら収益を伸ばし続けている。
最後に同じくマザーズ銘柄のBASE <4477> [東証M]を。個人向けECサイト「BASE」の運営が好調で、店舗売上連動の利用料金増が続いている点に注目したい。
2020年7月31日 記
株探ニュース