話題株ピックアップ【夕刊】(1):良品計画、日清食HD、住友鉱
■ヤマシンフィルタ <6240> 1,090円 +150 円 (+16.0%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率2位
ヤマシンフィルタ<6240>がストップ高に買われた。4日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を130億円から150億円(前期比18.4%増)へ、営業利益を5億9000万円から12億3000万円(同58.2%増)へ、純利益を3億4000万円から7億9000万円(同29.9%増)へ上方修正したことが好感された。同社では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うマスク需要増大に対応するため、独自技術である合成高分子系ナノファイバーを活用したマスク並びに取替用インナーシートを製品化し5月から販売を開始し、9月以降はドラッグストアチェーンなどに対して本格的な量産供給が開始される見通しとなったことが要因。また、主力の建機用フィルタも中国系建機メーカーへの標準品採用が着実に進捗し、第2四半期以降業績回復が見込まれることが要因としている。なお、同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高28億5800万円(前年同期比4.3%増)、営業損益9800万円の赤字(前年同期1億1700万円の黒字)、最終損益8200万円の赤字(同6100万円の黒字)だった。
■タクマ <6013> 1,649円 +160 円 (+10.8%) 本日終値 東証1部 上昇率8位
タクマ<6013>が後場急伸。午後2時ごろに発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高322億8900万円(前年同期比22.9%増)、営業利益22億1700万円(同75.8%増)、純利益18億7000万円(同3.0倍)と大幅な増収増益となったことが好感された。主力の国内環境・エネルギー事業でごみ処理プラントのDBO事業(建設・運営事業)を含む新設工事2件、基幹改良工事1件を受注したほか、受注済みプラントの建設工事が順調に進捗したことが牽引役となった。なお、21年3月期通期業績予想は、売上高1350億円(前期比0.4%増)、営業利益108億円(同12.5%増)、純利益84億円(同12.8%増)の従来見通しを据え置いている。
■良品計画 <7453> 1,473円 +125 円 (+9.3%) 本日終値
良品計画<7453>が続急伸。4日取引終了後に発表した7月度の月次概況で、直営既存店売上高が前年同月比10.5%増と2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要が継続しており、キッチン用品、収納用品、化粧品、マスク、カレーの販売が伸びたほか、プラスチックごみ削減を目指して月初に始めた水ボトルの販売と給水サービスも好評だったという。なお、全店売上高は同18.9%増だった。
■五洋建設 <1893> 615円 +48 円 (+8.5%) 本日終値
五洋建設<1893>が大幅高で3日続伸。4日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算は、売上高1148億200万円(前年同期比20.7%減)、営業利益81億8000万円(同0.6%減)、純利益59億5300万円(同0.6%増)と営業減益で着地したものの、上期計画に対する営業利益の進捗率が65%と順調なことが好感された。国内建築事業が減少したことに加えて、新型コロナウイルス感染症の影響で一部海外工事が中断したことが響いた。また、国内土木事業や海外建設事業の工事収支改善により売上総利益は増益となったが、6月にシンガポールの設備工事会社を子会社化した際の経費を計上したため、営業利益は微減益となった。なお、21年3月期通期業績予想は、売上高4930億円(前期比14.1%減)、営業利益275億円(同17.1%減)、純利益185億円(同20.8%減)の従来見通しを据え置いている。
■JCU <4975> 3,505円 +230 円 (+7.0%) 本日終値
JCU<4975>が3連騰し年初来高値を更新。4日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高49億2100万円(前年同期比2.7%増)、営業利益13億7700万円(同7.7%増)、純利益9億7200万円(同7.1%増)と増収増益となったことが好感された。中国向けに5G基地局に使用されるアンテナ用プリント基板や、5G対応の監視カメラ用プリント基板の需要が増加したほか、台湾向けに高機能電子デバイス向けプリント基板やサーバー向け半導体パッケージ基板が増加し、主力のメッキ薬品が伸長したことが牽引役となった。なお、21年3月期通期業績予想は、売上高220億円(前期比1.4%減)、営業利益64億円(同1.6%増)、純利益44億5000万円(同0.8%増)の従来見通しを据え置いている。同時に、上限を40万株(発行済み株数の1.51%)、または10億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は20年8月5日から21年2月28日までで、機動的な資本政策を遂行するためとしている。
■日清食HD <2897> 10,350円 +600 円 (+6.2%) 本日終値
日清食品ホールディングス<2897>は3日続伸して1万円台に乗せ上場来高値を更新した。午後1時15分ごろに発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高1205億6100万円(前年同期比13.9%増)、営業利益174億5200万円(同2.0倍)、純利益120億9500万円(同2.1倍)と大幅増益となったことが好感された。平時の需要に加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた外出自粛による需要増でカップめん類、袋めん類が売り上げを伸ばし業績を牽引した。関西工場稼働に伴う減価償却費の増加や物流費の上昇などがあったものの、増収効果に加えて広告費、促進費などの投入時期を見直したことによる費用の減少などで吸収した。なお、21年3月期通期業績予想は、売上高4860億円(前期比3.7%増)、営業利益435億円(同5.4%増)、純利益305億円(同4.0%増)の従来見通しを据え置いている。
■住友金属鉱山 <5713> 3,390円 +184 円 (+5.7%) 本日終値
住友金属鉱山<5713>が上伸。SPDRゴールド・シェア<1326>や金価格連動型上場投資信託<1328>、WisdomTree 金上場投資信託<1672>といった金価格に連動するETFも上昇しており、金関連銘柄に買い資金が流入した。4日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は前日比34.7ドル高の1トロイオンス=2021.0ドルに上昇。終値ベースでは、初の2000ドル台に乗せた。米長期金利が低下しドル安が進むなか、金に対する買い姿勢が高まった。レバノンの首都ベイルートで大規模な爆発が発生したことも、地政学リスクの高まりが警戒され金価格の上昇要因となったようだ。
■日本光電 <6849> 3,845円 +205 円 (+5.6%) 本日終値
日本光電工業<6849>が大幅反発。4日の取引終了後に発表した21年3月期第1四半期(4~6月)の連結経常損益が15億8100万円の黒字(前年同期は2600万円の赤字)に浮上しており、これが好感された。国内は営業・サービス活動の自粛や検査・手術の延期が影響し減収となったものの、海外では新型コロナウイルス感染症患者の増加で生体情報モニターや人工呼吸器の需要が急増し、売上高は前年並みを確保した。自社製品の販売増加などで売上高構成が良化したことに加え、旅費交通費などの販管費が減少したことも増益に大きく貢献した。
■トランス・コスモス <9715> 3,105円 +123 円 (+4.1%) 本日終値
トランス・コスモス<9715>が3連騰し、年初来高値を連日で更新。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が4日付で同社の投資判断「オーバーウェート(強気)」を継続し、目標株価を3000円から3600円に増額しており、これが材料視された。リポートでは、コロナ後のオフィス分散化や在宅勤務拡大などの社会変化はBPO市場にポジティブに働くと指摘。トランス・コスモスは同業他社比で営業利益率が低いことから利益率改善により、相対的には高い利益成長が可能なことを評価している。同証券では第1四半期の好決算を踏まえ、21年3月期通期の営業利益予想を115億円から128億円へ上方修正している。
株探ニュース