来週の相場で注目すべき3つのポイント:バリュー株の動向、各国製造業PMI、ニューラルポケットIPO

市況
2020年8月15日 17時41分

■株式相場見通し

予想レンジ:上限23500-下限22900円

来週の日経平均は、スピード調整を交えながらも上値を試す場面がありそうだ。8月に入り日経平均は2週間で約1500円超の上昇を見せ、13日には6月9日の戻り高値23185.85円を上回ってきた。日経平均が1月22日以来となる24000円台乗せに一気に挑戦するとは考えにくいものの、6月から続いたボックス相場の上限を上抜いてきたことは確かであり、基調の陽転は侮れない。

8月以降の上昇相場は、米国市場の上昇と為替の円安、そして新型コロナウイルスに対するワクチン開発の進展が支援材料となっている。アメリカの製薬大手ファイザーとドイツ企業が開発する新型コロナウイルスのワクチン臨床試験において、ウイルスに対する抗体が検出され、ウイルスの働きを弱める中和抗体の量も上昇することが初期段階の結果として確認されたことが英国の科学雑誌「ネイチャー」に掲載された。ワクチン開発が成功した場合、日本政府も来年6月末までに6000万人分の供給を受けることで合意していることが好感されている。

まだ結果は不透明ながらも、ワクチン開発にひとまずのメドが付き始めたとみたマーケットは、「脱コロナ」を意識しはじめている。これまで売り込まれたトヨタなど自動車株やコマツ<6301>など機械株といった景気敏感株が値を戻している。この景気敏感株の買い戻しと、SUMCO<3436>や東京エレクトロン<8035>など半導体関連の出直りがどの程度継続するかが、ボックス相場を上抜けた今後の日経平均の上げ幅を左右してこよう。

ただ、14日で今回の決算シーズンは一巡したが、景気敏感株およびバリュー株の個々の業績は厳しいものが多く、4-6月期が収益の底と判断するには時期尚早というムードも国内では根強い。為替や海外株高などの外部要因が働かなければ、日経平均は上値の重さが意識される水準にあるともいえる。

■為替市場見通し

来週のドル・円は伸び悩みか。米国の7月雇用統計は、予想以上に強い内容だったことから、目先的にはリスク回避目的のドル売りポジションを解消する動きが続く可能性がある。7月1日の高値108円16銭までのドル上昇の余地はありそうだが、8月19日に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、経済見通しについて慎重な意見が多くみられた場合、ドルを買い戻す動きは一服する見通し。

米国の追加経済対策の規模をめぐってトランプ政権と民主党指導部の協議は難航していることや、米中対立の先鋭化で一段のドル上昇は抑えられるだろう。欧州連合(EU)復興基金創設を背景としたユーロ高も引き続き注視される。1ユーロ=1.19ドル台前半まで強含んだ後は利益確定売りに押されたものの、1.17ドル台では押し目買いが観測されている。何らかの要因でユーロ高・米ドル安が進行した場合、ドル・円の上値は多少重くなる可能性がある。

■来週の注目スケジュール

8月17日(月):日・GDP速報値(4-6月)、日・鉱工業生産(6月)、米・NY連銀製造業景気指数(8月)など

8月18日(火):米・住宅着工件数(7月)、米・ウォルマート決算発表など

8月19日(水):日・コア機械受注(6月)、米・エヌビディア決算発表など

8月20日(木):日・コンビニエンスストア売上高(7月)、米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(8月)など

8月21日(金):日・製造業PMI(8月)、欧・ユーロ圏製造業PMI、米・製造業PMI(8月)、米・中古住宅販売件数(7月)など

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https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200815-00934011-fisf-market

米国株式市場見通し:経済指標や企業決算で投資家心理は改善か(8/15)

https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200815-00934013-fisf-market

新興市場見通し:「躍進」新興企業に更なる成長期待、IPOではニューラル(8/15)

https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20200815-00933001-fisf-bus_all

国内外の注目経済指標:ユーロ圏製造業PMIはさらなる改善も(8/15)

《YN》

提供:フィスコ

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