【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 見直し買いの上昇気流が低空飛行銘柄を押し上げる!
「見直し買いの上昇気流が低空飛行銘柄を押し上げる!」
●意表を突く6月戻り高値クリアを演出したのは…
株式市場は時折、我々の意表を突く。それは大抵歓迎できないものとなるが、時には歓迎できるものもある。
今回、訪れている意表を突く現象は…。そう、コロナと猛暑のブルパンチで倒れそうになるなかでの日経平均株価の堅調高――これになる。
ともかく頼もしい上昇ぶりだ。私はこれまで繰り返し「保ち合い放れを待とう」、こう提言してきたが、保ち合い入りして1ヵ月経っても上放れることができず、ようやく2ヵ月近く過ぎてそれが実現したことになる。
すでに、日経平均は先週末一時2万3338円まで戻ったが、これには大きな意味がある。新型コロナの感染拡大で日経平均が暴落し、3月19日に1万6358円の安値をつけて反発、そのままほぼ一本調子に上昇を続け、その時につけた戻り高値が6月9日の2万3185円だった。
そして、そこが戻りの限界となり、それからは2万2000円~2万3000円で前述したように2ヵ月近い保ち合いとなって、もう戻れないのではないか。こんな声すら聞かれた。
しかし、前述したように、6月の戻り高値をクリアしたのだ。しかも、新型コロナの拡大と 猛暑、それにお盆休みの間にだ。誰が見ても株価が上がりそうな状況の中で戻り高値を更新するのは当然のことになるが、いまは一般的にはネガティブ情報が際立っており、投資するのにふさわしいとは思われないだろう。
それでも強い動きになっている最大の要因は米国経済、中国経済ともに最悪期を脱しつつあることが経済指標で明らかになっているからだ。
米国の7月雇用統計は非農業部門の雇用が176万人増だったし、失業率も10.2%に低下した。加えて、トランプ米大統領は失業保険金の追加支給を決定、議会に承認を求めてもいる。
中国経済も明らかに回復中と見てよく、中国国家統計局が14日発表した7月の主な経済統計によると、工業生産は前年同月比4.8%増だった。4ヵ月連続のプラスである。
●新型コロナ打撃からの立ち直りに着目
だからといって、このまま日経平均がどんどん上がることにはならないが、主力株を中心に低空飛行が続いた銘柄も見直し買いによる離陸の動きが活発になると見てよい。
そこで注目したいのは、新型コロナの感染拡大で大きく売り込まれたあと戻りが鈍かった銘柄の中から、まずはなんといってもオリエンタルランド <4661> になる。もちろん、まだ以前ほどの集客力はない。しかし、これから年末にかけて次第に増加すると考えられるため、株は大いに期待が持てる。
飛行機を利用した旅行もまだ少ない。しかし、これまた今後の増加は必至となるので、日本空港ビルデング <9706> に注目だ。
個人的には飛行機には乗らないようにしているが(怖いので)、利用者は増えるだろうから、ANAホールディングス <9202> や日本航空 <9201> もやや時間はかかるものの、さらに水準を高めることになるだろう。
旅行の周辺ビジネスでは、オープンドア <3926> がある。旅行商品の人気比較サイト「トラベルコ」の利用は増加方向と見てよく、株も次第に復活と見る。
すでにかなりのところまで戻っているが、本格的にはこれからと推測されるのがリクルートホールディングス <6098> 。大学生たちの就職活動は、さすがに秋以降は活発になると見るのが自然だ。
中国での販売拡大が見込める点では、哺乳瓶など育児用品国内首位のピジョン <7956> が魅力的だ。
2020年8月14日 記
株探ニュース