話題株ピックアップ【夕刊】(1):トリケミカル、インフォMT、ファナック
■トリケミカル研究所 <4369> 11,230円 +730 円 (+7.0%) 本日終値
トリケミカル研究所<4369>が急反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が9日付で同社の投資判断を「Hold(中立)」から「Buy(買い)」に引き上げるとともに、目標株価を1万2000円から1万2500円へ増額しており、これを好材料視する買いが入った。リポートでは、歩留り向上や性能向上には欠かせない同社の半導体製造用特殊ガス製品に対する需要は旺盛であると評価し、業績予想を上方修正した。また、株価下落により潜在リターンが拡大していることも指摘している。
■インフォマート <2492> 769円 +44 円 (+6.1%) 本日終値
インフォマート<2492>が大幅反発。きょう11時ごろ、エイトレッド<3969>と、企業間取引文書と社内文書のペーパーレス化事業で協業を開始したと発表しており、これを好感する買いが入った。企業経営のデジタルトランスフォーメーション(DX)化や社内外文書のデジタル化が急務となるなか、社内文書電子化のリーディングカンパニーであるエイトレッドのマーケティング及び製品ノウハウと、企業間取引文書電子化のリーディングカンパニーである同社のサービスを組み合わせ、バックオフィスDXに取り組むすべての企業に対し、最適なソリューションを提供するとしている。
■JMDC <4483> 7,900円 +310 円 (+4.1%) 本日終値
JMDC<4483>は3日ぶりに反発。同社は、医療データベースの構築や調剤薬局へのデジタルソリューション提供などを手掛ける。9日の取引終了後、イーエムシステムズ<4820>及びその子会社であるチョキとの間で資本業務提携を行うと発表しており、これが好感された。提携内容は、統計情報による薬局向け業務・経営支援サービスの開発やクリニック・薬局向けキャッシュレス事業の推進、製薬企業向け統計情報サービスの開発としている。
■ファナック <6954> 21,155円 +535 円 (+2.6%) 本日終値
ファナック<6954>が買い優勢。直近発表された8月の工作機械受注は前年同月比23.3%減と低調で23カ月連続で前年同月実績を下回っているが、新型コロナウイルス感染拡大や米中摩擦激化の影響による収益環境の厳しさは織り込み済み。既に中国では自動車販売が増勢にあり、工作機械や産業ロボットの需要拡大が見込まれるなか、同社株への実需買いが厚みを帯びている。信用買い残も枯れた状態で直近信用倍率は0.99倍、日証金では貸借倍率0.27倍と株式需給面から上値は軽い。
■日本取引所グループ <8697> 2,914円 +69 円 (+2.4%) 本日終値
日本取引所グループ<8697>が3連騰、7月21日につけた2869円を上回り上場来高値更新となった。米国株市場は前日に4日ぶりに主要株指数が反発したとはいえ、波乱の余韻が残り、東京市場もそれに追随して上値の重い動きを強いられている。また、東証1部の売買代金も今週明け7日まで5営業日連続で2兆円台を割り込むなど決して活況とはいえない環境にある。しかし、同銘柄は8月初旬以降、ほぼ一貫して上値指向を続けている。市場では「今週末のメジャーSQ通過まではマーケットも不安定ながら、来週は日米の金融政策決定会合もあり、緩和期待の継続から市場心理も改善する可能性がある。株価上昇局面となれば売買高も膨らむ公算が大きい」(国内証券ストラテジスト)という声もある。また、信用残は大幅に売り長で直近信用倍率は0.2倍台、日証金では株不足状態で逆日歩がつく状況にあり、買い戻しを誘発しているもようだ。
■JIA <7172> 1,181円 +25 円 (+2.2%) 本日終値
ジャパンインベストメントアドバイザー<7172>が堅調推移。同社はきょう、NEC<6701>や大林組<1802>、伊藤忠テクノソリューションズ<4739>などと連携し、共創型R&Dから新事業を創出する共同出資会社「BIRD INITIATIV(バード イニシアティブ)」を設立し、10月から事業を開始すると発表。これが買い手掛かりとなったようだ。この新会社は、産官学連携強化、高度人材獲得、資金調達などを重ね、2025年までに新事業のカーブアウト6件を創出することを目指している。JIAは金融ソリューション事業会社として、事業計画立案、新事業実現に係る資金や人材獲得を支援し、事業価値創造に寄与していくという。
■エイチ・アイ・エス <9603> 2,090円 +44 円 (+2.2%) 本日終値
旅行会社大手のエイチ・アイ・エス<9603>、オンライン旅行代理店のアドベンチャー<6030>、オープンドア<3926>など旅行関連株に投資資金が流入。政府が観光需要の喚起を図る目的で打ち出した「Go To トラベル」で東京都は除外されていたが、「10月1日から補助対象に追加する検討に入ったことを一部メディアが報じており、これに反応したもの。これまで観光関連は新型コロナウイルスの影響で厳しい収益環境を強いられたが、東京がGo Toの対象となればそれなりのプラスインパクトはある。もっとも株価的にはショートカバーでかなり戻してしまっている銘柄が多く、ここからの上値余地となると限定的ではないか」(国内中堅証券ストラテジスト)という声が出ている。
■国際石油開発帝石 <1605> 636.9円 +9.2 円 (+1.5%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>、石油資源開発<1662>など資源開発関連株が高い。ここ米国株安と歩調を合わせ原油市況もリスク回避の売りで急速に水準を切り下げる展開となっていたが、前日のWTI原油先物価格はNYダウなどが急反発するのを横目に上昇に転じた。1ドル29セント高の1バレル=38ドル5セントまで戻しており、これを背景に米株市場ではシェブロンが反発するなどエネルギー関連株の一角に買いが入った。東京市場でもこれに追随する形で原油市況と株価連動性の高い銘柄にリバウンド狙いの買いが優勢となっている。
■三菱UFJ <8306> 437.4円 +5.5 円 (+1.3%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が頑強、4日ぶり切り返しに転じている前日の米国株市場では、NYダウなど主要株指数が大きく切り返しに転じたが、そのなか、シティグループやJPモルガン、バンク・オブ・アメリカなど大手金融機関が堅調な値運びをみせた。米10年債利回りは再び上昇に転じ0.7%台を回復している。東京市場でも同銘柄はここ調整色を強めていたが、25日移動平均線近辺まで調整を入れ値ごろ感が生じており、配当利回りの高さなどに着目した押し目買いを誘っている。
株探ニュース