来週の株式相場戦略=新政権のスタート見極める、バリュー株優位は継続か

市況
2020年9月11日 17時36分

今週のマーケットで話題となったのが「東京市場のニューヨーク離れ」だ。週間ベースでNYダウは2.1%の下落に対し、日経平均株価は0.9%上昇。先週もNYダウは1.8%下落したのに対し、日経平均は1.4%上げている。

米国は主力IT関連株への一極集中が起こっていたが、「東京市場にはそんな状況はなかった」(アナリスト)ことが背景にある。そこへ足もとの経済活動正常化期待から、バリュー株への見直し機運が高まっている。PBR1倍割れが珍しくない東京市場は、バリュー株相場では米国市場をアウトパフォームすることは当然とも言える。来週の日経平均株価の予想レンジは2万3100~2万3800円。引き続き強含みの展開が想定される。

特に、来週は14日に自民党総裁選が実施されるが、菅義偉官房長官の優位は崩れない。このため、市場の関心は16日からの臨時国会での首班指名と組閣人事、さらにはその後の「解散・総選挙があるかどうか」(市場関係者)に向かっている。菅氏は、経済重視の姿勢を鮮明としており、コロナ禍で放置されてきた外食やレジャー株などへの見直し機運が強まる可能性がある。足もとの日本郵船<9101>など海運株や、JR東日本<9020>など電鉄株の上昇はバリュー株見直しの先駆けとなりそうだ。また、中国景気の回復とともにツガミ<6101>や牧野フライス製作所<6135>のような機械株も見直されそうだ。

気になるのは米国株動向だが、「来週18日の米国のSQにあたるクアドルプル・ウィッチングを過ぎれば相場も落ち着くのではないか」(アナリスト)との見方がある。

来週は15~16日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、16~17日に日銀金融政策決定会合が予定されている。パウエルFRB議長や黒田日銀総裁の発言が注目されそうだ。海外では、16日の米8月小売売上高、17日の米8月住宅着工件数などが注目される。15日には米アップルがオンラインイベントを開催する。また、17日には東証1部に雪国まいたけ<1375>が上場する。

(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

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