今週の【早わかり株式市況】2週連続上昇、米株波乱も動じず下値抵抗力を発揮

市況
2020年9月12日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は2週連続の上昇、米株波乱に流されず下値抵抗力を発揮

2.週初は前週末の米株安とSBG急落による影響受けるも下げ幅は限定的

3.週央はリスク回避ムード、アストラゼネカのワクチン開発中断など嫌気

4.日経平均は取引時間中に2万3000円台割り込むも、その後立ち直る

5.週末はメジャーSQ算出日、前日の米株安嫌気も朝安後切り返す展開に

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比201円(0.87%)高の2万3406円と2週連続で上昇した。

今週は米ハイテク株波乱の影響を東京市場がどの程度受けるのかが警戒され、リスク回避ムードが強かったが、日経平均は思った以上に頑強な値動きを示した。メジャーSQ算出日にあたった週末も前日の米株急落にもかかわらず高く引け、週間ベースでも続伸した。

週明けの7日(月)は前週末の米株市場で主要株指数が連日の下値模索となったことを受け日経平均は売り優勢だったが、下げはソフトバンクグループ <9984> の急落による影響が大きく、その割には下げ幅は限定的だった。値上がり銘柄数が値下がりを大幅に上回ったのが象徴的。8日(火)は前日の米株市場が休場ながら、欧州株が軒並み大幅高となったことを好感し3日ぶり反発に転じた。しかし9日(水)は再びリスク回避ムードが強まる。前日の米株市場が急落したことで市場心理が悪化、英アストラゼネカが新型コロナワクチンの開発を一時中断すると伝わったことも嫌気された。日経平均は一時2万3000円台を割り込む場面もあった。10日(木)は米ハイテク株に売り一巡感が出て戻り足をみせたことを好感、広範囲に買い戻される展開となり、日経平均は200円あまり上昇した。そして11日(金)は朝安から切り返し続伸して引けた。今週はここまで高い日と安い日が交互に繰り返されたが、メジャーSQ算出日の週末は前日の米株急落を受け安く始まったものの、その後は異色の下値抵抗力を発揮。東京都が10日に新型コロナ感染の警戒レベルを引き下げたこともリスクオンの流れを助長し、結局170円あまり上昇して引けた。

■来週のポイント

ここ2週間は米株市場の波乱に対して下値抵抗力を発揮しているだけに、来週も上値は重いながらも下値を切り上げる展開が期待される。ただし、米株がさらに大きく調整した場合は下値を探る場面もありそうだ。

重要イベントとしては、国内では16日-17日に開催される日銀金融政策決定会合や16日朝に発表される8月貿易統計、18日朝に発表される8月全国消費者物価指数が注目される。海外では15日-16日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)や15日に発表される中国8月の小売売上高と工業生産高、16日発表の米国8月小売売上高に注視が必要だろう。

■日々の動き(9月7日~9月11日)

【↓】   9月 7日(月)―― 続落、米株安を受けリスク回避の売り継続

日経平均 23089.95( -115.48)  売買高10億6261万株 売買代金 1兆9245億円

【↑】   9月 8日(火)―― 3日ぶり反発、欧州株高を追い風に買い優勢

日経平均 23274.13( +184.18)  売買高10億7485万株 売買代金 2兆0941億円

【↓】   9月 9日(水)―― 反落、米株急落を受け一時2万3000円割れ

日経平均 23032.54( -241.59)  売買高13億6045万株 売買代金 2兆4180億円

【↑】   9月10日(木)―― 反発、米株急反発を受け買い戻しが優勢

日経平均 23235.47( +202.93)  売買高11億5119万株 売買代金 2兆1663億円

【↑】   9月11日(金)―― 続伸、朝安も経済正常化の動きを好感し切り返す

日経平均 23406.49( +171.02)  売買高12億9776万株 売買代金 2兆5640億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、28業種が上昇

(2)郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など海運が急動意で値上がり率トップ

(3)JAL <9201> 、ANAHD <9202> など空運も大幅高

(4)AGC <5201> などガラス・土石、日本製鉄 <5401> など鉄鋼、大阪チタ <5726> など非鉄といった素材株が買われた

(5)リクルート <6098> などサービス、三井不 <8801> など不動産といった内需株は総じて堅調

(6)輸出株はオリンパス <7733> など精密機器、日立 <6501> など電機は上昇も

トヨタ <7203> など自動車は下落

(7)金融株はオリックス <8591> などその他金融、T&D <8795> など保険は高いが

三菱UFJ <8306> など銀行、野村 <8604> など証券はさえない

(8)ソフトバンクG <9984> 情報・通信は値下がり率トップ

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(2) デジタルトランスフォーメーション(DX)DX時代の大化け候補. 

2(25) 地方銀行 ── 菅発言で業界再編へ思惑高まる 

3(1) 2020年のIPO

4(27) クラウドコンピューティング ── デジタル行政加速で関連銘柄に再脚光

5(5) 5G ── 対応iPhoneの発表観測高まる

※カッコは前週の順位

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