富田隆弥の【CHART CLUB】 「ここからは乱高下も」

市況
2020年10月10日 10時00分

日経平均株価は10月8日に8ヵ月ぶりの高値となる2万3701円(ザラバ)をつけ、2万3000円台の踊り場からの上放れを試す動きが出てきた。チャートは2万2000円台と2万3000円台で4ヵ月近くジリ高基調の踊り場を描いている。厚い節目である2万4000円台を目前に足踏みを強いられているが、1月の高値2万4115円を抜いて年初来高値に踊り出るならば、上放れに弾みをつけ一気に2年前の高値2万4448円を抜く可能性も出てこよう。

◆ただし、カギを握るのは米国株だ。7日現在、NYダウ平均は2万8303ドル引けと順調な戻りを見せている。その要因の一つに、トランプマジックがある。新型コロナウイルスに感染しても4日後には早くも退院し、追加経済対策の協議を大統領選まで停止するとした翌日には中小企業対策と現金給付は承認するとツイートするなど、売らせておいては買い戻しを強いるトランプ流の相場操縦が復活している。

◆また、NYダウが2万7700ドル台にある25日移動平均線を突破したことで需給が改善、「バイデン勝利でも株価は上がる」とイイとこ取りの声も増えてきた。だが、NYダウのチャートをみると、9月3日高値の2万9199ドル、2月12日高値の2万9568ドルと、2万9000ドル台が厚い節になっている。11月3日の大統領選は混迷が予想され、トランプマジックやイイとこ取りの地合いが順調に続くとは限らない。

◆高値圏にある米国株は、風雨が強まるところで乱高下しやすい。そうなると日経平均の上放れ期待には、乱高下を伴うことも覚悟しておくべきだ。2万3000円水準に迫る75日移動平均線や13週移動平均線を下値ポイントに、それを維持しているうちは買いスタンスで挑むものの「押し目買い、吹き値売り」など機敏なスタンスも必要と思われる。

(10月8日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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