話題株ピックアップ【夕刊】(3):富士通、コマツ、トヨタ

注目
2020年10月28日 15時25分

■富士通 <6702>  12,840円  -780 円 (-5.7%)  本日終値

富士通<6702>は急落、一時1300円以上の下落をみせ1万2200円台まで売り込まれる場面があった。株価はマドを開け75日移動平均線を大きく下放れる格好となっている。27日取引終了後に発表した20年4~9月期決算は最終利益が前年同期比26%減の471億2800万円と落ち込んだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって製造業のIT投資抑制などが響いている。株価は高値圏で上値が重くなっていたこともあり、決算悪が嫌気される形で利食い急ぎの動きが表面化した。

■コマツ <6301>  2,381.5円  -94 円 (-3.8%)  本日終値

コマツ<6301>や日立建機<6305>が安い。競合する米建機大手のキャタピラーが27日に発表した7~9月期決算は連結純利益は前年同期比55%減の6億7100万ドルだった。北米での建機や鉱山機械の販売が低迷したことが響いた。この決算発表を受け、27日の米株式市場でキャタピラー株が下落しており、日本のコマツや日立建機といった大手建設機械株にも売りが先行する展開となった。

■トヨタ自動車 <7203>  6,895円  -66 円 (-1.0%)  本日終値

トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>など自動車株が売りに押される展開。目先欧米株式市場がリスクオフの流れにあるほか、外国為替市場で1ドル=104円台半ばまでドル安・円高が進んでいることで輸出採算の悪化を懸念した売りも出た。なお、一部メディアを通じて中国では2035年をメドに新車販売のすべてを環境対応車にする方向と伝わったことはハイブリッド車に強い日本の自動車メーカーにとってはポジティブ材料とみられている。

■四国化成工業 <4099>  1,146円  -11 円 (-1.0%)  本日終値

四国化成工業<4099>は冴えない。27日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を480億円から490億円(前期比5.0%減)へ、営業利益を63億円から68億円(同13.4%減)へ、純利益を46億円から48億円(同14.4%減)へ上方修正したが、市場の反応は限定的のようだ。タイヤメーカーの生産活動の正常化により、不溶性硫黄の販売に回復の動きがみられることや、米国市場における塩素化イソシアヌル酸の販売が好調を持続していることなどが要因という。なお、同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高234億800万円(前年同期8.9%減)、営業利益26億900万円(同26.9%減)、純利益19億2400万円(同24.1%減)だった。

■理研ビタミン <4526>  1,409円  -6 円 (-0.4%)  本日終値

理研ビタミン<4526>は後場急落。午後1時30分ごろ、21年3月期連結業績予想について、売上高を800億円から780億円(前期比6.0%減)へ、営業利益を42億円から20億円(同62.3%減)へ、最終損益を8億円の黒字から13億円の赤字(前期89億3300万円の赤字)へ下方修正したことが嫌気された。中国において輸入水産品の外装から新型コロナウイルスが検出されたことにより、中国国内向け冷凍水産品の販売が低迷しており、これを受けて子会社の青島福生食品が保有している販売の見通しが立たない輸入冷凍水産品に対し、第1四半期にたな卸資産評価損19億100万円を売上原価として計上したことが要因としている。同時に、発表が遅延していた第1四半期(4~6月)決算を発表しており、売上高184億5700万円(前年同期比9.9%減)、営業損益7億2200万円の赤字(前年同期14億5500万円の黒字)。最終損益18億5500万円の赤字(同14億5100万円の赤字)だった。

■アストマックス <7162>  336円  +56 円 (+20.0%) 一時ストップ高   本日終値

アストマックス<7162>が急騰、一時25%高の350円に買われる人気となった。同社は商品先物ディーリングのほか、太陽光や地熱発電などの再生可能エネルギー事業にも積極展開する。世界的な脱炭素社会への取り組みを背景にグリーンエネルギー関連の中小型株への物色ニーズが高まっているが、時価総額が小さい割に流動性に富む同社株は全員参加型材料株の素地があり、頭角を現している。米大統領選の大詰めにきて優勢が伝えられるバイデン候補が、環境インフラ関連に4年間で2兆ドルという過去最大規模の投資を行う政策方針を掲げていることも投資資金の流入を後押ししている。

■医学生物学研究所 <4557>  4,255円  +700 円 (+19.7%) ストップ高   本日終値

医学生物学研究所<4557>がストップ高に買われた。27日の取引終了後、JSR<4185>が連結子会社である同社の完全子会社化を目指してTOBを実施すると発表しており、TOB価格4400円にサヤ寄せする格好となった。JSRは現在、医学生物株式の50.8%を所有しているが、完全子会社化することで創薬支援分野やコンパニオン診断薬開発における競争力強化やグループの経営効率の向上を図るのが狙い。買付予定数は254万2960株(下限81万9419株、上限設定なし)で、買付期間は10月28日から12月10日まで。なおTOB成立後、医学生物は所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は、医学生物株式を10月27日付で監理銘柄(確認中)に指定している。

■NTTDイン <3850>  3,400円  +270 円 (+8.6%)  本日終値

エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート<3850>は急伸、一時11.2%高の3480円まで上昇した。27日の取引終了後、同社が提供するシステム共通基盤「intra-mart」と、弁護士ドットコム<6027>のWeb完結型クラウド契約サービス「クラウドサイン」のプロダクト連携を開始したと発表した。これにより、官民で広がる「脱ハンコ、ペーパーレス」の取り組みを推進し、政府・行政・企業・ユーザ間で行われるあらゆる契約プロセスをデジタル化するとともに、利便性向上と業務の効率化を実現するという。

■長大 <9624>  1,303円  +83 円 (+6.8%)  本日終値  東証1部 上昇率8位

長大<9624>が大幅続伸。27日の取引終了後、集計中の20年9月期連結業績について、売上高が308億2000万円から309億5000万円(前期比6.7%増)へ、営業利益が25億円から30億8000万円(同6.1%増)へ、純利益が15億円から20億円(同7.7%増)へ上振れ、減益予想から一転して増益で着地したようだと発表したことが好感された。基礎地盤コンサルタンツなどグループ会社の受注が増加したことに加えて、業務遂行における効率化を図ったことや、人員増強などの施策が今期にずれ込み人件費・経費が想定を下回ったことなどが要因としている。なお、業績上振れに伴い、従来43円を予定していた期末一括配当を57円に引き上げるとあわせて発表した。

■ファルコHD <4671>  1,523円  +89 円 (+6.2%)  本日終値

ファルコホールディングス<4671>は大幅続伸。27日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(4~9月)連結業績について、売上高を190億円~200億円から204億円(前年同期比7.0%減)へ、営業損益を1億円の赤字~3億円の黒字から7億円の黒字(同2.6%増)へ上振れたようだと発表しており、一転して営業増益で着地したことが好感された。新型コロナウイルス感染症の影響による受託検体数や処方せん枚数の減少が緩やかになりつつあることに加えて、臨床検査事業・調剤薬局事業の全社的な固定費の削減の取り組みなどが寄与した。

●ストップ高銘柄

大塚家具 <8186>  201円  +50 円 (+33.1%) ストップ高   本日終値

不二ラテックス <5199>  7,710円  +1,000 円 (+14.9%) ストップ高   本日終値

など、3銘柄

●ストップ安銘柄

エスケイジャパン <7608>  625円  -150 円 (-19.4%) ストップ安   本日終値

セキド <9878>  768円  -150 円 (-16.3%) ストップ安   本日終値

など、2銘柄

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