話題株ピックアップ【夕刊】(1):ヤマハ発、JAL、日本製鉄

注目
2020年11月10日 15時14分

■ヤマハ発動機 <7272>  1,895円  +334 円 (+21.4%)  本日終値  東証1部 上昇率3位

ヤマハ発動機<7272>がカイ気配でスタート。9日の取引終了後、20年12月期の連結経常利益を従来予想の240億円から710億円(前期比40.6%減)に上方修正しており、減益幅が縮小する見通しとなったことが好感された。インドなど新興国向け二輪車事業、船外機を主力とするマリン事業の需要がそれぞれ大きく回復することが寄与する。業績上振れを踏まえ、期末一括配当を従来計画の15円から45円(前期は90円)に大幅増額修正したことも好材料視された。なお、同時に発表した第3四半期累計(1~9月)の同利益は前年同期比41.7%減の597億2000万円だった。

■日本航空 <9201>  1,989円  +348 円 (+21.2%)  本日終値  東証1部 上昇率4位

日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>が急騰。ともに一時20%超高の上昇となり、33業種別の値上がり率で「空運」は首位となった。米製薬大手ファイザーによる新型コロナウイルスのワクチン開発進展期待から、全体相場は景気敏感株を中心にリスクを取る動きが顕著となった。なかでも、これまで新型コロナ感染拡大の影響を大きく受けたセクターの上昇が目立っており、空運株をはじめ鉄道株や旅行関連の銘柄などが軒並み買われる展開となった。

■ビジョン <9416>  1,139円  +150 円 (+15.2%) ストップ高   本日終値

ビジョン<9416>が急騰し一時、ストップ高の1139円に買われた。9日の取引終了後、20年12月期の連結業績予想について、営業損益を3億2000万円の赤字から5800万円の黒字(前期比98.3%減)へ、最終損益を16億100万円の赤字から12億2600万円の赤字(前期22億2600万円の黒字)へ上方修正したことが好感された。売上高は167億円(同38.9%減)の従来見通しを据え置いたものの、各種経費の効率化の取り組みが奏功した。なお、同時に発表した第3四半期累計(1~9月)決算は、売上高131億800万円(前年同期比36.2%減)、営業利益5800万円(同98.0%減)、最終損益12億2600万円の赤字(前年同期19億8600万円の黒字)だった。

■ホープ <6195>  7,780円  +1,000 円 (+14.8%) ストップ高   本日終値

ホープ<6195>は一時ストップ高。9日の取引終了後に発表した21年6月期第1四半期(7~9月)の非連結決算は、売上高71億6700万円(前年同期比3.8倍)、経常損益6億7600万円の黒字(前年同期は5500万円の赤字)に急拡大しており、これを好感する買いが入った。自治体向けに電力を販売するエネルギー事業で電力供給開始案件が増加したうえ、調達価格が想定以上に低く推移したことが業績を大きく押し上げた。併せて、上期(7~12月)の売上高見通しを従来の122億円から140億円へ引き上げたが、経常利益予想は2億3000万円~4億7000万円を据え置いた。第1四半期の経常利益は既に予想レンジ上限を大幅に上回っており、業績上振れが期待される。

■日本製鉄 <5401>  1,228.5円  +130 円 (+11.8%)  本日終値

日本製鉄<5401>、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>など鉄鋼株が一斉高に買われ、業種別値上がり率で首位を争う展開にある。前日の米国株市場ではワクチン開発への期待からリスクを取る動きが強まったが、経済の正常化が早まるとの思惑を背景に大きく買われたのはバリュー株に位置づけられる景気敏感株だった。これまで買われたハイテク系の銘柄には売り圧力が高まる展開となり、グロースからバリューへの資金シフトが顕著だ。東京市場でも同様の資金の流れが起こっており、これまでコロナ禍で株価が出遅れていた鉄鋼セクターを買い戻す動きが加速している。

■安藤・間 <1719>  753円  +74 円 (+10.9%) 一時ストップ高   本日終値

安藤・間<1719>が後場急伸。午後2時ごろ、1800万株(発行済み株数の9.32%)、または100億円を上限とする自社株買いを実施すると発表しており、これが好感された。取得期間は20年11月16日から21年11月15日までで、株主還元の充実及び資本効率の改善により、更なる企業価値向上を図ることが目的という。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算は、売上高1810億円(前年同期比2.7%増)、営業利益138億5800万円(同17.2%増)、純利益85億5800万円(同11.5%増)だった。国内工事が順調に進捗したことに加えて、国内工事の採算性が向上したことが寄与した。なお、21年3月期通期業績予想は、売上高3650億円(前期比3.5%減)、営業利益236億円(同4.5%減)、純利益148億円(同11.9%減)の従来見通しを据え置いている。

■高砂香料工業 <4914>  2,432円  +234 円 (+10.7%)  本日終値

高砂香料工業<4914>が大幅続伸。9日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、営業利益を33億円から50億円(前期比87.9%増)へ、純利益を36億円から50億円(同46.7%増)へ上方修正したことが好感された。新型コロナウイルス感染症の拡大による消費者の外出自粛の影響などで飲料分野などが想定を下回る見込みとなったことから、売上高は1535億円から1480億円(同2.9%減)へ下方修正したが、グループにおける感染予防措置により一部経費が減少したことや、海外子会社のフレグランス部門などの利益改善が想定を上回って推移していることから、利益を上方修正したという。なお、同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高771億700万円(前年同期比0.8%減)、営業利益33億3100万円(同2.1倍)、純利益30億3500万円(同82.6%増)だった。

■ユー・エス・エス <4732>  2,249円  +209 円 (+10.3%)  本日終値

ユー・エス・エス<4732>は急伸して一時、前日比278円(13.6%)高の2318円に買われ、約10カ月ぶりに年初来高値を更新。9日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を673億円から712億円(前期比8.9%減)へ、営業利益を272億円から326億円(同9.5%減)へ、純利益を184億円から221億円(同7.1%増)へ上方修正したことが好感された。新型コロナウイルス感染症により落ち込んだオークション取引台数が想定より早く回復していることを受けて、想定出品台数を234万台から253万台へ、成約台数を142万台から160万台へ引き上げたことが要因。また、販売促進費、人件費及び減価償却費の減少に加え、低額車コーナーの買取保証により買い取った車両の売却損の減少などから営業費用の削減が見込まれることも寄与する。なお、第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高342億7700万円(前年同期比11.6%減)、営業利益159億100万円(同11.2%減)、純利益109億4500万円(同10.5%減)だった。

■日本製鋼所 <5631>  2,619円  +226 円 (+9.4%)  本日終値

9日に決算を発表。「今期経常を43%上方修正」が好感された。

日本製鋼所 <5631> が11月9日大引け後(15:00)に決算を発表。21年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比58.2%減の50.8億円に大きく落ち込んだ。しかしながら、併せて通期の同利益を従来予想の70億円→100億円(前期は199億円)に42.9%上方修正し、減益率が64.8%減→49.8%減に縮小する見通しとなった。

⇒⇒日本製鋼所の詳しい業績推移表を見る

■島津製作所 <7701>  3,485円  +300 円 (+9.4%)  本日終値

島津製作所<7701>が大幅高スタートで4日続伸し、約10カ月ぶりに年初来高値を更新。9日の取引終了後に発表した21年3月期上期(4~9月)の連結決算で経常利益が前年同期比7.6%増の194億5900万円となり、これを好感する買いが入った。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、売上高は前年同期比4.1%減の1787億6500万円だった。一方、利益面では新型コロナウイルス検出試薬キットが業績貢献したほか、半導体製造装置向けターボ分子ポンプの販売好調や経費削減なども寄与し、増益を確保した。上期業績の好調を踏まえ、21年3月期通期の同利益予想を従来の220億円から375億円(前期比12.1%減)へ上方修正するとともに、年間配当を従来計画の26円から28円(前期は30円)に増額修正している。

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