今週の【早わかり株式市況】一時2万6000円台回復、ワクチン期待も感染者急増で伸び悩む
■今週の相場ポイント
1.日経平均は3週連続で上昇、週初の大幅高が利いて週間では上値追い継続
2.週前半は前週の地合いを引き継いで、ワクチン開発期待を背景に買われる
3.17日に日経平均は29年半ぶりとなる2万6000円大台回復を果たす
4.週半ばを境に利益確定売り優勢に、国内新型コロナ感染者数の増加を嫌気
5.週末は3日続落も、中小型株に物色人気戻り値上がり銘柄数1300弱に
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比141円(0.56%)高の2万5527円と3週連続で上昇した。29年半ぶりに一時2万6000円大台を回復する場面があった。
今週の東京市場は週初に大幅高となったが、週後半ば以降はさすがに息切れする展開となった。前半はワクチン開発期待を背景とする経済活動正常化への思惑が株価押し上げ材料となったが、その後は新型コロナウイルス感染者数急増を背景に景気への影響を懸念して利益確定売りを誘発した。
週明け16日(月)は日経平均が500円を超える上昇とリスクオンの流れが一気に強まった。米国のワクチン開発期待を背景としたリスクオン相場に追随する格好で景気敏感株を中心に買われ、朝方発表された7-9月GDPが市場予測を上回ったことも投資家心理を強気に傾けた。17日(火)も前日の余勢を駆って続伸、29年半ぶりの2万6000円台を回復したが、ここが目先の天井となった。18日(水)は利益確定売りに反落。国内でも新型コロナ感染者数の急増が確認され買い手控えムードが広がった。日経平均は一時350円強の下げとなったが大引けはやや下げ渋った。19日(木)も下値模索の展開。この日の東京都の感染者数が500人を超え連日で過去最多となったことが伝わると下げ足を強めたが、引けにかけ下げ幅を縮小した。そして、20日(金)も3連休前の週末ということもあって買い気は盛り上がらず日経平均は3日続落となった。ただし、中小型株には物色人気が戻り、値上がり銘柄数は1300弱に達し、値下がりを大きく上回っている。
■来週のポイント
10月30日から11月17日までの上げ幅は3000円を超えているだけに、来週はスピード調整から下値を探る展開になりそうだ。新型コロナウイルス感染者の急増が全国に広がっていることも重しになりそうだ。
重要イベントとしては、国内では26日発表の9月景気動向指数[確報値]が注目される。海外では24日発表の米国11月コンファレンスボード消費者信頼感指数や25日に発表される米国10月の個人所得・個人消費支出・新築住宅販売件数に注視が必要だろう。
■日々の動き(11月16日~11月20日)
【↑】 11月16日(月)―― 大幅反発、米株高受け29年ぶり高値を再び更新
日経平均 25906.93( +521.06) 売買高14億0749万株 売買代金 2兆6689億円
【↑】 11月17日(火)―― 続伸、景気敏感株が買われ2万6000円台回復
日経平均 26014.62( +107.69) 売買高13億7344万株 売買代金 2兆7284億円
【↓】 11月18日(水)―― 3日ぶり反落、米株安やコロナ感染者最多で売り優勢
日経平均 25728.14( -286.48) 売買高11億8706万株 売買代金 2兆3157億円
【↓】 11月19日(木)―― 続落、米株安や新型コロナの感染拡大を懸念
日経平均 25634.34( -93.80) 売買高13億6824万株 売買代金 2兆8636億円
【↓】 11月20日(金)―― 3日続落、3連休を前に売買手控え気分が強まる
日経平均 25527.37( -106.97) 売買高10億8896万株 売買代金 2兆2165億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、27業種が上昇
(2)国際石開帝石 <1605> 、石油資源 <1662> など鉱業が値上がり率トップ
(3)三井不 <8801> 、菱地所 <8802> など不動産業も大幅高
(4)郵船 <9101> など海運、日本製鉄 <5401> など鉄鋼といった景気敏感株も続伸
(5)東京海上 <8766> など保険、三菱UFJ <8306> など銀行といった金融株も高い
(6)オムロン <6645> など電機、ホンダ <7267> など自動車といった輸出株も堅調
(7)セブン&アイ <3382> など小売り、三菱倉 <9301> など倉庫・運輸といった内需株の一角は低調
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
1(1) 再生可能エネルギー ── 「日本版グリーンニューディール」急浮上、再生エネ関連株巡る新潮流に乗れ!
2(3) デジタルトランスフォーメーション(DX)
3(16) コロナウイルス ── 感染者急増とワクチン開発期待の綱引き
4(4) 全固体電池
5(2) 電気自動車(EV)
※カッコは前週の順位
株探ニュース