前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2020年11月26日 5時30分

■モリテック <5986>  439円 (+80円、+22.3%) ストップ高

東証1部の上昇率2位。モリテック スチール <5986> がストップ高。米国株市場ではバイデン新政権への移行をにらみ、東京市場に先駆して再生可能エネルギーや電気自動車(EV)関連など脱炭素関連銘柄に物色の矛先が向いた。特にEV大手のテスラ株に投資マネーが集中、時価総額は5000億ドルを超え、株価は上場来高値圏を走っている。「EV先進国中国でも上海株市場でEV関連株が軒並み人気化している状況にあり、これが東京市場にも伝播している」(国内ネット証券アナリスト)という。そのなか、同社は自動車向けが約70%を占める焼き入れ・板金加工の大手だが、EV向けケーブル自動巻き取り式充電スタンドを手掛けていることから、関連株として上値を見込んだ投資資金が攻勢をかけた。

■アイリック <7325>  987円 (+150円、+17.9%) ストップ高

アイリックコーポレーション <7325> [東証M]がストップ高。25日午前10時ごろ、100%子会社インフォディオのAI-OCRソリューション「スマートOCR」が、令和2年国勢調査などを対象とする「AI技術を用いた文字認識サービスの提供業務」に採用されたと発表しており、これが好材料視された。導入予定のスマートOCRシステムは、数千万枚の活字・手書き文書などをデータ化できるエンタープライズ向けシステム。今回は統計センターからの受託で、総務省統計局主管の今年実施された国勢調査などの定型帳票の手書き文字の認識に用いられる予定としている。

■ダイヤHD <6699>  1,055円 (+150円、+16.6%) ストップ高

東証1部の上昇率3位。ダイヤモンドエレクトリックホールディングス <6699> がストップ高。25日、グループ会社のダイヤモンド電機と田淵電機が、世界最高クラスの電力密度を実現したV2X(電気自動車やプラグインハイブリッド車の蓄電池を電力系統に接続して充放電する技術の一つ)対応の7.4キロワット車載充電器を開発したと発表しており、これが好材料視された。同製品により、電気自動車の蓄電池を活用した系統の安定化、災害時の非常用電源機能やピークシフト、ピークカットを実現するという。V2G(双方向充電システム)市場で先行するアメリカ市場で必要とされる製品企画UL9741にも準拠することで、電気自動車への搭載を容易にしたという。

■セキド <9878>  755円 (+100円、+15.3%) ストップ高

セキド <9878> [東証2]がストップ高。同社は関東や東北を中心にファッションの輸入ブランドの専門店を展開している。24日取引終了後、韓国の化粧品製造・販売企業であるL&P COSMETICと合弁会社を設立する(11月25日予定)ことを発表した。セキドは新コスメブランドの開発を加速させる青写真があり、今回の合弁会社設立では、日本での新コスメブランド立ち上げに意欲を示すL&P社との経営戦略上の意向が合致した。これを受け、業容拡大を期待する買いを呼び込む格好となった。

■ホーブ <1382>  1,127円 (+138円、+14.0%) 一時ストップ高

ホーブ <1382> [JQ]が続急騰、一時ストップ高。24日の取引終了後、協和化学工業(香川県坂出市)といちご品種の共同開発を行うと発表しており、これが好材料視された。ホーブはこれまで北海道で品種開発業務を行い、開発した品種は北海道や東北地方、標高の高いエリアといった冷涼な地域で栽培していたが、今回行う共同開発では、香川県内に拠点を有する協和化学の栽培施設で高温環境下での栽培に適するいちご新品種の開発を目指すという。従来の冷涼な地域だけではなく、温暖で高温環境となる地域へ栽培エリアが拡大できることで、いちご苗事業の全国展開や海外展開が図れ、また近年の猛暑環境下でも安定して生産ができる品種開発にもつながることになると見込んでいる。

■日本麻 <3306>  364円 (+24円、+7.1%)

日本製麻 <3306> [東証2]続急伸。トランプ米大統領が態度をやや軟化させ、バイデン新政権への移行が円滑に進むという見方が広がるなか、日米ともにリスクオン相場が加速した。バイデン次期大統領が合法大麻について法制度の改訂にも言及していたことから、米国株市場では“カナビス関連株”が軒並み噴き上げる格好となったが、その思惑が東京市場にも波及する可能性が出てきた。これについて、市場では「合法大麻についてはハリス次期副大統領が熱心で、バイデン氏もそれに歩調を合わせた形となっているが、いずれにしても流動性相場で物色テーマとなっていることは確か。同社は小型で足が軽く、東京市場では数少ない関連株の一角として投資マネーが動いたようだ」(準大手証券ストラテジスト)としている。

■古河池 <6937>  1,700円 (+111円、+7.0%)

東証1部の上昇率6位。古河電池 <6937> の上げ足が止まらない。25日で4日続伸となり一時280円高の1869円まで駆け上がった。前日24日は商い急増のなか、東証1部の値上がり率トップに買われたが、25日は一段と売買代金を膨らませ値上がり率でも上位に食い込む人気となった。自動車バッテリー用の蓄電池を主力とするが、その技術力の高さを生かし、産業用や航空機・宇宙開発用などにも幅広く展開する。特に親会社の古河電気工業 <5801> と共同で開発した「バイポーラ電池」は、表と裏にそれぞれ正極と負極がある電極基板を積層し、現行のリチウムイオン電池と比較して導入・運用のトータルコストを半分以下に低減することを可能としている。同製品は再生可能エネルギーの電力貯蔵用向けなどで高いニーズが見込まれ、株価を強く刺激する格好となっている。

■アステリア <3853>  1,019円 (+60円、+6.3%)

アステリア <3853> が4日ぶりに急反発。25日午前11時ごろ、開発・販売するAI搭載IoT統合エッジウェア「Gravio」について、伊藤忠テクノソリューションズ <4739> と代理店契約を締結したと発表しており、これが好材料視された。今回の代理店契約は、小売、流通業や官公庁、自治体への販路を更に拡充するのが狙い。アステリアでは、CTC経由でのGravioの導入は3年間で30社を超えると見込んでいる。

■トーヨーカネツ <6369>  2,083円 (+115円、+5.8%)

トーヨーカネツ <6369> が4連騰。24日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を50万株(発行済み株数の5.92%)、または10億円としており、取得期間は20年12月1日から21年3月24日まで。機動的な資本政策を遂行するためとしている。

■ワコム <6727>  853円 (+46円、+5.7%)

ワコム <6727> が大幅高で3連騰、今月4日につけた年初来高値835円を上回り、再び新値圏に突入した。ペンタブレットの世界トップメーカーで韓国サムスン向けなどを主力に足もとの業績は会社側の当初想定を上回って推移している。特に最近は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響からオンライン教育へのシフトが顕著であり、これがデジタルペン市場の拡大を促し同社の収益に強力な追い風となりつつある。21年3月期業績については営業利益56億円から90億円(同62%増)に大幅増額しているが、利益成長トレンドは来期も続きそうだ。

■郵船 <9101>  2,280円 (+121円、+5.6%)

海運株の物色人気が鮮明。日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> の大手3社への買いが顕著となった。米国株市場ではワクチン開発期待を背景に、景気敏感株への物色ニーズが旺盛だが、グローバル景気に左右されやすい海運セクターは見直し人気に乗りやすい。また、バイデン新政権に移行した場合、米中摩擦は緩和の方向となる可能性が高いとみられており、ばら積み船市況など中国経済と連動性の高い海運セクターにとっては追い風環境が意識される。郵船や商船三井など低PBR銘柄が多いこともバリュー株シフトの側面で有利に働いた。

■KeePer <6036>  1,958円 (+94円、+5.0%)

KeePer技研 <6036> が5日続伸。水戸証券は24日、同社株のレーティング「A」を継続するとともに、目標株価を1200円から2280円に引き上げた。同社はカーコーティング製品などの開発・製造・販売、専門店運営などを手掛けている。21年6月期の連結営業利益は16億5700万円から20億7600万円(前期比52.0%増)に増額修正されたが、コロナ禍で新車購入を控える動きがあるなかで、「愛車を清潔に、キレイに、長く乗ろう」という機運が高まっている、と分析。上方修正された今期会社計画は保守的とみており、同利益は25億円へ再増額修正されると予想している。

■サイバーリン <3683>  5,820円 (+230円、+4.1%)

サイバーリンクス <3683> は3連騰で高値街道を走る展開。食品流通や官公庁向けを主軸に基幹業務クラウドサービスを主力展開しており、菅首相が掲げる行政のデジタル化推進で商機を捉えるとの見方が強い。官公庁向けサービスでは防災行政無線デジタル化関連の需要を捉えている。電子署名や電子認証については、ある日時に特定の電子データが存在して改ざんもされていないことを証明するタイムスタンプなどの証明サービスを展開していることが、株高材料のひとつとなっている。業績も足もと絶好調で、ITクラウド事業の拡大を背景に20年12月期営業利益は前期比約2倍となる9億1500万円を予想している。

■フロンテオ <2158>  720円 (+28円、+4.1%)

FRONTEO <2158> [東証M]が大幅続伸。24日の取引終了後、11月20日付で東京都に第1種医療機器製造販売業許可申請書を提出したと発表しており、今後の事業展開への期待から買われたようだ。医療機器製造販売業は、医療機器を出荷・上市し、製品の有効性・安全性・品質の責任を負う業態で、許可を取得することにより、同社は自社で人工知能(AI)医療機器を開発・販売することが可能となる。同社は現在、共和薬品工業(大阪市北区)と世界初の会話型認知症診断支援AIの共同開発を行っており、21年からの治験開始を目指して準備を進めているが、今回の申請は同社がライフサイエンスAI分野の事業を本格化し“グローバルで通用するAI医療機器企業”となるうえで、非常に重要なプロセスとしている。

■ペプドリ <4587>  5,010円 (+160円、+3.3%)

ペプチドリーム <4587> が3日続伸。24日の取引終了後、米ヤンセンファーマ社との創薬研究開発プログラムにおいて、マイルストーンフィーを受け取ることになったと発表しており、これが好感された。同時に、ペプチド放射性医薬品に関する戦略的パートナーである米レイゼバイオ社(カリフォルニア州)から、開発の進捗に伴うマイルストーンフィーとしてレイゼバイオ社の一部株式を受け取ることになったと発表しており、これも好材料視されている。なお、いずれも金額は非開示としている。

■国際石開帝石 <1605>  607円 (+18円、+3.1%)

石油関連株が高い。国際石油開発帝石 <1605> が一時24日に比べ6%強上昇したほか、ENEOSホールディングス <5020> や出光興産 <5019> が値を上げた。24日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の1月限が前日24日比1.85ドル高の1バレル=44.91ドルと上伸。一時、45.20ドルまで上昇し3月初旬以来となる45ドル台に乗せた。新型コロナウイルスに対するワクチン開発への期待が膨らんだほか、トランプ米大統領が民主党のバイデン氏への政権移行手続き開始を容認したことで安心感が広がったことも原油相場の上昇要因となった。

■朝日インテック <7747>  3,500円 (+90円、+2.6%)

朝日インテック <7747> が続伸。24日の取引終了後、グループが製造する脳血管系ガイドワイヤー・カテーテルの米国市場への販売について、21年1月1日から米連結子会社が直接販売を行うと発表しており、これが好材料視された。同社では、脳血管系ガイドワイヤー・カテーテルの米国市場への販売について、メドトロニック社を通じて18年12月から行っていたが、直接販売により成長市場である脳血管系分野での更なる拡販、シェア獲得を進めるとしている。なお、同件による21年6月期業績予想の修正はないとしている。

■ソフトウェア <3733>  10,620円 (+220円、+2.1%)

ソフトウェア・サービス <3733> [JQ]が反発。24日の取引終了後、集計中の20年10月期単独業績について、売上高が235億円から204億9900万円(前の期比8.3%減)へ、営業利益が42億3800万円から33億6300万円(同13.1%減)へ、純利益が29億8400万円から23億5500万円(同12.8%減)へ下振れて着地したようだと発表したが、アク抜け感から買われたようだ。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、医療機関の経営が厳しさを増すなか、特に下期において医療機関が設備投資を先送りする傾向が強まり、当初見込んでいた受注が減少したことが要因。また、いったん翌期以降へ稼働を繰り越す案件が発生したことも響いた。

■Dmミックス <7354>  2,760円 (+57円、+2.1%)

ダイレクトマーケティングミックス <7354> が3日続伸。SMBC日興証券が24日付で新規に投資評価「1」、目標株価3400円でカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。同社はテレマーケティングを中心に、訪問販売やWebマーケティングなどで顧客の営業活動を支援するサービスを展開しており、新型コロナウイルス感染症を機としたニューノーマルへの転換(対面営業から非対面営業へのシフト、BCP対策としてのアウトソーシング加速、EC市場の成長加速、消費者との直接的なつながりの重要性向上など)が追い風になると評価。同証券では今後5期間の営業利益成長は年率28%と高い成長が続くと見込んでおり、今後は高い成長期待が株価に織り込まれていくとみている。

■UACJ <5741>  1,808円 (+27円、+1.5%)

UACJ <5741> が3日続伸。25日付の日本経済新聞朝刊で、「2023年3月期に海外での飲料缶に使う板材の拡販などで連結経常損益を約180億円(今期は35億円の赤字見込み)改善させる」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、米国やタイで進める生産能力の増強で、110億円程度の増益効果を見込むほか、自動車向けアルミ部材の拠点の集約や、不採算事業からの撤退によりコスト削減も図るとしている。

■住友林業 <1911>  1,916円 (+22円、+1.2%)

住友林業 <1911> が続伸。SMBC日興証券が24日付で投資評価「2」を継続し、目標株価を2000円から2200円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、コロナによる在宅時間の増加や住宅ローン金利低下を背景に、米国戸建住宅販売が力強く推移していると評価。第1四半期、第2四半期の決算発表時に会社計画は相次いで上方修正されたが、同証券では更に新計画を上回る収益が見込めると予想しており、20年12月期の営業利益予想を262億円から393億円へ、21年12月期を同582億円から675億円へ引き上げている。また、21年12月期以降も、海外事業の成長に加え、国内住宅事業の回復もあり、着実な利益成長が続くとみている。

※25日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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