【杉村富生の短期相場観測】 ─ 2020年の回顧&2021年の相場展望!
「2020年の回顧&2021年の相場展望!」
●日経平均株価は3万円台乗せを狙う!
あっという間に12月(師走)である。最近は月日の過ぎるのが速い。昔(若い頃)はもっとゆっくりだったような気がする。さて、2020年はコロナ(新型コロナウイルス)に明け、コロナに暮れようとしている。十二支(えと)がネズミ(庚子→かのえね)だけに、チョロチョロと忙しかった。2021年のエトはウシ(辛丑→かのとうし)である。
強気の猛牛だ。このタイミングで2020年相場を振り返るとともに、2021年相場を占ってみたい。長期的な視点である。 日経平均株価は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の初期段階の3月19日に、1万6358円の安値(ザラバベース)をつけている。
専門家の多くが「恐怖突入」と叫び、「地球破滅」を唱えていた人もいた。しかし、株価はそこが大底になっている。パニックは政策の母という。やはり、各国中央銀行の超低金利政策、流動性供給に加え、政府のドラスティックな財政出動が大きかったと思う。
秋口以降はファイザー、モデルナなどコロナワクチン効果が大きい。NYダウ平均は3月23日の1万8213ドルが安値だ。その後の高値は日経平均が2万6706円(11月25日)、NYダウが3万116ドル(11月24日)である。上昇率は日経平均が63.3%、NYダウが65.4%に達する。
さらに、ナスダック指数、MSCI世界株価指数、日経500種平均は一気に史上最高値を更新した。いやはや、株価面では「コロナショックって、何だったの?」といった感覚ではないか。
●ニューノーマル時代が継続する!
現状ではパンデミック第3波の襲来、これに伴う経済活動の制限、景気回復の遅れ(10-12月期はマイナス成長か)が懸念されている。しかし、ニューノーマル(新常態→低金利、低物価、低成長)時代は継続する。アメリカでは「イエレン財務長官」が財政と金融の合体政策(高圧経済構想)を断行するだろう。
ちなみに、日経平均の1株利益(EPS)は現在、1071円(実績値比2割減益)だ。これが2021年度は1607円(5割増益)、2022年度は1928円(2割増益)と試算されている。なお、世界(MSCI AC WORLD)平均のPERは19.6倍である。
この数値を単純に当てはめると、2021年の上値メドは3万1500円、2022年は同3万7800円絡みとなる。すなわち、いよいよバブル時代の高値(1989年12月29日の3万8915円)挑戦だ。今年1~10月に約9.7兆円(先物を含む)売り越した外国人は11月に入って、大幅な買い越しに転じている。
2021年は日本の強み(政治の安定、コロナ感染者数の相対的な少なさ、中国との地の利など)が評価される局面となろう。物色面ではどうか。業容一変の夢が膨らむアスコット <3264> [JQ]、2008年6月には3325円の高値がある太陽光発電関連のエヌ・ピー・シー <6255> [東証M]、ワクチン接種用注射容器(シリンジ)の国内シェア9割の不二精機 <6400> [JQ]は大きな上値が期待できる。
2020年11月27日 記
株探ニュース