【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ バイデン新政権で大テーマに育つ環境関連、中核となるかEV銘柄
「バイデン新政権で大テーマに育つ環境関連、中核となるかEV銘柄」
●29年前の悪夢再現の恐れは?
このところ私の使用頻度がもっとも高い言葉は、「今日も株が強い」だ。日に何度も胸中で呟いているし、それだけでは楽しくないので、妻の顔を見るたびに繰り返してもいる。ただ、妻の反応は私の期待に届かないが……。
しかし、それにしても強い動きだ。日経平均株価はこの原稿を書いている時点では2万6500円前後だ。11月25日には2万6706円をつけたので、いまは高値で保ち合っている状況だ。このような水準は29年半前と並ぶため、マスコミはそれを繰り返し報じているが、正直29年前の1991年はどんな年だったか覚えておられるだろうか。
私はすっかり忘れていたので調べてみたところ、1月に湾岸戦争が勃発、12月にはソ連が崩壊した。首相は海部俊樹氏、宮澤喜一氏、証券界では4大証券による巨額損失補填が発覚し、私も激怒した記憶がある。
内外で衝撃的な出来事もあっただけに株価は下落を続けてしまい、日経平均は92年8月には1万4194円まで駄々下がりになってしまった。
「株探」でコラムを執筆しておられる富田隆弥氏が作成された、当時のチャートが私の手元に残っていて、それを見るとその頃の難局を思い出し、「よく生き残れたものだ」と感慨深い。しかし、ここで懐古心に浸っているつもりはない。
もちろん、問題は今後になる。29年半前は2万6700円台をつけたあと急落してしまったのだから、同じことが繰り返されたら大変なことになる。この点、どうなのか。
心配無用だ。29年半前の2万6700円台は市場が下落基調にあった時の水準だ。しかし、いまは上昇途中のそれ。市場のトレンドがまったく逆になっているのだ。この場合、続伸する確率が高くなる。では、どんな銘柄に投資を?
●EV関連はモーター銘柄で攻略
現在の市場は米国の次期バイデン政権が積極的に推進すると考えられている環境政策に大いに期待しているのはご承知の通りだ。この政策が優れている点は、反対が出にくい点だ。環境のためとなれば、誰だって賛成することになる。
それを投資の観点から見ると、テーマの継続性が長いことにもつながるので、関連株は年内だけでなく2021年も上昇を続ける可能性が高いと見てよい。
そこで関連株だが、悩ましいことに多くがすでに走りはじめている。私が中核に据えているのは電気自動車(EV)用モーターを展開している日本電産 <6594> 。これまで幾度も取り上げているが、押し目が入ったらまだ投資可能ゾーンにあるといえる。
EVの命はモーターと電池だからだ。しかし、これらを投資対象とする場合、電池関連株は非常に多く、ターゲットを絞りにくい。
それに対して比較的銘柄が少なく、対象を絞りやすいのがモーター関連株になる。となると、これまた急騰中ながら、モーターの中軸部品となるモーターコアに強い三井ハイテック <6966> も押し目を待ちたい銘柄になる。
モーターメーカーは日本電産だけではない。マブチモーター <6592> もあるので忘れないようにしたい。
小学校の理科の時間でモーターを作ったことがある人は思い出していただきたい。モーターにはコイルが使われていた。それを巻く機械を製造しているのはNITTOKU <6145> [JQ]。当然、株は魅力的だ。
同業の小田原エンジニアリング <6149> [JQ]も一服待ちでよい。
現在はロボット用に使われているサーボモーターに強い安川電機 <6506> も、今後はEV用にも進出する可能性が高いと考えてよく、これまた浅い押し目(私の表現ではちょい下げ)を狙いたい。
2020年11月27日 記
株探ニュース