鈴木英之氏【日経平均2万7000円乗せなるか、年末年始相場の行方は】 <相場観特集>

特集
2020年12月7日 18時30分

―NYダウは3万ドル時代に、サンタクロース・ラリーに期待―

7日の日経平均株価は前週末に比べ203円安と続落。11月の大幅高もあり、高値圏では売り物が先行している。とはいえ、NYダウは3万ドル台に乗せ上昇基調を強めており、1月にかけ株価が上昇する「サンタクロース・ラリー」への期待も強まる。東京市場も日経平均株価は2万7000円乗せを意識する状況にある。年末・年始に向けた株式市場の行方に関して、SBI証券投資調査部長の鈴木英之氏に聞いた。

●「高値圏の一進一退も、チャート上の節目に差し掛かる」

鈴木英之氏(SBI証券 投資調査部長)

11月の日経平均株価は前月比で15%高と26年ぶりの上昇率となった。全体相場の基本的なトレンドは、上昇基調だとみているが、目先はチャート上の重要な節目に差し掛かっていると思う。黄金分割に相当する最高値からバブル後、最安値までの下げ幅の61.8%戻しの水準となる2万6745円のほか、心理的節目の2万7000円、そして1991年3月の高値2万7146円にも接近している。

このため、ここからは戻り売りが出やすい局面も予想される。年末・年始を含めた来年1月いっぱいまでの、日経平均株価の予想レンジは2万6000~2万7500円前後と高値圏での一進一退の相場を見込んでいる。特に、年末・年始が近づき市場参加者が限られ商いが細るなか、為替相場が円高に振れるようなことが警戒される。

また、日経平均株価は29年ぶりの高値圏に上昇しているが、その一方でTOPIX(東証株価指数)の出遅れが顕著になっている。今後、TOPIXのウエート比率が高いバリュー株などの見直し機運が高まるかどうかが、大きなポイントとなるだろう。ただ、全体相場は先物の動向に左右される面が少なくない。このため、日経平均株価はTOPIXに対して優勢な状況は続く可能性はあるとみている。日経平均採用の品薄銘柄などは、好パフォーマンスが期待できるかもしれない。

個別のテーマでは、ウエストホールディングス <1407> [JQ]のような再生可能エネルギー関連株やデンソー <6902> やニチコン <6996> のような電気自動車(EV)関連銘柄などが注目されると思う。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(すずき・ひでゆき)

早稲田大学卒。リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資調査部長に。モーニングスター株式会社(投資調査部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て2009年5月より現職。ラジオ日経、ストックボイス等で相場解説を行っている。

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