【杉村富生の短期相場観測】 ─ 史上最高値奪回が視野に入った辛丑相場!
「史上最高値奪回が視野に入った辛丑相場!」
●早急なコロナワクチン接種が不可欠!
新型コロナウイルスの感染者数が激増している。感染予防のためには“密”を避けるとともに、体調管理(免疫力を高める)が不可欠だろう。それと同時に、ファイザー・ビオンテック連合、モデルナなどのコロナワクチンの早期投入(接種)が求められる。
ファイザー・ビオンテック連合のコロナワクチンはマイナス70度での保管が必要だ。さらに、有効期限は工場での密閉(専用箱に収納→1000~5000回分)後、10日間とされている。箱を空けるのは1日2回、時間は各3分などと厳しい“注文”がついている。病院の負担はかなりのものになろう。
当然、コールドチェーンの整備が不可欠となる。その点、日本にはマイナス60度のマグロ冷凍庫(マイナス70度にするのは容易)がある。ツインバード工業 <6897> [東証2]はマイナス80度までの冷凍技術(すでにアメリカのベンチャー企業グローバル・クーリングに冷蔵容器を出荷)を有する。
接種は2回行う。1回目のあと、21日あけることになっている。大量の冷蔵容器が必要になるし、ワクチン接種用の注射器は日本だけで2.6億本、アメリカでは7億~8億本の需要が発生するらしい。不二精機 <6400> [JQ]は注射容器(シリンジ)製造用の金型では国内シェア9割を誇る。
ワイエイシイホールディングス <6298> は2023年5月に創業50周年を迎える。会社側(ホームページ)の説明によると、23年3月期決算で最高益の達成に挑戦するという。ちなみに、最高純利益は14年3月期の22億2900万円だ。これをクリアすると、1株利益は200円を超える。いや~、すごい話じゃないか。
●12月中旬以降はやや波乱含みの展開に!
全般相場については年末特有の荒っぽい展開(ペッタン、ペッタンのもちつき相場)になる、と考えている。12月21日にはテスラのS&P500指数採用が行われる。時価総額約50兆円の大物だけに、ポートフォリオ入れ替えに伴う混乱がNYダウ平均、ナスダック指数ともに生じるだろう。
日本市場では12月15日以降、26社のIPOが予定されている。立会日数は11日だ。ちょうど1日2社のペースである。恐らく、払込資金、購入資金捻出のための換金売りが出るだろう。マザーズ市場、ジャスダック市場は値動きが悪くなる可能性がある。
一方、全固体電池の三櫻工業 <6584> 、再生可能エネルギーのレノバ <9519> 、ウエストホールディングス <1407> [JQ]などはフィーバーを演じるだろう。
もちろん、21年(辛丑)相場は日経平均株価が3万円の大台を突破、2000年以降では小泉郵政解散相場(05年8月~)、アベノミクス相場(12年12月~)に続く3回目の菅政権歓迎相場(20年10月~)が始まる、と考えている。年後半には3万8915円(1989年12月29日の史上最高値)が意識されてくると思う。
すでに、NYダウ、ナスダックはもちろんのこと、日経500種平均はバブル時代の高値を奪回、MSCI世界株価指数は最高値を更新中だ。日本株は世界景気の回復局面に強い。11月以降、買い越しに転じた外国人はその特性を十分に理解している。
2020年12月11日 記
株探ニュース