5年で億り人達成につなげた4つの勝ちパターンとは?
すご腕投資家に聞く「銘柄選び」の技 順張りのリバモさん。の場合~第2回
登場する銘柄
FAST FITNESS JAPAN<7092>、良品計画<7453>、ピー・ビーシステムズ<4447>、名南M&A<7076>、NO.1 <3562>
自身の持病の治療にかかる高額医療費の捻出と、共働きだった妻の退職による収入減に対応するため2013年より株式投資を開始する。
かつては音楽関係の仕事をしており、投資初心者&サラリーマン投資家でありながら、値動きのよい人気銘柄に順張り投資するモメンタム投資で資産を拡大させ、いきなり5年目にして億万投資家に。
SNS(交流サイト)などの書き込みを基に、トレンドの変化やブームの兆しを読み取ることが得意で、短期の大化け株を次々とゲットすることに成功。
これまでは主にチャートの動きを見て売買判断を下していたが、最近は相場環境の変化に対応しつつ、中長期のファンダメンタルズ投資のウエートも高め中。自身も変化させて進化を追求する姿勢が、勝利を呼び込んでいる。
第1回目「3000万円の難病治療費も楽々カバー、「トレンド先読み×モメンタム」の勝ち技」を読む
「考えるな、感じろ」
株式投資を始めてわずか5年で億万投資家にスピード出世した、順張りのリバモさん。(ハンドルネーム、以下、リバモさん)の儲けてきた極意を端的に表現すると冒頭のフレーズになる。
前回紹介したように、リバモさんは込み入った分析や緻密なスクリーニングは、一切しないで銘柄を選んできたといって過言ではない。ただひたすら、これが次に来るだろう「感じた」ものを、選んできた。
「来る」とは、いずれ皆が注目して、株価に勢い(モメンタム)が出ることを期待するのと同義。つまりモメンタム投資がリバモ流だ。
これまで、「すご腕」シリーズに登場してきた億トレさんは、業績動向を確認したり、「PER(株価収益率)10%以下」など自分なりに決めたスクリーニングのルールを用いたり、自身で店舗などの現場に足を運んだりするといった、ファンダメンタルズ分析をしっかりこなすタイプが多かった。
こうした株式投資の王道を歩む人が多い中では、リバモさんは異色の存在となるだろう。では、なぜ王道ではない道を歩んだのか?
「今、この瞬間を逃せば後悔することになる」を優先
そこには、悠長に時間をかけてはいられない、という時間感覚が影響している。初回の記事でも触れたが、リバモさんは生まれつき病弱で、長く難病の治療を続けてきた。
こうした人生を歩む中で、「今、この瞬間を逃せば後悔することになる」という思考法が根付いてきた。
そこから株式投資では「あれこれ考えていると判断が遅れて、その間に株価が上がってしまう」と瞬間で決断するスタイルを取っている。乗りたい電車が出発してしまうなら、とにかく電車に飛び乗って、乗った後でどうすべきかを考えているのだ。
とはいえ、目の前に来た全ての電車にかたっぱしから飛び乗るわけではない。どれを見送り、どれに乗るのかについては、ある程度の判断材料は必要になる
それがどんなものなのか、リバモさんの成功体験を聞くうちに、4つのパターンに分かれることも見えてきた。2回目以降は、これらパターンを分解しながら、リターンを勝ち取る秘訣を探っていく。
4つのパターンの飛び乗 り型で有望株をゲット
まったくの素人時代のリバモさんも、経験を積み億トレの称号を得た今でも、リバモさんが重宝にしているのが、参考になる他人の声だ。
わからないことは、それに精通した人の意見を聞くのが一番と、「聞く耳」の感度を研ぎ澄ます努力を積み重ねてきた。
2013年に投資を始めた"ど素人"時代はYahoo!ファイナンスの株式の「掲示板」の書き込みを熱心に読み込んだ。
仕事の合間や通勤時間を使い、1日に3~5時間もかけてそれらを熟読し、自宅では浴室にタブレットを持ち込み、入浴しながらの情報収集も続けてきたほどの熱の入れようだったことは既に紹介している。
このやり方で磨いてきた銘柄選別および投資スタイルは、先に触れたように4つのパターンに分かれる。
それは、
Ⅰ 主にSNS(交流サイト)の書き込みなどを情報源とした流行銘柄への短期の飛び
乗り型
Ⅱ 身近な人たちのリアルな「いいね、いいね」の声を参考に、時流に合った銘柄への
飛び乗り型
Ⅲ ニッチな部分に目を向けた地方銘柄発掘型
Ⅳ 中長期視野でファンダメンタルズの視点も取り入れ、20~30年規模のグレートグ
ロースが期待できる銘柄への先回り型
―― だ。
パターンⅠで、最近のIPO銘柄を短期売買
パターンⅠのSNS短期飛び乗りは、1回目記事で紹介した、13年末から14年初頭にかけて手掛けた日本マイクロニクス、<6871>、15年前半に成功させたガーラ<4777>などが成功例だ。両銘柄とも、短期の急騰局面に上手く飛び乗り、そこで大きなリターンをゲットした。
ごく最近の話では、12月16日にマザーズにIPO(新規株式公開)したばかりのフィットネス運営のFAST FITNESS JAPAN<7092>がある。投資家仲間やSNSの情報には「これは行けそう」という声が多く、上場当日に飛び乗り。その後は、18日と21日に全保有分を利益確定し、短期の上昇の波をさらった。
■FAST FITNESS JAPAN<7092>の日足チャート(20年12月16日~)
注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同
パターンⅡで、今年5~6月に良品計画<7453>を売買
パターンⅡの「身近な人の声を利用する」のは、Ⅰの応用系で本人曰く「ここ最近はこのパターンが一番多い」という。
前回記事でも触れたが、ツイッターのコメントも以前に比べると、信頼性が落ちていると感じ始めていることが、背景にある。まったく見ず知らずの人の"フェイク発言"に翻弄されるのを防ぐため、信頼がおけそうな人の意見を参考にするように努めている
このパターンで取引した最近の例では、今年の5~6月に手掛けた良品計画<7453>がある。
同社は衣料、雑貨に加えて、一部食料品も扱う、おなじみの「無印良品」を展開する企業。リバモさんの身近にいる投資家ではない生活者が、無印良品の商品をユーザーとして評価する声を複数聞いたことを手掛かりに、投資に至る。
結果、規模は大きくはないが、1カ月程度のうちに約30%分の株価上昇をさらった。
■良品計画<7453>の日足チャート(20年3~8月)
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。