前場に注目すべき3つのポイント~脱炭素など来年の相場を意識した押し目買いの流れ

市況
2020年12月28日 8時40分

28日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:脱炭素など来年の相場を意識した押し目買いの流れ

■ニトリHD、3Q営業利益40.3%増 1185億円

■前場の注目材料:デンソー、35年に「排出ゼロ」、回収・再利用の事業化視野

■脱炭素など来年の相場を意識した押し目買いの流れ

28日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開が続きそうである。25日の米国市場はクリスマスの祝日で休場だった。欧米市場の多くがクリスマスの祝日で休場だったこともあり、手掛かり材料にかける状況である。休場明けによる海外勢の資金流入が見込まれるものの、ボリュームはそれ程大きくないだろう。

また、新型コロナウイルスの感染拡大のなか、国内においても変異種が確認され、政府は28日から1月末までの間、全ての国・地域からの外国人の新規入国を拒否すると発表した。日本人と在留資格を持つ外国人が短期出張して帰国・再入国した場合に認められていた14日間の待機緩和も認めないと伝わっており、経済活動の停滞が嫌気されそうである。一方で、ドイツは26日に新型コロナワクチン接種を1日早めて開始するなど、欧州連合(EU)加盟国ではワクチン接種を開始したと伝わっており、先行きの経済正常化への期待感などとの好悪材料が混在する。

また、米国では追加経済対策法案においては民主党のペロシ下院議長が28日に新しい法案の採決を行う方針と伝わっている。28日深夜までにトランプ氏が法案に署名しない場合、現行の暫定予算が切れることになり連邦政府機関は29日から一部閉鎖となる可能性があるため、これを回避できるかを見極めたいところでもある。トランプ大統領が署名し成立すれば市場は好材料視する可能性があるため、結果待ちといったところであろう。

物色の流れは年末要因から個人主体の材料株物色に向かいやすいところであろうが、IPOラッシュの中でIPO銘柄に資金が集中する流れとなり、他のテーマ株などは利益確定の流れが続いている。また、IPO銘柄についても上場後は軟調な値動きをみせる銘柄も多く、手掛けづらさが目立っている。一方で税金対策に伴う損益通算の売りが一巡していると考えられる。そのため、足元で調整しているテーマ株へは来年の相場を意識した押し目買いの流れもみられそうである。テーマとしては脱炭素がメインとなり、それに関連する省エネテーマといったところであろう。

■ニトリHD、3Q営業利益40.3%増 1185億円

ニトリHD<9843>が発表した第3四半期業績は、売上高が前年同期比12.2%増の5401.46億円、営業利益は同40.3%増の1185.44億円だった。コンセンサス(1150億円程度)の範囲内であろう。「Nインボックス」や「Nカラボ」シリーズなどの収納用品やキッチン・ダイニング用品、パソコンデスクや椅子など幅広い商品の売れ行きが良好だった。

■前場の注目材料

・12月決算銘柄の配当と優待の権利取り

・日銀のETF購入

・米経済対策への期待

・海外のコロナ向けワクチン接種開始

・デンソー<6902>35年に「排出ゼロ」、回収・再利用の事業化視野

・りそなHD<8308>融資姿勢改定、環境負荷事業に融資せず

・シャープ<6753>調査委設置、子会社で不適切会計の疑い

・出光興産<5019>ライオンとの折半出資会社を連結子会社化

・関西電<9503>中間貯蔵施設計画で福井県に陳謝、年内説明できず

・東芝<6502>米ファラロン、臨時株主総会開催を要求

・日本特殊陶業<5334>4月に社内カンパニー制へ移行

・スタンレー電気<6923>三菱電と、車載用ランプで提携、安全性・機能性を両立

・ブリヂストン<5108>著作権侵害訴訟、中国企業と和解が成立

・住友理工<5191>セル用ガスケットをミライに継続供給

・千代化建<6366>塩野義から受注、コロナワクチン原薬工場

・NTN<6472>ドバイに販社、中東・アフリカ営業拡充

・京セラ<6971>設備投資最大、来期1500億円、5G関連増産

☆前場のイベントスケジュール

<国内>

・08:50 11月鉱工業生産速報値(前月比予想:+1.2%、10月:+4.0%)

<海外>

・休場:豪、NZ、英、カナダ(ボクシングデー振替休日)

《ST》

提供:フィスコ

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