前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

注目
2020年12月30日 5時20分

■大日本住友 <4506>  1,506円 (+213円、+16.5%)

東証1部の上昇率トップ。大日本住友製薬 <4506> が急騰。28日の取引終了後、米連結子会社マイオバント・サイエンシズ・リミテッドが、米ファイザー社とゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体阻害剤「レルゴリクス」について、がん領域および婦人科領域における北米での共同開発及び共同販売に関する契約を締結したことを発表しており、これが好感された。同契約に基づき、マイオバント社はファイザー社に対し、北米における成人の進行性前立腺がんを適応症としたレルゴリクス単剤(製品名オルゴビクス)と、子宮筋腫及び子宮内膜症を対象として開発中のレルゴリクス配合剤の開発及び販売を共同で行う権利を許諾したという。また、マイオバント社はファイザー社に対し、がん領域における北米と一部のアジアを除く地域でのレルゴリクスの販売に関する独占的なオプション権も許諾している。これに伴い、マイオバント社はファイザー社から契約一時金6億5000万ドル(約670億円)を受領するのをはじめ総額で最大42億ドル(約4350億円)を受け取る可能性があるとしている。また、ファイザー社ががん領域における北米と一部のアジアを除く地域でのレルゴリクスの販売に関するオプション権を行使した場合、マイオバント社はファイザー社から5000万ドル(約50億円)を受領し、売上収益に対して2ケタ台のロイヤルティーを受け取るとしている。

■GDH <4437>  1,114円 (+150円、+15.6%) ストップ高

gooddaysホールディングス <4437> [東証M]がストップ高の1114円に買われた。28日の取引終了後、コクヨ <7984> と資本・業務提携すると発表しており、これが好感された。シェアオフィス分野で非接触オフィスなどの新たなオフィスのあり方やリモートの働き方に資する施策を推進するGDHと、オフィス空間デザインやオフィス家具の製造・販売のリーディングカンパニーであるコクヨの両社が有する経営資源やノウハウを生かして共同事業運営などで連携し、収益向上と企業価値の向上を図るのが狙い。資本面ではコクヨが、池田泉州キャピタルが保有するGDH株式3万6000株(議決権比率1.09%)を市場外での相対取引により取得するという。なお、両社ともに今期業績への影響は軽微としている。

■F&M <4771>  1,566円 (+106円、+7.3%)

エフアンドエム <4771> [JQ]が急反発。29日付の日本経済新聞朝刊で売上高100億円以下の上場企業「NEXT1000」を対象に、20年4-9月期の投資キャッシュフローと研究開発費の合計額が大きいランキングを発表。なかで4位にランキングされていることが好材料視されたようだ。記事によると「新型コロナウイルス対策のテレワーク導入にあわせ、人事部門の業務をIT(情報技術)化する動きが追い風になっている。この3~4ヵ月で有料顧客は毎月1000件ほど増えているという」と足もとの好調もうかがえる。また、2位にランキングされたドラフト <5070> [東証M]も大幅高となった。

■三陽商 <8011>  596円 (+39円、+7.0%)

三陽商会 <8011> が急反発。28日に発表された第3四半期(9-11月)の連結営業損益は10億7300万円の赤字と第2四半期(6-8月)の28億6200万円の赤字に比べ損失額が縮小したことが好感された。不採算店舗の閉鎖などが収益に寄与した。ただ、21年2月通期の同損益は85億円の赤字と業績低迷が続く見通し。同社の株価は連結PBR0.2倍の水準にあり「29日は値頃感からの買いも入った」(市場関係者)との見方が出ていた。

■パイプドHD <3919>  1,612円 (+103円、+6.8%)

パイプドHD <3919> が3日ぶりに急反発。28日の取引終了後、21年2月期の連結業績予想について、最終利益を7~8億円から9~10億円(前期比30.8~45.3%増)へ上方修正したことが好感された。米スプリンクラー社株式の売却に伴い、投資有価証券売却益2億9300万円を計上することが要因としている。なお、同時に発表した第3四半期累計(3-11月)決算は、売上高45億6900万円(前年同期比1.4%増)、営業利益8億2100万円(同9.6%減)、最終利益7億6800万円(同31.1%増)だった。

■中国工 <5974>  936円 (+56円、+6.4%) 一時ストップ高

中国工業 <5974> [東証2]が続急伸、一時ストップ高。東京証券取引所が29日売買分から、信用取引による新規の売付け及び買付けに係る委託保証金率を50%以上(うち現金20%以上)とする信用取引の臨時措置を解除したほか、日本証券金融も同日付で貸借取引銘柄別増担保金徴収措置を解除すると発表しており、売買の自由度が増すとの見方から買いが入った。

■日経レバ <1570>  29,190円 (+1,600円、+5.8%)

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 <1570> [東証E]が大幅高で5連騰。一時1620円高の2万9210円まで上値を伸ばし、上場来高値を更新した。29日の東京株式市場では、28日の米株市場でNYダウ、ナスダック総合指数など主要株指数が揃って過去最高値を更新したことを受け、先物を絡めたインデックス買いが入り日経平均が700円を超える上昇をみせた。日経レバは日経平均に連動するETFで変動率が2倍に基本設定されていることから、全体相場が大きく強気に傾くと、個人投資家など短期値幅取りを狙った資金が流入する傾向が強い。ただ、個人投資家は足もとで反動安を見込む向きが多く、信用買い残を売り残が大きく上回り、直近信用倍率は0.74倍と売り長状態となっており、買い戻しを誘発する状況にある。

■天昇電 <6776>  559円 (+28円、+5.3%)

天昇電気工業 <6776> [東証2]が大幅続伸。東京証券取引所が29日売買分から、信用取引による新規の売付け及び買付けに係る委託保証金率を50%以上(うち現金20%以上)とする信用取引の臨時措置を解除したほか、日本証券金融も同日付で貸借取引銘柄別増担保金徴収措置を解除すると発表しており、売買の自由度が増すとの見方から買いが入った。

■FFRI <3692>  2,269円 (+109円、+5.1%)

FFRIセキュリティ <3692> [東証M]、ラック <3857> [JQ]、デジタルアーツ <2326> 、イー・ガーディアン <6050> 、テリロジー <3356> [JQ]などサイバーセキュリティー関連株が一斉高に買われた。米国では民間企業だけではなく政府機関などが大規模なサイバー攻撃を受け、強い警戒態勢にある。米株市場ではサイバー攻撃への対応でセキュリティー関連株が脚光を浴びており、東京市場でもこの流れが波及する形に。菅政権では行政のデジタル化推進を掲げているが、その際にはサイバー攻撃への対策が必須となるだけに、株式市場でも投資テーマとして意識されている。

■三菱重 <7011>  3,194円 (+148円、+4.9%)

三菱重工業 <7011> が大幅高で4日続伸。29日付の日本経済新聞朝刊で「米電力大手のエンタジー・コーポレーション(ルイジアナ州)と組み、米国で水素の製造や貯蔵、利用に関する共同研究に乗り出す」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、水素を使ってCO2の排出を減らす火力発電システムなどの開発につなげるのが狙いという。協業するエンタジー社は米国南部のテキサス州など4州で、電力供給や小売りを手掛けているという。

■エムスリー <2413>  9,874円 (+450円、+4.8%)

エムスリー <2413> が大幅続伸、一時466円高の9890円まで買われ、今月1日につけた上場来高値9900円を視界に捉えるとともに、株式分割後初となる1万円大台乗せを意識する段階に入った。医薬情報サービスや医療従事者向け会員制サイトを展開、製薬会社のマーケティング支援ビジネスで大幅増収増益トレンドをまい進する。株価も同社の収益成長スピードを評価する形で一貫した上昇トレンドを形成、年初の株価は3200円台だったが、1年間で3倍以上に変貌した。時価総額は6兆6000億円となり、これは医薬品業界国内トップの武田薬品工業 <4502> を上回り、2000社をこえる東証1部のなかでも第15位にランキングされている。筆頭株主のソニー <6758> とは新型コロナウイルスの診断支援サービスなどで連携しているほか、オンライン診療ではLINEなどとも協業しており、今後の展開力にも期待が大きい。

■ラクオリア <4579>  999円 (+46円、+4.8%)

ラクオリア創薬 <4579> [JQG]が大幅高で3日ぶりに反発。28日の取引終了後、20年12月期の連結営業損益を2億6000万円の赤字から7億5300万円の赤字(前期1500万円の赤字)へ下方修正した一方、22年12月期を最終年度とする中期経営計画の目標数値を営業利益で20億6000万円から21億5400万円へ上方修正したことが好感された。20年12月期の下方修正は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受けた経済活動の停滞や国内外の移動制限、臨床試験施設の閉鎖などで、胃食道逆流症治療薬テゴプラザンの日本での開発にかかわる協議は進捗したものの年内の成約には至らず、来期以降に持ち越されたことに加え、提携先企業におけるイオンチャネル創薬プログラムにかかわる臨床試験の一部や導出交渉も新型コロナウイルス感染症の影響を受けて後ずれしたことが要因。一方、22年12月期については、上市品の伸長と契約関連の収入などを見込むとしている。

■SBG <9984>  8,055円 (+349円、+4.5%)

ソフトバンクグループ <9984> が続伸したほか、ファーストリテイリング <9983> が3900円を超える上昇で4連騰。市場では「両銘柄とも特にこのタイミングで買われる材料はなく、ソフトバンクGについては支援先の米保険会社が前日28日の米株市場で急落するなどネガティブ材料の方が目立つ状況だが、足もとの相場ではあまり関係なくなっている。先物への大口の買いが入り、これに絡む裁定買いが日経平均寄与度の高い両銘柄の株高に反映されている」(国内ネット証券大手)という。ファーストリテについては11月17日につけた8万8630円を大きく上回り上場来高値を更新した。

■川崎汽 <9107>  2,070円 (+67円、+3.3%)

川崎汽船 <9107> が大幅反発。28日の取引終了後、第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益が約400億円になりそうだと発表しており、これが好感された。旺盛な貨物需要に伴い、海運大手3社が共同出資する持ち分法適用関連会社オーシャン・ネットワーク・エクスプレス社が運営するコンテナ船事業が想定を大幅に上回っていることが要因としている。また、21年3月期通期業績予想(経常利益収支均衡)も上方修正する見込みとしている。

※29日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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