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「5秒で決断」「早すぎる利確 & 逃げ遅れを防止」の技を磨くPDCA

特集
2021年1月15日 10時00分

すご腕投資家に聞く「銘柄選び」の技 順張りのリバモさん。の場合~第3回

登場する銘柄

日創プロニティ<3440>、日本マイクロニクス<6871>、FAST FITNESS JAPAN<7092>

文・イラスト/福島由恵(ライター)、編集・構成/真弓重孝(株探編集部)

順張りのリバモさん。(ハンドルネーム・50代・男性)のプロフィール:
リバモさん自身の持病の治療にかかる高額医療費の捻出と、共働きだった妻の退職による収入減に対応するため2013年より株式投資を開始する。
かつては音楽関係の仕事をしており、投資初心者&サラリーマン投資家でありながら、値動きのよい人気銘柄に順張り投資するモメンタム投資で資産を拡大させ、いきなり5年目にして億万投資家に。
SNS(交流サイト)などの書き込みを基に、トレンドの変化やブームの兆しを読み取ることが得意で、短期の大化け株を次々とゲットすることに成功。
これまでは主にチャートの動きを見て売買判断を下していたが、最近は相場環境の変化に対応しつつ、中長期のファンダメンタルズ投資のウエートも高め中。自身も変化させて進化を追求する姿勢が、勝利を呼び込んでいる。

第1回目「3000万円の難病治療費も楽々カバー、「トレンド先読み×モメンタム」の勝ち技」を読む

第2回目「5年で億り人達成につなげた4つの勝ちパターンとは?」を読む

今回登場中の順張りのリバモさん。(ハンドルネーム、以下、リバモさん)は、世の中のトレンドを先読みし、株価上昇の勢い(モメンタム)にサクサク乗っていく順張り投資で、わずか5年で億トレに駆け上がった人。

「考えるな、感じろ」がモットーで、独特の「感性」でこれから来そうなものを見極め、リターンを手にしてきた。こう紹介すると、「天才肌の人だからできること」「再現性がない技だ」と、感じてしまうかもしれないが、それは誤解になる。

鋭い感性を備えや俊敏な判断ができるようになったのは、リバモさんなりに試行錯誤を繰り返し、より精度を上げるよう取り組んできた結果なのだ。先天的な能力がすべてではなく、努力によって後天的に獲得したメソッドが大きく影響している

今回の記事では、どのようにして「リバモ・メソッド」を磨いてきたのか、そのコツを探るべく、今年に入って大きく株価を伸ばしている日創プロニティ<3440>の具体例などを追いつつ見ていこう。

常にPDCAサイクルを回して投資眼を鍛え上げる

「これは !」 と思った銘柄があれば、その5秒後には発注ボタンを押すことも多いというリバモさん。この素早い判断の背後には、日々取り組んでいるあるルーティンがある。

それは、P(PLAN=計画)→D(DO=実行)→C(CHECK=評価)→A(ACTION=改善)のサイクルを回すこと。

まず計画や見通しを立て、それに向かって行動し、そして自分のとった行動が適切なのかを常に考え、検証し、適切でなければ改善策を探る。

その時々で考えて行動したことが、単なる行き当たりばったりの単発的なものとして終わらないよう、いつも次なる改善へとつなげるよう努めている。

4つを投資法に当てはめると、

P(計画)では、ネットの書き込み、人々の評判などから、自分なりに「こうなるのでは」との仮説を立てる

D(実行)では、早速、打診買いへ

C(評価)では、株価の変化を観察、これと同時にさらにネットでの人々の評判に注目し、自分の仮説が正しいかを検証

A(改善)では、Cが正しく進めば買い増し、進まなければ保有分の一部を手仕舞ってスリム化させ、次のプラス材料を待つ、あるいは何がおかしかったのか考え直して改善

―― のプロセスを踏む。

このサイクルには大小の2つがある。

「小さい」PDCAは、1つの銘柄の中で回す。

「大きい」PDCAは、銘柄をまたいで長い期間を経て回す。

このように、タイプと時間軸の違うPDCAを存在させ、それらを同時に「千本ノック」並みのひっきりなしの状態で回しているのだという。

■リバモさんが習慣化するPDCAサイクル

【タイトル】

日創プロニティは、鉄板テーマであることに注目

まず小さいPDCAについて見てみよう。ごく最近買い出動し、現在も保有中の日創プロニティ<3440>の投資例に当てはめると次のようになる。

同社は、金属加工メーカーで、メガソーラー(太陽光発電)用架台の生産が主力ビジネスとなる。最近注目されている旬のテーマ「再生可能エネルギー」の関連銘柄の1つだ。

株価は昨年末まで、出来高とともにさえない動きが続いていたが、今年になって火が付いたように急騰。1月8日時点では、昨年末の終値の820円からわずか5営業日で取引時間中の価格では1350円まで駆け上がり、65%も上昇する急成長ぶりを見せている。

リバモさんは、この動きに初動から乗ることができた。その勝因は、P(計画)で、まず、投資家仲間内で日創プロニティが話題になり始めたことに着目したことだ。

同時に、かつて自身で投資眼を磨くために閲覧していたYahoo ! ファイナンスの掲示板の書き込みで、同社が8年ほど前に株価がテンバガー(10倍株)を達成して話題になっていたことを思い出した。

そして、2019年7月に、福岡証券取引所「Q-Board」から東証2部市場上場および福証の本則市場に上場変更したことも注目。「今後、東証1部昇格に向けて業績を伸ばす可能性もある」と、期待感が膨らんでいく。

「みんなが気付けば長期上昇」と見込む

今後、株価が大きく上昇する可能性については、以下の4点をプラス要素として見た。

① チャート上では、リバモさんが初購入した12月28日の直前の3営業日、3日連続で陽線(始値より終値が高い状態)が立ち、出来高も増え始めている
PBR(株価純資産倍率)は1倍以下、PER(株価収益率)は10倍前後で一般的に言われる割安状態
現金比率も順調に高まっていて、財務は良好
米国では「再生可能エネルギー」に今後力を入れていくと主張するバイデン氏の次期大統領就任が決まり、これに関連した内容は鉄板テーマとして期待され、同社もその関連銘柄の1つ

―― となる。 

これらの要素から、「同社は関連銘柄としてはやや出遅れ気味だが、認知度が上がれば一気に株価が上がるだろう」というシナリオを立てた。

D(実行)のステップでは、12月28日に初回の買い出動へ。

この後、年末の大納会にかけて、特に個人投資家が好むマザーズなど新興市場の銘柄が、全体としては「前場は高く始まるのに、後場に勢いがパワーダウンしやすい」という傾向が感じられていた中で、同社株は毎日小幅ながらも陽線を立てて耐えていた点に注目していた。

同社だけが我道を歩んでいるのには、「国内の個人投資家は『株価下落のリスクを抱えながら年末年始を過ごしたくない』というセンチメント(投資家心理)が漂う中で、日創プロニティ<3440>には自分以外も注目している投資家がそれなりにいる」という考えに至る。

それだけに「年明けの同社株の動きは面白くなりそう」という期待感が膨らんでいった。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

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