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2021年1月21日 17時02分
市況

明日の株式相場に向けて=5G・EV・電子部品のトライアングル物色

きょう(21日)の東京株式市場は前日の欧米株高の流れを継いでリスク選好ムードとなり、日経平均株価は233円高の2万8756円と反発した。

今週は上げたり下げたりの繰り返しで、方向感の定まらない地合いが続いているが、それでもきょうは日経平均が今月14日につけた2万8698円を上回って着地したことで、「30年5カ月ぶりの高値更新」というフレーズが復活した。バブルの余韻が残る1990年8月3日につけた高値2万9515円を更新した、というと聞こえは良いが、この時はバブル崩壊途上で全体相場は崩落トレンドにあった。ベクトルの向きが真逆であり、当時の相場を経験していない投資家がイメージする風景とはだいぶ違うはずだ。

日経平均は90年の5~7月にかけていったんリバウンドし3万3200円近辺で踊り場を形成していたが、その後は再びフリーフォール状態の下落局面に突入した。当時は89年末につけた3万8915円の大天井の残像が投資家の脳裏に残っていて、問答無用に下げ続ける相場を前に「こんなはずはない」とムキになって買い向かい玉砕するというパターンであった。今は世界的にコロナ禍の只中(ただなか)にあり、さながら「こんなはずはない」と空売りを積み上げ踏まされるという相場であり、その意味でも当時とは真逆である。

米国では紆余曲折を経てバイデン新政権が何とか離陸した。トリプルブルーとはいっても基盤は結構脆弱といえる。変異種の台頭もあり新型コロナワクチンの普及も思い描いていたシナリオとは軌道がずれる可能性はそれなりに高い。バイデン氏が強調する「団結」には遠い現状で、難しい舵取りを強いられそうだ。しかし、困難を極める環境だからゆえに過剰流動性相場が担保されるという見方もできる。今の超金融相場から業績相場へとわたる橋が見えてきたときこそが危ない。これは21年相場を見るうえで重要なポイントとなる。

きょうの相場では、直近取り上げたムトー精工<7927>がうねりを伴って上げ足を強めてきた。車載用プラスチック成型品は、車体軽量化が課題となる電気自動車(EV)へのシフトが追い風となる。同社の場合、EV進出に野心を燃やすソニー<6758>との絡みも思惑を呼ぶ。また、同じ観点から工業用樹脂部品で実績の高い三光合成<7888>の400円台も魅力がある。5G関連部品では水晶デバイス周辺に光が当たりやすく、昭和真空<6384>の1800円近辺のもみ合いは再び仕込み場として食指が動くところ。同社の筆頭株主で半導体製造装置を手掛けるアルバック<6728>と合わせてマークしておきたい。5G・EV・電子部品(半導体含む)は三つの輪が折り重なる「ベン図」のようにそれぞれがリンクして、テーマ物色も複合的になっている印象がある。

ちなみに5G対応スマートフォンの普及本格化となれば、電子部品株は一段と注目度が高まるのは必然の流れだ。業界大手の村田製作所<6981>やTDK<6762>に吹く追い風はもちろん強力だが、物色対象としてはスポットライトを浴び過ぎてやや食傷気味といえる。そのなか、意外に見落とされている銘柄としてI-PEX<6640>がある。旧社名が第一精工といえばピンとくる投資家も多いかもしれない。また、5G対応スマホでは光学薄膜装置を手掛けるオプトラン<6235>なども再評価の機が近づいているようにみえる。山王<3441>は「水素透過膜」で特許技術を有し水素関連との見方もあるが、実際に業績面へのアプローチでは5G基地局向け電子デバイスのメッキ加工で追い風が強い。

このほか、流動性に富む地合いのなかで休火山状態の材料株が相次いで目覚める気配だ。低位株ではブロードバンドタワー<3776>が5日・25日移動平均線を絡め300円台半ばでの底練りを経て鎌首をもたげてきた。瞬発力抜群のドーン<2303>にも着目したい。昨年12月下旬を境に調整を続けていたが、今週に入り静かに体勢を立て直してきた。更に、コロナ禍にあって業態的には逆風ながら不動産セクターの小型株にもアンテナを張っておくところ。首都圏の流動化案件は意外に活発で、そうした事情からか新日本建物<8893>はここ戻り足が顕著。PER5倍台で5%を超える配当利回りは相応にインパクトがある。

あすのスケジュールでは、20年12月の全国CPI、12月の食品スーパー売上高、12月の百貨店売上高など。海外では1月のユーロ圏PMI速報値、1月の米PMI速報値、12月の米中古住宅販売件数など。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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