話題株ピックアップ【夕刊】(2):三越伊勢丹、JAL、良品計画
■三越伊勢丹 <3099> 671円 +36 円 (+5.7%) 本日終値
日経平均が一時600円超の下落で2万8000円大台を割り込むなど波乱となるなか、三越伊勢丹ホールディングス<3099>が一時7%を超える上昇をみせたほか、高島屋<8233>、J.フロント リテイリング<3086>、エイチ・ツー・オー リテイリング<8242>、丸井グループ<8252>など百貨店株が軒並み高に買われる異色展開となった。三越伊勢丹については前日に20年4~12月期決算を発表しており、最終損益が347億5900万円の赤字となった。10~12月期は回復歩調をたどっているものの、足もとは2度目の緊急事態宣言が発令されており厳しい環境を強いられている。こうした状況下で21年3月期通期売上高見通しについても8150億円見通しから8000億円見通しに一段の下方修正を発表しているが、株価面ではヘッジファンドなどによる景気敏感株への買い戻しが反映されて、上値追いに拍車がかかる格好となった。
■日本航空 <9201> 1,913円 +85 円 (+4.7%) 本日終値
日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>などいずれも買い優勢の展開。全体相場は急落しているが、半導体や電子部品など主力ハイテク株中心で、これまで売り込まれた景気敏感セクターは堅調な銘柄が少なくない。空運大手2社はその最たる例で、コロナ禍で経営面ではネガティブ環境に晒されているが、株式需給面で「グロース買い・バリュー売り」のポジションを取っていたヘッジファンドのアンワインドを反映した買い戻しが入った。
■川崎汽船 <9107> 1,871円 +69 円 (+3.8%) 本日終値
川崎汽船<9107>が大幅高で4日ぶりに反発。28日付の日本経済新聞朝刊で「川崎汽船の2021年3月期通期の連結経常利益は、前期比6倍の450億円前後となりそうだ」と報じられており、これを材料視する買いが向かった。記事によると、コロナ禍からの景気回復を背景にコンテナ船の輸送量が想定以上に増え、出資するコンテナ船事業会社オーシャン・ネットワーク・エクスプレスの利益が拡大するという。損益ゼロとしていた11月時点から大幅に上振れる見通しとなり、上方修正期待が高まったようだ。
■ソースネクスト <4344> 290円 +7 円 (+2.5%) 本日終値
ソースネクスト<4344>が大幅続伸。27日の取引終了後、株主優待制度を導入すると発表しており、株主還元の強化を好感する買いが入った。基準日は毎年3月末と9月末時点で、100株以上を保有する株主を対象に、保有株数に応じた株主優待ポイント(年間2500から2万ポイント)を付与する。また、1年以上継続保有する株主には年間1500ポイントが追加される。21年3月末から開始するとしている。
■良品計画 <7453> 2,464円 +58 円 (+2.4%) 本日終値
良品計画<7453>が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は27日、同社株の目標株価を2500円から2700円に引き上げた。レーティングは「オーバーウエイト」としている。海外での販売回復が遅れ気味とみられるが、国内事業の収益改善が進むことを評価している。21年8月期の第1四半期(20年9~11月)決算は、海外事業の決算期変更などもあり正確な比較はできないが、20年2月期第3四半期(19年9~11月)比で営業利益は42.6%増となった。国内事業は販促抑制効果で増益となり、海外事業は欧米や西南アジア・アセアニアは販売不振が続くなかコスト削減に注力、東アジア事業は値引き抑制・EC販売強化に努めている。利益は、おおむね想定したペースでの回復が進んでいるとみている。
■SHOEI <7839> 4,345円 +95 円 (+2.2%) 本日終値
ヘルメット大手のSHOEI<7839>が4日続伸し、昨年来高値を更新した。同社は27日取引終了後に、21年9月期第1四半期(20年10~12月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比34.1%増の14億3100万円となり、上半期計画26億円に対する進捗率は55.0%となった。売上高は同28.9%増の57億6700万円で着地。前年末に船積みなどの関係で積み上がった在庫の販売が実現したほか、中国を中心に好調な受注が続いたことが好業績につながった。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。
■物語コーポレーション <3097> 11,530円 +210 円 (+1.9%) 本日終値
物語コーポレーション<3097>が反発、一時9.6%高の1万2410円に買われた。27日の取引終了後、21年6月期の連結業績予想について、営業利益を39億6000万円から40億2100万円(前期比32.6%増)へ、純利益を23億2700万円から28億6000万円(同6.3倍)へ上方修正しており、これが好感されたようだ。昨年の全国での緊急事態宣言が解除されて以降、来客数が当初想定よりも早い回復基調となったほか、既存業態の粗利益率の改善や社内におけるリモートシステムの活用などに伴う販売一般管理費の減少などが業績の押し上げにつながった。また、期末配当予想を35円に増額することもあわせて発表した。同社は2月28日を基準日として1株から2株への株式分割を予定しており、従来予想(50円)に比べ実質増配となる。
■沖縄セルラー電話 <9436> 4,775円 +85 円 (+1.8%) 本日終値
沖縄セルラー電話<9436>が反発し、昨年来高値を更新した。同社は27日取引終了後に、21年3月期通期の連結業績予想を修正。営業利益見通しは前期比3.8%増の145億円(従来予想は140億円)に引き上げた。営業収益は同7.3%増の730億円(従来予想は700億円)に上方修正。au通信ARPA(契約者1人当たりの売上高)の伸びや、auでんき契約件数の増加を見込んでいる。
■東洋建設 <1890> 521円 +9 円 (+1.8%) 本日終値
東洋建設<1890>が3日続伸。27日の取引終了後、21年3月期の連結経常利益を従来予想の77億円から107億円へ上方修正すると発表。従来の16.0%減益予想から一転して16.7%増益を見込み、3期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことが好材料視された。国内建築事業における一部工事の着手遅れやコロナ禍で海外建設事業の施工中断が長期化したことにより売上高は計画を下回るものの、国内土木事業の一部大型繰り越し工事で採算が改善したことなどで利益は前回予想を上振れする見込みとなった。業績好調に伴い、期末一括配当を従来計画の12円から20円(前期は15円)へ大幅増額修正したことも評価材料となっている。
■ブルボン <2208> 2,140円 +30 円 (+1.4%) 本日終値
ブルボン<2208>が3日続伸。27日の取引終了後に発表した第3四半期累計(20年4~12月)連結決算が、売上高865億6400万円(前年同期比0.9%増)、営業利益27億6200万円(同73.7%増)、純利益20億8200万円(同2.1倍)と大幅な増益となったことが好感された。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出・イベント自粛などが継続した影響で伸び悩んだ商品があったものの、内食需要や節約志向の高まりからビスケット品目を中心に大袋商品やロングセラー商品が順調に推移した。また、生産性向上とコスト削減に加え、主原料の相場が安定的に推移し利益を押し上げた。なお、21年3月期通期の業績予想は、売上高1186億円(前期比0.9%増)、営業利益36億円(同23.3%増)、純利益24億円(同27.9%増)の従来見通しを据え置いている。また、従来11円50銭を予定していた期末配当予想を1円増額して12円50銭に増額することもあわせて発表しており、これも好材料視された。年間では24円、前期実績に対しては1円増配となる予定だ。
株探ニュース