明日注目すべき【好決算】銘柄 アサヒHD、村田製、ヤマトHD (29日大引け後 発表分)

注目
2021年1月31日 11時00分

29日の大引け後に決算を発表した銘柄のなかから、業績好調や配当増額など市場で評価される可能性の高い銘柄を取り上げた。

アサヒHD <5857>   ★今期最終を79%上方修正、配当増額と株式分割も発表

◆21年3月期の連結最終利益を従来予想の140億円→250億円に78.6%上方修正。増益率が42.2%増→2.5倍に拡大し、従来の2期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。今期業績の上方修正は昨年7月に続き、2回目。貴金属価格が想定を上回ることが寄与。貴金属リサイクル分野における貴金属回収量の安定推移に加え、北米の貴金属精錬分野で製品加工・販売や金融取引が増加したことも上振れに貢献する。また、繰延税金資産の計上に伴い、税金負担が減少することも最終利益を押し上げる。

業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の160円→170円(前期は130円)に増額修正した。

同時に、3月31日現在の株主を対象に、1→2の株式分割を実施すると発表。また、20年3月末を最後に株主優待制度を廃止することも明らかにした。

住友林業 <1911>   ★前期経常を36%上方修正

◆20年12月期(9ヵ月の変則決算)の連結経常利益を従来予想の375億円→510億円に36.0%上方修正。前期業績の上方修正は昨年11月に続き、3回目。海外住宅・不動産事業で米国の好調な住宅市況を背景に、販売戸数が想定より伸びたことが寄与。年金資産の運用改善と退職給付債務の計算に用いる割引率の上昇に伴い、退職給付会計における数理計算上の差異が生じ販管費が減少したことも上振れの要因となった。

ムゲンE <3299>   ★前期経常を47%上方修正

◆20年12月期の連結経常利益を従来予想の12.1億円→17.8億円に47.4%上方修正。減益率が51.4%減→28.4%減に縮小する見通しとなった。大型物件の売却など想定以上に販売が順調に進み、売上高が計画を13.7%も上回ったことが寄与。販管費を削減したことも上振れにつながった。

トーカロ <3433>   ★今期経常を一転20%増益・最高益に上方修正、配当も5円増額

◆21年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比23.2%増の64.7億円に伸びて着地。活発な設備投資需要を背景に半導体・FPD関連向け溶射加工の受注が大きく伸びたことが寄与。

併せて、通期の同利益を従来予想の68億円→82億円に20.6%上方修正。従来の0.2%減益予想から一転して20.4%増益を見込み、2期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。

業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の25円→30円(前期は25円)に増額修正した。

高度紙 <3891> [JQ]  ★今期経常を10期ぶり最高益に32%上方修正、配当も2円増額

◆21年3月期の連結経常利益を従来予想の19億円→25億円に31.6%上方修正。増益率が95.9%増→2.6倍に拡大し、10期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。今期業績の上方修正は昨年10月に続き、2回目。車載向けや産業機器向けを中心にセパレータの需要が伸び、売上高が計画を10.1%も上回ることが寄与。車載向け高付加価値品の販売増加に加え、稼働率向上による原価低減なども上振れに貢献する。

業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の20円→22円(前期は20円)に増額修正した。

ダイトーケミ <4366> [東証2]  ★今期経常を一転51%増益に上方修正、配当も2円増額

◆21年3月期の連結経常利益を従来予想の6億円→10億円に66.7%上方修正。従来の9.6%減益予想から一転して50.6%増益見通しとなった。化成品事業で電子材料の販売が好調に推移することが寄与。生産経費の削減なども上振れに貢献する。

業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の9円→11円(前期は8円)に増額修正した。

プロパテDB <4389> [東証M]  ★今期経常を26%上方修正・最高益予想を上乗せ、配当も2円増額

◆21年3月期の経常利益(非連結)を従来予想の3.6億円→4.6億円に25.8%上方修正。増益率が15.4%増→45.1%増に拡大し、従来の4期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。組織改編などの業務効率化を進めたことで、販管費が想定を大きく下回ることが寄与。複数の大型案件の利用開始や既存顧客の利用拡大、ソリューションサービス案件における案件執行力の向上で売上原価が減少することも上振れに貢献する。

業績好調に伴い、期末一括配当を従来計画の9円→11円(前期は8.34円)に増額修正した。

TOTO <5332>   ★今期経常を一転2%増益に上方修正、配当も10円増額

◆21年3月期の連結経常利益を従来予想の295億円→370億円に25.4%上方修正。従来の18.3%減益予想から一転して2.5%増益見通しとなった。新型コロナウイルス感染症拡大による影響はあるものの、国内でリモデルの売り上げが伸びるうえ、海外住設事業で中国と米国が好調に推移することが上振れの要因となる。

業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の60円→70円(前期は90円)に増額修正した。

Tホライゾン <6629> [JQ]  ★今期経常を36%上方修正・最高益予想を上乗せ

◆21年3月期の連結経常利益を従来予想の14億円→19億円に35.7%上方修正。増益率が1.2%増→37.3%増に拡大し、従来の2期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。GIGAスクール構想を背景にICT機器市場が活発化するなか、電子黒板や書画カメラの販売が伸びることが寄与。欧米を中心とするオンライン授業や遠隔ミーティングでの書画カメラの需要増加も追い風になる。また、積極的な原価低減活動で採算改善が進むことも利益を押し上げる。

ワコム <6727>   ★今期経常を44%上方修正・最高益予想を上乗せ

◆21年3月期の連結経常利益を従来予想の88億円→127億円に44.3%上方修正。増益率が69.4%増→2.4倍に拡大し、従来の7期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せした。今期業績の上方修正は昨年10月に続き、2回目。オンライン教育やテレワークの普及による需要増加が追い風となるほか、製品ミックスの変化でブランド製品事業の採算が改善することも利益を押し上げる。

村田製 <6981>   ★今期税引き前を一転15%増益に上方修正・5期ぶり最高益更新へ

◆21年3月期の連結税引き前利益を従来予想の2520億円→2910億円に15.5%上方修正。従来の0.8%減益予想から一転して14.6%増益を見込み、一気に5期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。今期業績の上方修正は昨年10月に続き、2回目。スマートフォン向けやパソコン向け、自動車向けの需要増加を背景に、売上高が計画を上回ることが寄与。生産高の増加に伴う操業度益の発生も利益を押し上げる。

アズワン <7476>   ★今期経常を一転9%増益・最高益に上方修正、配当も15円増額

◆21年3月期の連結経常利益を従来予想の71.7億円→96.1億円に34.0%上方修正。従来の18.7%減益予想から一転して8.9%増益を見込み、5期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。今期業績の上方修正は昨年10月に続き、2回目。足もとで主力のラボ・インダストリー部門の需要が復調し、メディカル部門の好調が継続したことが寄与。安定調達への対応や新物流拠点の稼働などで拡大する感染対策用品の需要を取り込んだ。

業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の131円→146円(前期は160円)に増額修正した。

スクロール <8005>   ★今期経常最高益予想を44%上乗せ、42円増配へ

◆21年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比2.4倍の65億円に急拡大して着地。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う購買行動の変化や巣ごもり消費の高まりを背景に、通販事業、ソリューション事業の売上高が大きく伸びたことが寄与。売上原価の低減や販促費の抑制を進めたことなども大幅増益に貢献した。

併せて、通期の同利益を従来予想の45億円→65億円に44.4%上方修正。増益率が96.0%増→2.8倍に拡大し、従来の21期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せした。

業績好調に伴い、従来未定としていた今期の年間配当は52円(前期は10円)実施する方針とした。

ヤマトHD <9064>   ★今期経常を21%上方修正・15期ぶり最高益、配当も3円増額

◆21年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比94.6%増の911億円に拡大して着地。巣ごもり需要を背景に成長が加速するEC領域に対応し、荷物の取扱量が伸びたことが寄与。集配効率の向上や幹線輸送の効率化で費用を適正化したことも大幅増益につながった。

併せて、通期の同利益を従来予想の680億円→820億円に20.6%上方修正。増益率が67.4%増→2.0倍に拡大し、15期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなった。

業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の32円→35円(前期は41円)に増額修正した。

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