話題株ピックアップ【夕刊】(2):ローム、ソニー、村田製

注目
2021年2月2日 15時19分

■三井倉HD <9302>  2,465円  +147 円 (+6.3%)  本日終値

三井倉庫ホールディングス<9302>が後場急伸し、昨年来高値を更新した。同社はきょう午後1時30分頃に、21年3月期通期の連結業績予想を修正。営業利益見通しは前期比35.5%増の160億円(従来予想は140億円)に引き上げた。営業収益見通しは同1.2%増の2440億円(従来予想は2340億円)に上方修正した。自動車関連航空輸送の伸長や家電メーカー物流の好調な取り扱い、中国内物流の取り扱い増加に加え、海上コンテナ不足に伴う海上輸送から航空輸送へのシフトの発生などが主な押し上げ要因だとしている。

■ローム <6963>  11,460円  +630 円 (+5.8%)  本日終値

ローム<6963>が続伸。1日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を3400億円から3600億円(前期比0.8%減)へ、営業利益を230億円から320億円(同8.5%増)へ、純利益を190億円から260億円(同1.4%増)へ上方修正したことが好感された。自動車関連市場向けが急激な回復傾向をたどっていることに加えて、民生機器関連市場向けの季節調整が想定よりも緩やかだったことや、コスト削減が進んだことなどから、第3四半期業績が想定を上回ったことが要因。また、xEV(電動車)やADAS向けなど自動車関連市場向けを中心に好調な受注が続いていることも寄与する。なお、第3四半期累計(20年4~12月)決算は、売上高2636億7800万円(前年同期比5.6%減)、営業利益244億6400万円(同6.8%減)、純利益189億500万円(同12.0%減)だった。

■日本通信 <9424>  192円  +10 円 (+5.5%)  本日終値

日本通信<9424>は後場急伸、一時11.5%高の203円に買われた。きょう午後1時30分ごろ、NTTドコモ(東京都千代田区)とのあいだで協議を行っていた総務大臣裁定に基づく音声卸料金に関し、1日に合意に至ったと発表しており、これが材料視された。総務大臣裁定では、同社とNTTドコモとの音声卸契約にかかる音声卸料金について、原価ベースで設定することになったという。同社では、今回の合意に基づく音声卸料金は総務大臣裁定が行われた昨年6月30日に遡及して適用されるため、第3四半期連結累計期間(20年4~12月)において3億1800万円の原価低減の影響が生じる見込みとしている。

■ソディック <6143>  999円  +43 円 (+4.5%)  本日終値

ソディック<6143>が大幅続伸となり昨年来高値を更新、フシ目となっていた1000円大台をついに回復した。同社株が1000円大台に乗せるのは2019年12月以来、約1年2カ月ぶりとなる。NC放電加工機メーカーとして抜群の世界シェアを誇り、グローバルニッチトップ企業として存在感を高めている。工作機械分野では金属3Dプリンターなどでも実績が高い。株価は5日移動平均線をサポートラインとしたジリ高歩調にあったが、目先は投資資金の買い攻勢が強まり、同移動平均線を足場に上放れる動きを強めている。

■タカラバイオ <4974>  3,045円  +131 円 (+4.5%)  本日終値

タカラバイオ<4974>が大幅高で3日続伸。2日付の日本経済新聞朝刊で「タカラバイオは新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR検査用の試薬について、国内の生産能力を現行の8倍の月産800万検体分に今夏にも増やす」と報じており、これが好材料視された。記事によると、政府も補助金などで支援する方針で、将来の新たなパンデミック(世界的大流行)に備え、欧米の試薬メーカーに依存しないPCR試薬の安定的な供給体制を国内で構築するという。

■ソニー <6758>  10,465円  +310 円 (+3.1%)  本日終値

ソニー<6758>が売り物をこなし3日続伸、前週は日米株式市場が波乱展開となるなか一貫して下値模索の動きを強いられ1万円大台割れ場面に遭遇したが、目先は押し目買いにマドを開けて切り返し、25日移動平均線とのマイナスカイ離を解消する動きをみせている。巣ごもり消費を追い風に「プレイステーション5」の動向に注目が集まるなか、あす3日に20年4~12月期決算発表を控えており思惑が交錯している。また同社は、きょう100%子会社のソニー・ミュージック・エンタテインメントを通じて米音楽出版社のコバルト・ミュージック・グループから2事業を買収することを発表、足もとの業績面の影響は軽微ながら今後の展開に期待した買いを誘った。

■アース製薬 <4985>  6,100円  +170 円 (+2.9%)  本日終値

アース製薬<4985>が3日ぶりに反発。1日の取引終了後、集計中の20年12月連結業績について、売上高が1940億円から1960億円(前の期比3.4%増)へ、営業利益が100億円から114億円(同2.9倍)へ、純利益が26億円から35億4000万円(同2.8倍)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。日用品・ペット用品の販売が想定以上となったことに加えて、返品・廃棄に関する費用が軽減されたことで売上総利益率が改善したことが要因としている。

■フタバ産業 <7241>  533円  +14 円 (+2.7%)  本日終値

フタバ産業<7241>が続伸。1日の取引終了後、21年3月期の連結経常利益を従来予想の22億円(前期比77.9減)から49億円(同50.8%減)へ上方修正すると発表しており、これが好感された。新型コロナウイルス感染拡大の影響で落ち込んだ自動車生産が想定より早く回復し、売上高が増加基調にあることに加え、国内で合理化改善が進んだことも利益上振れにつながる。同時に発表した4~12月期の経常利益は前年同期比80.7%減の15億1300万円だった。

■日本情報クリエイト <4054>  2,972円  +71 円 (+2.5%)  本日終値

日本情報クリエイト<4054>が続伸。1日の取引終了後、同社が提供する「電子入居申込サービス」と日本賃貸住宅保証機構(大阪市)が、電子入居申込サービスのデータを活用した家賃保証サービス申し込みに関する提携を開始したと発表しており、これが好感されたようだ。これにより、家賃保証サービスを利用する入居希望者、仲介会社、管理会社はこれまでと比較して、手書きでの保証申込書作成の手間や記載漏れの確認などのストレスが少ない、スムーズな保証審査が可能になるという。

■村田製作所 <6981>  9,957円  +236 円 (+2.4%)  本日終値

村田製作所<6981>が4日ぶり急反発、一時319円高の1万40円まで上値を伸ばし1万円台に復帰した。前週後半から日米株式市場が荒れ模様となり、同社株もその影響を受けた。特に同社の積層セラミックコンデンサーの主要顧客である米アップル株が前週末までに3日続落し8%近い下落をみせていたこともあって、その影響も受けていた。また、村田製は前週末29日に発表した20年4~12月期決算で営業利益が前年同期比19%増益と好調で、これを受けて21年3月期通期見通しも従来予想の2500億円から2900億円(前期比15%増)に大幅増額修正したが、週明け1日の株式市場で利益確定の動きに押されあえなく続落となりフシ目の1万円台を終値で割り込むなど売り圧力の強さが意識されていた。しかし、市場では「期待が大きかった分、増額修正の発表で材料出尽くしムードが出たが、1万円台割れはイレギュラーとみた買いがきょうは優勢となった。米アップル株も直近は切り返しに転じていることも安心感につながった」(中堅証券ストラテジスト)という。

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