30年半ぶり29000円回復/後場の投資戦略

市況
2021年2月8日 12時12分

日経平均 : 29378.18 (+598.99)

TOPIX  : 1923.49 (+32.54)

[後場の投資戦略]

日経平均が順調に上昇している。昨年1年間を見ると、2月のコロナショック前の日経平均の高値は1月20日の24083円(終値ベース、以下同じ)。先週末はこれを20%ほど上回る水準にある。だが、もちろん全ての株が上がっているわけではない。今回は業種別の株価を見てみる。

東証33業種について、コロナショック前の昨年1-2月につけた高値と先週末の水準を比べると、先週末段階でコロナショック前の高値を上回っているのは14業種。下回っているのは19業種。半数以上の業種がコロナ前の高値を未だに回復できていない。上昇率が大きい業種は電気機器で、コロナ前の高値を30%上回っている。以下、情報・通信が23%、海運、機械、サービス、小売が10%以上上回っている。一方、先週末の水準がコロナ前の高値に遠く及ばないのが鉱業。41%下回っている。以下、空運が35%、鉄鋼、石油・石炭、不動産、銀行、陸運、建設、繊維製品がコロナ前の高値まで10%以上届かない。

このように、全体相場が上昇する中でも、株価低迷を脱せない業種は多い。さらに、TOPIXグロースとTOPIXバリュー。TOPIXグロースはコロナショック前の高値より先週末で17%ほど高い水準にある。一方、TOPIXバリューは今日の前場にようやくコロナショック前の高値水準を上回ってきた。このように、日経平均が大きく上昇する中で、株式市場は思った以上に二極化や選別が激しい。今日の前場は全業種上昇だが、この相場が長く継続するわけではないだろう。また、二極化や選別はおそらく業種だけではない。次の機会があればさらに考えてみたい。

さて、後場の東京市場で日経平均はもみ合いとなりそうだ。好業績銘柄に対する物色意欲が旺盛で、下がれば買いたい投資家が多いとの指摘もあり、下値は固そうだ。一方、先週末に日経平均が400円を超す上げとなった後ということもあり、市場では上げピッチの速さが意識されており、上値追いには慎重になりそうだ。なお、今日は14時に1月の景気ウオッチャー調査が発表される。また、住友鉱<5713>、フジクラ<5803>、ワークマン<7564>、バンナムHD<7832>、ソフトバンクGなどが四半期決算発表を予定している。(小山 眞一)

《AK》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.