コラム【アナリスト夜話】BTC, SPAC etc... 出口の近くで踊る(マネックス証券チーフ・アナリスト大槻奈那)

経済
2021年2月24日 9時38分

10年前に行われた「スタークラフト」のeスポーツ・トーナメントの賞金は、1位の約5万円(500ドル)に対し、5位から8位までは、各25ビットコイン(BTC) でした。当時の価格では数千円ですが、今や全豪テニス準優勝並みの1億5千万円に上ります。賞金をもらった人々のその後が知りたい、と米国のネットでちょっと話題になりました。

ビットコインは、とうとう600万円に達しました。金を支持していた著名投資家ガンドラック氏がビットコイン派に鞍替えしたり、ビットコインはショートだと3年前に公言したビル・ゲイツ氏が「中立的」と語ったりと賑やかです。

最近のもう一つの話題は、「空箱上場」とも呼ばれるSPAC(Special Purpose Acquisition Company、買収目的会社)です。2年以内にどこかの会社を買収するという計画だけで巨額の資金を調達します。今年に入り、米国だけで5.3兆円(160社)が調達され、早くも過去最高だった昨年の6割に上っています。最近では欧州にも広がっていますが、日本では認められていません。個人的には玉石混交感からまだ懐疑的ですが、近い将来、空前のM&Aブームをもたらしうる仕組みとして興味があります。

過去の経験則では、こうした派生的な市場のブームは、始まってから1年程度は続くことが多いと思います。しかし、長期的にはやはり中身次第です。個人的にもそこそこリスク資産を抱えていますが、10年余り前のブームでも聞かれたkeep dancing, but closer to the door (踊り続けよう、ただし、出口の近くで)というフレーズを思い出して臨みたいと思っています。

マネックス証券 チーフ・アナリスト 大槻 奈那

(出所:2/22配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)

《FA》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.