今週の【早わかり株式市況】4週ぶり急反落、米長期金利の急上昇で週末暴落と大波乱

市況
2021年2月27日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は4週ぶり急反落、ボラティリテイの高い日が続き週末は大波乱

2.米追加経済対策とワクチンの普及本格化による景気回復期待が買いの根拠に

3.景気回復期待を背景として米長期金利上昇を生み、波乱相場の引き金となる

4.パウエルFRB議長の発言受け、いったんは金融緩和長期化への思惑が好感

5.米長期金利が1.6%台に急上昇、週末は米株安受け日経平均1200円安

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比1051円(3.50%)安の2万8966円と4週ぶりに大幅下落となった。

今週は新型コロナワクチンの普及を背景とした景気回復期待が買いを誘導する一方、その景気回復を織り込む形で米長期金利が急上昇し、これが嫌気される形で日経平均は荒れた値動きとなった。週末は1200円あまりの暴落に見舞われた。

22日(月)は大型の米追加経済対策の成立に対する期待や、新型コロナワクチン普及に伴う経済正常化への思惑から市場心理は強気に傾き、日経平均は堅調な値動きとなった。半導体関連などが高く全体を牽引した。23日(火)は天皇誕生日の祝日に伴い休場だったが、休場明けの24日(水)は急反落。米株市場でのナスダック指数の下げが重荷となり、ハイテクセクター中心に売りがかさみ日経平均は484円安と派手な下げ。終値で3万円台を割り込んだ。しかし25日(木)は前日とは真逆の地合いとなり大幅高で切り返した。引き続きワクチン普及への期待に加え、パウエルFRB議長の下院での発言を受けて金融緩和政策が長期化するとの思惑からリスクを取る動きが強まった。日経平均は496円高と前日の下げを帳消しにして3万円台に再び乗せた。連日ハイボラティリティな値動きとなったが、週末の19日(金)に本当の波乱が待っていた。前日に米10年債利回りが急上昇し一時1.6%台に水準を切り上げ、これを背景に前日の米国株市場でNYダウナスダック指数ともに大幅安。東京市場では朝方日経平均が大きく下げて始まった後も下値を探る展開となり、終盤に一段と下げ足を加速。月末特有の機関投資家のリバランスに絡む売りも出て、結局安値引けで2016年6月以来の下げ幅(歴代10番目)を記録した。

■来週のポイント

週末の暴落で上昇相場に亀裂が入っただけに、来週は下値を模索する展開になりそうだ。

重要イベントとしては、国内では2日朝に発表される1月有効求人倍率と10-12月期法人企業統計調査が注目される。海外では1日発表の米国2月ISM製造業景況指数や3日発表の米国2月ISM非製造業景況指数、5日に発表される米国の2月雇用統計と1月貿易収支に注視が必要だろう。なお、5日から中国全人代が開幕する。

■日々の動き(2月22日~2月26日)

【↑】   2月22日(月)―― 4日ぶり反発、ワクチン普及期待で買い優勢

日経平均 30156.03( +138.11)  売買高12億5043万株 売買代金 2兆4636億円

【↓】   2月24日(水)―― 大幅反落、ハイテク株が売られ3万円台割れ

日経平均 29671.70( -484.33)  売買高15億7041万株 売買代金 3兆4613億円

【↑】   2月25日(木)―― 急反発、米株高を受け景気敏感株を中心に買い優勢

日経平均 30168.27( +496.57)  売買高14億6095万株 売買代金 2兆9211億円

【↓】   2月26日(金)―― 急反落、金融相場の先行き不安感で2万9000円割れ

日経平均 28966.01( -1202.26)  売買高16億8876万株 売買代金 3兆6212億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、23業種が下落

(2)テルモ <4543> 、島津 <7701> など精密機器が値下がり率トップ

(3)ソニー <6758> など電機、ダイキン <6367> など機械、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株が売られた

(4)武田 <4502> など医薬、NTT <9432> など情報・通信、セブン&アイ <3382> など小売りといった内需株も安い

(5)金融株は日本取引所 <8697> などその他金融、大和 <8601> など証券、MS&AD <8725> など保険は下落も

三菱UFJ <8306> など銀行は値を保つ

(6)JAL <9201> など空運、商船三井 <9104> など海運が大きく買われた

(7)国際石開帝石 <1605> など鉱業、ENEOS <5020> など石油も高い

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)

1(1) 半導体 ── AI&半導体関連「隠れ覇道株スペシャル」精選8銘柄

2(3) 仮想通貨

3(7) アンモニア ── 脱炭素で「アンモニア」関連に壮大なる株高ストーリー

4(4) 旅行

5(6) 2020年のIPO

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.