話題株ピックアップ【夕刊】(3):サイバー防衛関連、くら寿司、新都HD

注目
2021年3月10日 15時22分

■阪急阪神 <9042>  3,675円  +15 円 (+0.4%)  本日終値

阪急阪神ホールディングス<9042>が小幅に4日続伸。岩井コスモ証券は9日、同社株の投資判断を「B」から「B+」に引き上げた。目標株価は4100円を継続した。第3四半期累計(4~12月)の連結営業損益48億4100万円の赤字となったが、10~12月の3カ月間ではホテル事業を除く全ての事業が黒字化した。来期の業績回復を予見させるものとみている。同証券では21年3月期の営業損益は73億円の赤字(会社予想は90億円の赤字)を見込むが、22年3月期の同損益は460億円の黒字と急回復を予想している。

■トレンドマイクロ <4704>  5,250円  +20 円 (+0.4%)  本日終値

トレンドマイクロ<4704>、オービック<4684>、HENNGE<4475>、サイバーセキュリティクラウド<4493>、セグエグループ<3968>、アララ<4015>などサイバー防衛関連株に物色の矛先が向いている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い企業活動やアミューズメント分野でのリモート化が進展しているが、それに伴いサイバー犯罪も頻発化している。政府のサイバーセキュリティ戦略本部は、サイバー対策強化を目的とした新戦略を今夏にもまとめる方針が伝わっている。今夏は東京五輪開催を控えていることもあり、サイバー防衛関連株への注目度が高まりつつある。

■くら寿司 <2695>  6,900円  -550 円 (-7.4%)  本日終値  東証1部 下落率3位

くら寿司<2695>が大幅続落。同社が9日に発表した第1四半期(20年11月~21年1月)の連結営業利益は前年同期比31.3%減の8億2300万円だった。米国子会社の業績が、新型コロナウイルスの影響で低迷したことなどが響いた。市場では第1四半期の同利益は16億円前後との予想が出ていただけに、これを大きく下回ったことが嫌気された。ただ、米国の新型コロナを巡る状況は改善しており、先行きには明るさも見えていると指摘する見方もある。

■新都ホールディングス <2776>  117円  +30 円 (+34.5%) ストップ高   本日終値

新都ホールディングス<2776>が急騰。10時ごろ、厚生労働省から医療機関など向け高機能マスク(ノンサージカルN95マスク)を計500万枚納入することについて発注を受け、きょう全ての対象商品の納品を完了したと発表。これを好材料視する買いが入った。今回のマスク販売に対する売上高として10億円を22年1月期に計上するという。なお、業績への影響は現在精査中としている。

■グローバルウェイ <3936>  1,748円  +300 円 (+20.7%) ストップ高   本日終値

グローバルウェイ<3936>がストップ高。同社は就職・転職のクチコミ情報サイトを展開し、クラウド型ソフト導入支援業務なども手掛ける。9日取引終了後、21年3月期業績予想の修正を発表、売上高を従来予想の12億円から12億4000万円に増額し、営業赤字も3億5000万円の赤字から3億4000万円の赤字に小幅ながら縮小する見通しを発表した。また同日、GBM Global社が運営する暗号資産交換所Bitmartでタイムチケットを売買することで基本契約を締結したことを発表、これを手掛かり材料に短期資金が集結した。

■サインポスト <3996>  1,108円  +150 円 (+15.7%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率トップ

サインポスト<3996>がストップ高。9日の取引終了後、JR東日本スタートアップ(東京都新宿区)との合弁会社TOUCH TO GO(TTG)がファミリーマートと2月26日に資本業務提携契約を締結したと発表。併せて、TTGが開発した無人決済システムを活用した実用化店舗「ファミマ!!サピアタワー/S店」を3月31日にオープンすることを明らかにしており、これを好感する買いが入った。両社は、TTGが開発した無人決済システム「TTG-SENSE」を活用した店舗の実用化に向けて昨年11月に業務提携していた。今回の提携強化を通じ、既存店舗の省人化やマイクロマーケットへの事業領域拡大を目指すとしており、今後の展開が期待されている。

■築地魚市場 <8039>  1,142円  +150 円 (+15.1%) ストップ高   本日終値

築地魚市場<8039>がストップ高。9日の取引終了後、株主優待制度を新設すると発表しており、これが好材料視された。毎年6月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、自社グループ会社の水産加工品詰め合わせ(保有株数100株以上200株未満で3000円、200株以上で6000円相当)を贈呈する。21年6月末から適用を開始するという。2月24日に発表した今期配当の増額修正に続く株主還元強化策で積極的な姿勢が好感されている。

■東洋エンジニアリング <6330>  641円  +65 円 (+11.3%)  本日終値  東証1部 上昇率2位

東洋エンジニアリング<6330>が大幅高で4日ぶり反発。脱炭素社会に向けた動きが株式市場でもテーマ視されており、そのなか火力発電用燃料として燃焼しても二酸化炭素を排出しないアンモニアが注目されている。アンモニアの市場規模は2018年時点で80万トン強だが、2050年には3000万トン規模、金額ベースで1兆円市場に成長するとの試算も出ている。プラント建設大手の同社は石油化学のほか肥料プラントに強い。肥料の原料にはアンモニアが使われていることもあり同分野における知見の深さが強みとなっている。既に伊藤忠商事<8001>と提携してロシアの東シベリアと日本の間のアンモニアサプライチェーン構築の事業化調査を進めている段階にある。業績面でも第3四半期までの実績から21年3月期営業利益は会社側予想を大幅に上回って着地するとの見方が強い。

■ナガオカ <6239>  797円  +72 円 (+9.9%)  本日終値

ナガオカ<6239>が急反発。9日の取引終了後、中国子会社の那賀設備がスクリーン・インターナルの大口受注を獲得したと発表しており、これを好感する買いが入った。中国で建設が決定した新規プロピレン・プラントにスクリーン・インターナルが採用された。受注金額は約6億円、契約納期は22年2月としている。今回の受注を受けて、他の案件も含めた生産計画を見直すとし、これに伴い21年6月期の通期業績予想に修正の必要が生じた場合は、速やかに公表するとしている。

●ストップ高銘柄

築地魚市場 <8039>  1,142円  +150 円 (+15.1%) ストップ高   本日終値

など、5銘柄

●ストップ安銘柄

INCLUSIVE <7078>  3,390円  -700 円 (-17.1%) ストップ安   本日終値

など、2銘柄

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