GMOメディア Research Memo(1):ヴァーティカルメディア事業育成により2024年に最高営業利益更新目指す

特集
2021年3月18日 15時51分

■要約

GMOメディア<6180>は、GMOインターネット<9449>グループのメディア事業会社で、ポイントサイトやHTML5ゲームプラットフォームなど、メディアの運営によって広告収益を得るメディア事業を主力事業とし、メディア事業で蓄積したノウハウ・システムを活用して、他社メディアの収益化を支援するその他メディア支援事業も展開する。2020年3月にクーポン・チケット購入サイトを運営するGMOくまポン(株)を子会社化し、2020年12月期から連結業績を開始している。

1. 2020年12月期の業績概要

2020年12月期の連結業績は前期単独業績との比較で、売上高は20.6%増の4,999百万円となったものの、営業損失は216百万円(前期は60百万円の利益)となった。2020年12月期第2四半期から新規連結したGMOくまポンの業績は9ヶ月間で、売上高1,222百万円、営業損失で180百万円となった。戦略的事業と位置付けている美容医療チケット購入サイト「キレイパス」のプロモーション投資拡大が損益悪化要因となっているが、コロナ禍において投資額を抑制したことから期初計画(営業損失600百万円)からは損失額が縮小する格好となった。単独業績について見れば、ソーシャルメディアの広告収入減やコロナ禍におけるアフィリエイト広告単価の下落等が響いて、売上高は前期比17%減の3,777百万円、営業利益は収支均衡水準となった。

2. 2021年12月期業績見通し

2021年12月期は売上高で前期比20.0%増の6,000百万円、営業損失で150百万円を見込む。単独業績についてはソーシャルメディアの広告収入が「プリ小説」の成長もあって下げ止まるほか、ゲーム広告収入の成長や外部提携パートナーとの連携拡大に伴うECメディアの売上回復を見込んでおり、売上高で前期比11.2%増、営業利益で50?60百万円程度となる見通しとしている。また、GMOくまポンについては「キレイパス」の成長により売上高は1,800百万円に拡大するものの、プロモーション投資やシステム投資など戦略投資を継続することから営業損失は200百万円を見込んでいる。

3. 成長戦略

同社は2020年2月に5ヶ年の業績目標を発表しており、2021年12月期までを戦略的投資期間として2022年12月期からの黒字化、2024年12月期の過去最高営業利益更新(過去最高営業利益は2016年12月期505百万円)を目指す方針を打ち出していた。コロナ禍で市場環境が変化するなか、現在もその目標は変えていない。既存サービスに関しては「ゲソてん」「ポイントタウン」「くまポン」など自社サービスへの集客に加えて提携パートナーを拡大していくことで、年率10%以上の持続的な成長を目指す。また、新規サービスとなる「キレイパス」や小学生向けプログラミング・ロボット教育のポータルサイトとして業界トップの地位を確立した「コエテコ」などヴァーティカルメディア事業を育成し収益成長を加速する戦略となる。「キレイパス」は美容医療を受けたいユーザーがクリニックを検索し、料金をサイト内で前払いする事前決済による成果報酬型ビジネスモデルとなる。ユーザーはクリニックで追加料金を支払う必要がなく、新しいクリニックでも通院しやくなるといったメリットがあり、クリニック側から見ても新規顧客の獲得コストを低く抑えられるだけでなく、事前決済型のためキャンセル発生率が低くなるといったメリットがある。今後、アプリの機能強化や認知度向上に向けたプロモーション投資を実施していくことで、成長を加速していく。また、「コエテコ」に関しては、小学生向け教室から今後は中高校生や社会人向けまで対象範囲を広げていくことで事業成長を目指す。両事業合わせて売上規模はまだ全体の5%程度と小さいが、集客というメディア事業の先にDX関連事業への参入も予定しており、成長ポテンシャルの高い事業として今後の動向が注目される。

■Key Points

・2020年12月期はコロナ禍で投資戦略を見直し、期初計画よりも損失額が縮小

・2021年12月期も戦略的投資期間と位置付け、「キレイパス」など新規事業に対する積極的なプロモーション投資を実施

・「コエテコ」「キレイパス」を育成し、2024年12月期に過去最高営業利益の更新を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《EY》

提供:フィスコ

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