【杉村富生の短期相場観測】 ─ 肝要なのは常に、リスクを取る勇気!

市況
2021年3月21日 9時15分

「肝要なのは常に、リスクを取る勇気!」

●アメリカでは消費ブームが到来する!

マーケットは米長期金利の動向(3月18日の10年物国債利回りは1.71%超)に、振り回されている。これはミニショックを引き起こした2月末(1.61%強)を上回る水準だ。金利上昇を嫌気し、IT(ハイテク)系企業の多いナスダック市場は売り物に押されている。しかし、過度の悲観は禁物と思う。

米バイデン政権の財政出動(昨年の実行ベース1.7兆ドルに対し、今年は3.5兆ドルと倍増)に加え、ワクチン接種は5~6月には完了(集団免疫体制の確立)する予定だ。景気は明らかに回復軌道に乗っている。いや、爆発的な消費ブームが起きる可能性がある。

なにしろ、2~5月には邦貨換算30兆円の所得税の還付が行われるし、家計には自粛期間中に3兆ドルのMMF(流動性の高い短期資金)が積み上がっている。さらに、株式5兆ドル、不動産の含み益2兆ドルを合わせると、10兆ドルの待機資金が存在する。これは第2次世界大戦直後以来のスケールという。

アメリカでの売上高比率の高いSUBARU <7270> 、竹内製作所 <6432> 、キッコーマン <2801> 、クボタ <6326> 、テルモ <4543> 、セイコーエプソン <6724> 、ダイキン工業 <6367> 、住友林業 <1911> 、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> などはメリットを受けるだろう。

一方、FRBのQE(量的金融緩和→国債買い入れ)は3.5兆ドルが1.44兆ドルと半減する。パウエル議長などFRB首脳は「経済の正常化によって、金利が上昇するのはやむを得ない」と発言している。この背景には消費ブーム(インフレ懸念)を警戒していることがあろう。だが、金利上昇を放置できない理由がある。

●FRBは金利上昇には「介入」の用意!

その根拠は? まず、バイデン政権は基本的に国内産業(雇用)を守るために、ドル安を求めている。現在のようなドル高・円安は困る。次に、国債増発を計画しているバイデン政権にとって、金利上昇は負担増につながる。もちろん、長期金利が2%近くになった場合には内外の機関投資家がドル債を購入(金利抑制)する。

FRBはツイストオペレーション(長期債買いの短期債売り)を断行するだろう。いずれにせよ、金利上昇を恐れる必要はない。常に、波乱はチャンスの信念を持って行動するべきだ。そう、肝要なのは昨年2~3月と同様に、リスクを取る勇気である。

狙い目は22年3月業績が上方修正(マーケットコンセンサス)されているデンソー <6902> 、パナソニック <6752> 、アイシン精機 <7259> 、日本郵船 <9101> 、村田製作所 <6981> 、日本通運 <9062> などはどうか。

小物では大出直りのファーマフーズ <2929>半導体関連の浜井産業 <6131> [東証2]、太陽光発電事業のAbalance <3856> [東証2]、リサイクルのフルヤ金属 <7826> [JQ]、EC(電子商取引)支援のいつも <7694> [東証M]などに注目できる。

2021年3月19日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.