感染再拡大、欧州経済停滞でドル選好  住信SBIネット銀行(馬渕磨理子)

経済
2021年3月29日 19時47分

皆さん、こんにちは。フィスコ企業リサーチレポーター馬渕磨理子です。まずは、先週のマーケットを振り返ってみましょう。

ドル・円はやや強含みました。3月23日に108円41銭まで下げたものの、ユーロ、ポンドに対するドル買いが強まり、この影響でドル・円の取引でもドル買いが優勢となりました。25日発表の週間新規失業保険申請件数は市場予想を下回り、ドル・円は26日に109円85銭まで買われる展開となりました。

ユーロ・円は、やや伸び悩みました。週初に129円94銭まで買われましたが、新型コロナウイルスの感染再拡大が警戒されたことから、ユーロ売り・円買いが優勢の展開に。欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は3月25日、「ユーロ圏経済は上半期にマイナス成長となる可能性が非常に高い」と指摘し、ユーロ・円の反発は抑制されました。

さて、今週のマーケットはどうなるのか?チェックすべきポイントについて住信SBIネット銀行の「ウィークリーレポート」を見てまいりましょう。

ドル・円は『底堅い値動き』を予想しています。欧州諸国は新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて経済的な制限措置が強化されており、ユーロ域内における早期景気回復への期待は低下しています。3月24日発表のユーロ圏の製造業、サービス業PMIは堅調な数値だったが、先行きの景気減速懸念でユーロ買いは拡大しなかったこと、さらに原油価格の下落を嫌ってカナダドルや豪ドルなどに対する米ドル買いも観測されており、主要通貨に対するドル買いは継続すると予想しています。

ユーロ・円については『伸び悩み』を予想しています。ユーロ圏における新型コロナウイルスの感染再拡大によって、域内経済の早期回復への期待は後退しており、今週発表されるユーロ圏のインフレ関連指標が予想を上回る内容でもユーロ買いに直結しないとの見方が多いようです。ただし、『米ドル・円相場が円安方向に振れた場合、ユーロ・円は128円台でのもみ合いが続く可能性はある』と分析しています。

ポンド・円は『伸び悩み』を予想しています。『新型コロナウイルスの感染再拡大に対する警戒感は消えていないこと、欧米諸国と中国の対立激化を警戒して、原油価格の先高観は後退していることから、リスク選好的なポンド買いは縮小する』と想定しています。米ドル・円相場に大きな動きがない場合、ポンド・円の上値は再び重くなる可能性があります。

今週の豪ドル・円は『弱含み』を予想しています。豪準備銀行(中央銀行)のデベル副総裁は議会答弁で、『賃金の伸びとインフレ率が上向くには失業率(2月5.8%に低下)が4%前後まで改善するのが望ましい』と発言しています。現行の金融緩和政策の長期的維持が改めて示唆されたことで、豪ドルは買いづらい展開を予想しています。経済指標では2月貿易収支の発表が材料視されそうです。

参考にしてみてくださいね。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコ企業リサーチレポーター 馬渕磨理子

《FA》

提供:フィスコ

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