話題株ピックアップ【夕刊】(2):東エレク、フロンテオ、神戸物産
■アスクル <2678> 4,170円 +75 円 (+1.8%) 本日終値
アスクル<2678>が反発。29日の取引終了後に発表した3月度(2月21日~3月20日)の月次業績で、単体売上高が前年同月比0.8%増と2カ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。緊急事態宣言の影響を受けたことでBtoB事業は同0.1減となったが、LOHACOが同6.7%増となったことが寄与した。
■東京エレクトロン <8035> 46,550円 +810 円 (+1.8%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>など半導体製造装置メーカーやSUMCO<3436>など半導体素材メーカーは強弱感が対立し総じて売り買い交錯の展開。前日の米国株市場では長期金利の上昇を警戒して、半導体製造装置トップのアプライドマテリアルズや半導体メモリー開発大手のマイクロンテクノロジーズなど半導体セクターに売られるものが目立ち、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日ぶりに反落した。SOX指数は前週25日にも中長期波動の分水嶺である75日移動平均線を取引時間中に下回って推移するなど、やや不安定な動きを強いられた。これを受けて東京市場でも同関連株への買いが手控えられている状況だ。
■FRONTEO <2158> 798円 +11 円 (+1.4%) 本日終値
FRONTEO<2158>が高い。同社は人工知能(AI)を活用したリーガルテック事業を主力展開し実績を重ねているが、近年はAI技術をライフサイエンス分野などにも応用して需要を開拓している。そうしたなか、29日取引終了後、AIを用いた医薬品分子設計技術を有するバイオベンチャーMOLCURE(川崎市)と、AIを活用した創薬DX推進に向け、業務提携契約を締結したことを発表、これが株価の新たな刺激材料となった。きょうは東証マザーズ市場にAIを使ったマーケティング支援を手掛けるAppier Group<4180>が鳴り物入りで新規上場し、公開価格を大きく上回る初値を形成しており、AI関連株全般にマーケットの注目が向きやすくなった。
■前田工繊 <7821> 3,390円 +45 円 (+1.4%) 本日終値
前田工繊<7821>が3日続伸。午前10時ごろ、Zホールディングス<4689>傘下のヤフーが運営するPayPayモールへ出店したと発表しており、販路拡大を好感した買いが入った。「前田工繊PayPayモール店」は、自社生産不織布「スプリトップ」を使用したマスクなどの衛生資材などを販売する。同社では、昨年9月にECビジネスを開始したが、PayPayモールへの出店が販売の拡大につながると期待された。
■神戸物産 <3038> 3,045円 +35 円 (+1.2%) 本日終値
神戸物産<3038>が続伸。29日の取引終了後に発表した2月度単独業績で、売上高が前年同月比12.2%増、営業利益が同31.6%増となり、好調な業績が継続していることが好感された。2月度の業務スーパーの新規出店は9店舗で総店舗数が909店となり、前年同月比で53店舗増加したことが業績に貢献した。商品別では「冷凍ブルーベリー」「揚げなす乱切り」など、利便性の高い冷凍果物や冷凍野菜が引き続き伸長した。
■タケエイ <2151> 1,280円 +8 円 (+0.6%) 本日終値
タケエイ<2151>が高い。岩井コスモ証券は29日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに目標株価を1300円から1480円に引き上げた。第3四半期累計(20年4~12月)の営業利益は前年同期比30%増の28億9300万円と堅調。産業廃棄物処理・リサイクル事業や再生可能エネルギー事業などが伸びた。21年3月通期の同利益予想37億円に対する進捗率は78%に達しており、同証券では39億円(前期比18%増)への増額修正を予想。リバーホールディングス<5690>と10月1日に経営統合する予定であり、「総合環境企業」として売上高1000億円を目指すことも評価している。
■ダブル・スコープ <6619> 744円 -27 円 (-3.5%) 本日終値
ダブル・スコープ<6619>が大幅続落。株価は一時、前日に比べ7%超安に売られた。同社は29日の取引終了後、海外公募の実施を発表しており、1株利益の希薄化が警戒された。900万株の新株を発行する。調達金額は約66億5200万円で、主に韓国子会社の設備投資資金や長期借入金の返済に充てる。発行済み株式数は約20%増加する見込み。発行価格は4月7日から9日のいずれかの日に決定する。
■クスリアオキ <3549> 8,610円 -190 円 (-2.2%) 本日終値
クスリのアオキホールディングス<3549>が4日ぶりに反落。同社は29日取引終了後に、3月度の月次営業速報を公表。既存店売上高は前年同月比18.3%減と8カ月連続で前年実績を下回り、減少率が2月度(15.4%減)から拡大したことがネガティブ視されたようだ。既存店の客単価は同10.8%増と堅調だったが、客数が同26.3%減(2月度は21.1%減)となったことが影響した。なお、全店ベースの売上高は同10.9%減と2カ月連続のマイナスとなった。
■マニー <7730> 2,777円 -17 円 (-0.6%) 本日終値
マニー<7730>は朝高後、値を消す展開。前日まで3日続伸しており、上値では利益確定売りが膨らんだ格好だ。SMBC日興証券は29日、同社株の投資評価を新規「1」でカバレッジを開始した。目標株価は3300円とした。同社は手術用縫合針の大手で眼科用ナイフや歯科治療機器でも高シェアを誇る。同証券は21年8月期の連結営業利益57億円が23年8月期には73億円と3年平均成長率19%を見込んでいる。アフターコロナでの業績回復を意識した場合、(1)需要回復が先行する眼科、歯科向け売上高が約6割を占めていること(2)早期の市場回復・成長が期待される中国売り上げが約3割まで拡大していること――などを評価している。
■セントラル硝子 <4044> 2,345円 -13 円 (-0.6%) 本日終値
セントラル硝子<4044>は冴えない動き。29日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を1890億円から1900億円(前期比14.6%減)へ、営業利益を20億円から30億円(同62.4%減)へ、最終損益を5億円の赤字から収支均衡(前期64億1800万円の黒字)へ上方修正したが材料出尽くし感もあり、反応は限定的となっている。半導体用途の特殊ガス関連製品などの販売が想定より好調に推移したことが主な要因としている。
株探ニュース