話題株ピックアップ【夕刊】(1):わらべ日洋、マネックスG、東芝
■わらべ日洋 <2918> 1,908円 +219 円 (+13.0%) 本日終値 東証1部 上昇率トップ
わらべや日洋ホールディングス<2918>が急騰。同社は弁当や調理パンの製造を手掛けセブン‐イレブン向けを主力としているが、足もとの業績は好調に推移している。同社が前週末9日取引終了後に発表した22年2月期の業績予想は営業利益段階で前期比35%増の45億円と高水準の伸びを示す見通しで、これがサプライズとなって物色人気が集中した。前週末終値ベースでPERが10倍台、PBRが0.6倍台と株価指標面から非常に割安感が強いことも、買いの根拠となっている。
■ワキタ <8125> 1,131円 +91 円 (+8.8%) 本日終値 東証1部 上昇率2位
ワキタ<8125>は4日続伸し、年初来高値を更新した。同社は9日取引終了後に、22年2月期通期の連結業績予想を公表。営業利益見通しを前期比5.1%増の57億円としていることや、期末一括配当計画を前期比3円増配の33円としていることが好感されたようだ。売上高は同1.6%増の752億円を見込む。主力の建機事業では、災害の復旧・復興工事や国土強靱化などの公共事業予算執行を的確に捕捉するほか、グループ連携による相乗効果の発揮などにより、ビジネスチャンスの拡大を図る意向。また、商業事業や不動産事業でも安定的な収益確保を目指すとしている。なお、21年2月期通期の連結決算は、売上高が前の期比10.0%減の740億1500万円、営業利益が同7.9%減の54億2200万円となった。
■マネックスグループ <8698> 1,058円 +69 円 (+7.0%) 本日終値 東証1部 上昇率8位
マネックスグループ<8698>が大幅高。全体地合い悪をものともせず、商いを伴い強調展開を際立たせている。世界景気の回復期待が高まる一方、欧米の中央銀行は緩和的金融政策の長期化を明示しており、過剰流動性は担保されたままの状態にある。それを背景にビットコイン価格も上昇トレンドが加速している。仮想通貨取引所運営のコインチェックを子会社に持つマネックスGをはじめ関連株には総じて上値を見込んだ投資資金が流入している。ビットフライヤーによると今朝8時時点のビットコイン価格は前日比で11万円強値上がりし659万円台まで上昇している。ネット証券大手の同社は、仮想通貨取引所のコインチェックを傘下に収めていることから、同関連株のシンボルストック的存在となっている。
■シンフォニア <6507> 1,432円 +91 円 (+6.8%) 本日終値 東証1部 上昇率9位
シンフォニア テクノロジー<6507>はマドを開け大幅高、5日・25日移動平均線が収れんする1300円台半ばでのもみ合いを一気に上放れてきた。半導体市場の拡大顕著でメモリーやロジックなどの供給不足が露呈するなか、半導体製造装置メーカーの株価が総じて強調展開をみせている。同社は半導体向け搬送装置などを展開し、この流れに乗る。また、世界的な脱炭素社会への取り組みが進むなか、今月はバイデン米大統領が主導する形で気候変動サミット開催が予定されるほか、今週16日には菅首相が訪米する見通し。そのなか同社は、ハイブリッド発電システムを手掛け、カーボンニュートラルに絡む銘柄としても視線を集めている。
■東芝 <6502> 4,530円 +265 円 (+6.2%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
東芝<6502>が商いを伴い急反発。前週末の下げ分を取り返す形になっている。前週、同社に対し英投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズが買収提案を示したことが明らかとなり、同社株は7日に値幅制限上限の700円高で買い物を残す集中人気となった経緯がある。ただ、買収の成否に不透明感も意識され、その後は気迷いムードも漂い週末は240円あまりの下げをみせていた。きょうは10日付の日本経済新聞が「政府系ファンドの産業革新投資機構や事業会社の傘下を想定し、1株5000円での買い取りを提案した」と報じ、これが同社株を改めて刺激する格好となっている。
■アバント <3836> 1,777円 +92 円 (+5.5%) 本日終値
アバント<3836>が大幅反発。午後1時ごろ、子会社ジールがグーグル・クラウドのサービスパートナー認定を取得したと発表しており、これが好材料視された。これにより、グーグル・クラウドにおいてBigQueryをはじめとしたサービスを活用し、データプラットフォームの構築支援を行うほか、企業のデータドリブン・データ活用を推進し、デジタルトランスフォーメーション(DX)が達成されるところまで伴走するとしている。
■イオンディライト <9787> 3,415円 +165 円 (+5.1%) 本日終値
イオンディライト<9787>が大幅続伸。9日の取引終了後に発表した22年2月期連結業績予想で、売上高3250億円(前期比8.3%増)、営業利益165億円(同8.3%増)、純利益105億円(同10.1%減)と2期ぶりの営業最高益更新を見込み、年間配当を17期連続増配となる前期比2円増の84円を予定していることが好感された。前期下期以降売上高が回復傾向にあることに加えて、デジタルトランスフォーメーション(DX)や人材への積極的な投資により収益拡大に向けた基盤を強化するという。なお、21年2月期決算は、売上高3000億8500万円(前の期比2.8%減)、営業利益152億3000万円(同4.8%減)、純利益116億8000万円(同25.0%増)。年間配当は前の期比17円増の82円だった。
■USENHD <9418> 2,548円 +96 円 (+3.9%) 本日終値
USEN-NEXT HOLDINGS<9418>が大幅高で3日続伸し連日で年初来高値を更新した。引き続き8日に発表した21年8月期業績予想の上方修正を好感した買いが入っているほか、午前11時ごろに発表したグループ会社による介護領域特化型ワークシェアリングサービスの提供開始を好材料視した買いが入った。グループのUSEN WORKINGが、人材不足に悩む介護業界の課題解決に貢献するために新サービス「Ucare」の提供を開始したという。介護施設と介護有資格・経験者をマッチングさせることで、人材不足に悩む介護業界の課題解決に役立つサービスとなることを目指すという。なお、介護業界を主軸にした人材紹介事業・サービス展開は、グループとして初めての試みとなる。
■ネクステージ <3186> 1,930円 +72 円 (+3.9%) 本日終値
ネクステージ<3186>が3日続伸し年初来高値を更新した。SMBC日興証券が9日付で、投資評価「1」を継続しつつ、目標株価を1900円から2100円へ引き上げたことが好材料視された。同証券では引き続き、積極的な出店と車両の販売以外で利益を確保するストック型のビジネスモデルに注目。半導体の不足などによる新車生産の遅れは短期的に中古車市場に追い風になると見込む。また、第1四半期決算を踏まえて業績予想を見直しており、21年11月期営業利益予想を110億円から118億円へ、22年11月期を同138億円から145億円へ引き上げている。
■カーブスHD <7085> 1,049円 +37 円 (+3.7%) 本日終値
カーブスホールディングス<7085>が続伸し年初来高値を更新した。前週末9日の取引終了後、21年8月期連結業績予想について、売上高を235億円から240億円(前期比4.3%減)へ、営業利益を10億円から13億円(同11.4%増)へ、純利益を6億1000万円から7億2000万円(同5.8%減)へ上方修正したことが好感された。第1四半期(20年9月~11月)に実施した新規入会キャンペーン、休会復帰キャンペーンが奏功し、実質会員数が予想を上回っていることに加えて、緊急事態宣言下でも休業が発生をせず、また、休会からの復帰も想定以上に進んだことで加盟店への経営支援金の拠出が予想を下回ったことが要因。また、上期にマーケティング費用を抑制し広告宣伝費が想定を下回っていることも寄与する。なお、下期はマーケティングへの戦略的投資を積極的に行うことから、上期の上振れほどには利益は上振れしない見通しだ。同時に発表した第2四半期累計(20年9月~21年2月)決算は、売上高118億9100万円(前年同期比17.6%減)、営業利益8億7100万円(同70.8%減)、純利益3億4700万円(同83.1%減)となり、営業利益は従来予想の収支均衡から上振れて着地した。
株探ニュース