パシフィックネット---3Qも2ケタ増収・大幅な増益、業績予想の上方修正に加え期末配当金の増配を発表
パシフィックネット<3021>は13日、2021年5月期第3四半期(20年6月-21年2月)連結決算を発表した。売上高は前年同期比10.7%増の37.53億円、営業利益は同73.9%増の5.67億円、経常利益は同75.1%増の5.65億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同66.4%増の3.73億円となった。第3四半期の営業利益・経常利益は、過去最高となった第2四半期を超え、四半期での最高益を更新した。また、第3四半期累計業績としては、売上高・各利益すべてで過去最高となった。
ITサブスクリプション事業の売上高は前年同期比36.8%増の21.87億円、セグメント利益は同93.5%増の4.00億円となった。第3四半期については、昨年末からの感染者急増や緊急事態宣言の再発出の影響から、サブスクリプションの新規受注ペースは計画より緩やかとなったが、前期の好調な受注によるストック積上げ効果等で好調に推移した。新品PCは部品不足を背景とした世界的な供給難の状態にあるが、同社はレンタル用の新品PCを順調に確保できており、現時点での影響はほとんどない。この結果、収益拡大がレンタル資産やIT人材採用等のコスト増をカバーし、将来収益のストックも拡大した。
ITAD事業の売上高は前年同期比2.5%減の14.70億円、セグメント利益は同43.9%増の5.23億円となった。コロナ禍の影響、新品PC出荷台数の減少に加え、緊急事態宣言の再発出により使用済み情報機器の排出台数が減少し、第3四半期における同社の使用済み機器の回収台数は同約30%減少した。しかし、データ消去の好調な受注、業務IT化推進等の生産性向上策の効果及びリユース・リサイクル品の販売単価の上昇により、減収・増益となった。
コミュニケーション・デバイス事業の売上高は前年同期比62.7%減の1.07億円、セグメント損失は0.17億円(前年同期は0.74億円の利益)となった。2020年10月に東京都がGo Toトラベル事業の対象として追加された結果、観光需要を中心に急回復していたが、年末年始の同事業の全国一斉停止措置の影響を受け、需要の伸びが鈍化し、一進一退を繰り返している。日本旅行業協会による「旅行業における新型コロナウイルスガイドライン」で、団体旅行での三密を避ける施策として「ガイドレシーバーを利用したガイディング等を行うこと」との推奨がされた結果、旅行代理店や観光名所からのイヤホンガイド(R)への問い合わせが続いている。
2021年5月期通期については、同日、連結業績予想の上方修正を発表した。売上高が前期比13.9%増(前回予想比4.0%増)の52.00億円、営業利益が同83.6%増(同52.0%増)の7.60億円、経常利益が同86.0%増(同52.0%増)の7.60億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同72.7%増(同51.5%増)の5.00億円としている。
また、2021年5月期の期末配当予想について、配当方針及び今期の好調な業績を踏まえ、前回予想の23.00円より6.00円増額の1株当り29.00円(前期比7.00円増配)とすることを発表した。
《ST》