来週の株式相場に向けて=“巣ごもり関連株”は目を覚ますのか
東京株式市場は、上値が重い展開が続く。16日も前日のNYダウが305ドル高で初の3万4000ドル乗せを達成したのに対し、日経平均株価は結局40円高にとどまり、一時マイナス圏に転じる場面もあった。東京市場は、日経平均3万円に近づいても再び遠ざかる「逃げ水相場」の状態にある。NYダウが上昇基調を続けるのに対して、日経平均株価が横ばい圏となる“日米デカップリング”が続く。
この要因として無視できないのが、新型コロナウイルスワクチンの接種が進み経済再開への期待が高まる米国と、新型コロナの変異株による感染拡大で第4波への警戒感が高まる日本に対する評価の差だ。オリエンタルランド<4661>や近鉄グループホールディングス<9041>、JR西日本<9021>などが軟調な値動きとなっているのに対し、エムスリー<2413>、神戸物産<3038>といった“巣ごもり関連”銘柄の値動きが盛り返している。この動きが本格化するかが、今後のポイントとなりそうだ。
その意味で、今週末に予定されている日米首脳会談からは目が離せない。一部には「首相訪米で米国で余剰となりつつあるワクチン確保の約束を交わす」との期待もある。また、対中政策が話し合われるなか、中国依存度の高い企業の株価にはネガティブに働くことも考えられる。週末の日米首脳会談は相場に影響を与える可能性がある。
来週からは、国内企業の3月決算が本格化する。そのスタートを切る22日の日本電産<6594>の決算への注目度は高い。同日にはディスコ<6146>、オービック<4684>も決算発表を行う。23日にはエムスリー<2413>などが予定している。また、22日にネオマーケティング<4196>がジャスダック・スタンダード、ビジョナル<4194>とステラファーマ<4888>が東証マザーズに新規上場する。
海外では、22日に米3月中古住宅販売件数が公表される。また、20日にネットフリックス<NFLX>、21日にASML<ASML>、22日にインテル<INTC>の決算発表が予定されている。(岡里英幸)